スリープレスナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。219.125.37.49 (会話) による 2015年9月5日 (土) 23:18個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

スリープレスナイト
2008年8月17日 小倉競馬場
欧字表記 Sleepless Night
香港表記 不眠之夜
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2004年2月7日
死没 2012年2月2日(8歳没)
抹消日 2009年10月1日
クロフネ
ホワットケイティーディド
母の父 Nureyev
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産者 ノーザンファーム
馬主 サンデーレーシング
調教師 橋口弘次郎栗東
競走成績
生涯成績 18戦9勝
獲得賞金 3億7316万5000円
テンプレートを表示

スリープレスナイトSleepless Night2004年2月7日 - 2012年2月2日)は、日本競走馬である。馬名の意味は、ペリー提督がいわゆる「黒船(クロフネ)」で来航したときの世相を風刺した狂歌「泰平のねむりをさます 上喜撰 たった四はいで、夜も眠れず」に由来していて、「眠れない夜」という意味である。おもな勝ち鞍は、2008年のCBC賞北九州記念スプリンターズステークス。サッカー・ガンバ大阪遠藤保仁一口馬主として出資していた[1]

経歴

2004年2月7日に誕生。栗東トレーニングセンター所属の 橋口弘次郎厩舎に入厩。

デビュー戦はギリギリで桜花賞に間に合うことも考慮され2007年1月7日、第1回京都競馬2日目第6競走の新馬戦が選択される[2]も結果は2着。その後1戦をはさみクロフネ産駒ということでダート戦に出走し[2]初勝利を挙げた。

初勝利となったデビュー3戦目からダート短距離戦を中心にレースに出走実績を積み重ねた。

その後、京葉ステークスで騎乗した横山典弘が芝での可能性[3]を調教師に告げたことから、栗東ステークス後はプロキオンステークスへの出走を予定していたが、デビュー2戦目以来の芝でのレースとなったCBC賞に出走[2]。最後の直線走路で馬群を掻き分けるように抜け出し、優勝を飾った。

次走の北九州記念では、1番人気に支持され、それに応えて直線で抜け出し、2着のマルカフェニックスに2馬身差を付けて勝利。

第43回北九州記念

10月5日、第42回スプリンターズステークスに出走、好スタートから好位追走し、先行するウエスタンビーナスを直線で外から捉えて先頭に立つと、そのまま伸び、追いすがるキンシャサノキセキを抑えて5連勝で初のGI競走勝利を飾った。鞍上の上村洋行騎手生活17年目にして悲願のGI初勝利となった。その後は香港スプリントに出走する予定だったが、トレーニングセンター内で放馬した際に外傷を負ったため断念[4] 。さらにドバイゴールデンシャヒーンを目指すプランもあったが、今度は放牧先で蕁麻疹を発症したために断念した[5]

2009年はその蕁麻疹の影響による調整遅れもあって3月29日の第39回高松宮記念に直行したが、1番人気で出走。先行して粘るローレルゲレイロを捉えきれず、2着に敗れた。その後、休養を挟んで9月13日の第23回セントウルステークスに出走。好位追走から直線で追い上げてくるも早めに先頭に立ったアルティマトゥーレを捕らえることができず2着に敗れた。 前年に続きスプリンターズステークス連覇を狙っていた矢先の9月26日、右前屈腱炎を発症し陣営は同馬を引退させるとコメントした。そして、2009年10月1日付でJRA競走馬登録を抹消、生まれ故郷のノーザンファームで繁殖牝馬となった。

2011年1月27日に第1仔を出産。2012年1月23日に第2仔を出産した後、2月2日に右橈骨を骨折したことにより死亡[6]。8歳歿。第1仔は「ブロンシェダーム」(フランス語で「眠れない淑女」)と名付けられ、2014年2月8日に小倉芝1200mで新馬勝ちを収めた。

繁殖

馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績
第1子 ブロンシェダーム 2011年 鹿毛 ディープインパクト 栗東・橋口弘次郎 サンデーレーシング
第2子   2012年 鹿毛 ディープインパクト    

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手
距離(馬場) タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2007 1. 7 京都 3歳新馬 16 7 14 1.9 (1人) 2着 安藤勝己 54 芝1400m(稍) 1:25.2 (35.7) 0.0 シュガーヴァイン
1. 20 京都 3歳未勝利 16 5 10 1.8 (1人) 3着 C.ルメール 54 芝1600m(良) 1:37.5 (36.0) 0.2 ウィンナワルツ
2. 10 京都 3歳未勝利 16 6 12 1.3 (1人) 1着 安藤勝己 54 ダ1200m(良) 1:12.8 (36.8) -1.6 (スリーキュラソー)
3. 3 阪神 3歳500万下 13 6 9 1.5 (1人) 2着 安藤勝己 54 ダ1200m(良) 1:12.9 (37.7) 0.2 マジックボンバー
5. 13 京都 3歳500万下 16 1 2 1.7 (1人) 1着 上村洋行 54 ダ1200m(良) 1:11.9 (36.4) -0.4 (テイエムカゲムシャ)
6. 17 阪神 出石特別 16 4 8 3.4 (1人) 1着 上村洋行 52 ダ1200m(良) 1:11.7 (36.7) -0.3 (アグネスハッピー)
7. 14 新潟 越後S 15 8 14 3.4 (2人) 1着 上村洋行 52 ダ1200m(稍) 1:11.0 (36.5) -0.3 (エアアドニス)
10. 8 東京 ペルセウスS OP 16 1 1 3.4 (1人) 5着 上村洋行 51 ダ1400m(良) 1:22.9 (36.4) 0.5 トーセンブライト
11. 18 東京 霜月S OP 16 2 4 7.5 (5人) 5着 上村洋行 53 ダ1400m(良) 1:23.3 (36.0) 0.5 アドマイヤスバル
12. 9 阪神 ギャラクシーS OP 16 2 3 7.9 (4人) 2着 上村洋行 53 ダ1400m(良) 1:22.5 (35.5) 0.1 マイネルスケルツィ
2008 1. 6 京都 門松S OP 16 6 12 4.7 (2人) 2着 上村洋行 53 ダ1400m(良) 1:24.0 (36.0) 0.1 トラストジュゲム
4. 20 中山 京葉S OP 16 1 2 4.8 (2人) 1着 横山典弘 53 ダ1200m(稍) 1:09.1 (35.6) 0.0 (ニシノコンサフォス)
5. 18 京都 栗東S OP 16 6 12 2.1 (1人) 1着 上村洋行 55 ダ1200m(良) 1:10.7 (35.2) -0.1 (ジョイフルハート)
6. 15 中京 CBC賞 GIII 18 1 2 7.7 (4人) 1着 上村洋行 55 芝1200m(良) 1:08.0 (33.8) -0.2 (スピニングノアール)
8. 17 小倉 北九州記念 JpnIII 18 2 4 2.5 (1人) 1着 上村洋行 56 芝1200m(稍) 1:07.5 (34.2) -0.3 (マルカフェニックス)
10. 5 中山 スプリンターズS GI 16 7 14 2.4 (1人) 1着 上村洋行 55 芝1200m(良) 1:08.0 (33.9) -0.2 キンシャサノキセキ
2009. 3. 29 中京 高松宮記念 GI 18 2 4 3.5 (1人) 2着 上村洋行 55 芝1200m(良) 1:08.1 (34.8) 0.1 ローレルゲレイロ
9. 13 阪神 セントウルS GII 15 4 8 2.8 (1人) 2着 上村洋行 57 芝1200m(良) 1:08.2 (34.1) 0.4 アルティマトゥーレ

1400m以上の距離では6戦し2着3回・3着1回と一度も優勝していないのに対し、1200m戦では芝・ダートを問わず12戦し9勝2着3回、連対率100%を誇る生粋のスプリンターであった。

血統表

スリープレスナイト血統ヴァイスリージェント系 / (Nearctic5×4×4=15.63%、Northern Dancer 5×3 15.63%) (血統表の出典)

*クロフネ
1998 芦毛
父の父
*フレンチデピュティ
French Deputy
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
父の母
*ブルーアヴェニュー
Blue Avenue
1990 芦毛
Classic Go Go Pago Pago
Classic Perfection
Eliza Blue Icecapade
*コレラ

*ホワットケイティーディド
What Katy Did
1989 鹿毛
Nureyev
1977 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Special Forli
Thong
母の母
Katies
1981 黒鹿毛
*ノノアルコ Nearctic
Seximee
Mortefontaine *ポリック
Brabantia F-No.7-f


備考

母はアメリカ産で3勝を上げており、半妹にエリザベス女王杯などを制したヒシアマゾンフェアリーステークス勝ちのヒシナイル、ローズステークスを制したヒシピナクルがいる。また、祖母のKatiesの一族からは2007年JRA賞年度代表馬に選出されたアドマイヤムーンが出ている。

脚注

外部リンク