オウケンブルースリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。OKfarm (会話 | 投稿記録) による 2021年6月23日 (水) 14:25個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (14.0.169.99 (会話) による ID:84170655 の版を取り消し)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

オウケンブルースリ
2009年10月11日 京都競馬場
(京都大賞典優勝時)
欧字表記 Oken Bruce Lee
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2005年2月24日(19歳)
登録日 2008年3月20日
ジャングルポケット
シルバージョイ
母の父 Silver Deputy
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産者 ノーザンファーム
馬主 福井明
調教師 音無秀孝栗東
競走成績
生涯成績 27戦5勝
獲得賞金 5億386万3000円
勝ち鞍 JpnI菊花賞(2008年)
GII京都大賞典(2009年)
テンプレートを表示

オウケンブルースリOken Bruce Lee)とは日本競走馬である。2008年菊花賞優勝馬。2005年セレクトセール当歳にて3000万円で落札された。

馬名は、馬主の冠名と、馬主が空手を始めたきっかけとなった香港俳優ブルース・リーにちなんで付けられた(「ブルースリー」でないのは、日本では競走馬名が9文字以内と定められているためである)。

経歴

2歳

2005年2月24日北海道早来町(現在は安平町)のノーザンファームにて出生。栗東トレーニングセンター音無秀孝厩舎へ入厩する。しかし体作りが遅れ、2歳時にはデビューすることが出来なかった。

3歳

2008年4月26日皐月賞の翌週の福島競馬場における未勝利戦で遅めのデビューをし、2着に入った。初勝利はディープスカイが優勝した東京優駿(日本ダービー)の翌週の中京競馬場で行われた未勝利戦だった。その後、6月21日阪神競馬場での生田特別(500万)、8月23日新潟競馬場での阿賀野川特別(1000万)と3連勝を飾った[1]

続いて9月28日には神戸新聞杯(JpnII)に出走。初のオープンクラスでのレースでしかも重賞レースであったが、ディープスカイの3着に入り菊花賞の優先出走権を得た。10月26日の第69回菊花賞では混戦模様の中、単勝3.7倍の1番人気に支持され、レースでは阿賀野川特別からコンビを組む内田博幸を鞍上に、道中は中団からやや後方あたりからレースを進め、最後の直線で先頭に立つと後続を引き離し、内から詰め寄ったフローテーションに1馬身1/4の差をつけてゴールし、重賞及びJpnI初制覇を飾った。なお、デビューから184日目での菊花賞制覇は、1990年メジロマックイーンの記録(275日目)を塗り替えて、2歳(旧3歳)戦がスタートした1946年以降の史上最短菊花賞勝利記録となった[2][注 1]。また、福島競馬場でデビューした馬が菊花賞を勝ったのも史上初。

レース後、陣営は父ジャングルポケットと同様に「菊花賞-ジャパンカップ-有馬記念」のローテーションを予定していると発表。11月30日の第28回ジャパンカップではスローペースでレースが進む中、最後の直線で伸びて来るもののスクリーンヒーローの5着に敗れた。有馬記念はファン投票6位[3]となるも、ジャパンカップの疲れが抜け切れないため回避した[4]

4歳

2009年3月22日阪神大賞典から始動。1番人気に支持されたが、重馬場の中で伸びを欠きいいところなくアサクサキングスの7着に敗れた。この後天皇賞(春)に向かう予定だったが、阪神大賞典後に腰部不安が再発。ここで調教師の音無秀孝は無理をさせず、腰部の治癒に専念するため以後の春GIを全休する決断を下す[5]

半年以上にわたる休養後、10月11日京都大賞典に出走。半年振りのブランクが嫌われ3番人気であったが、いざレースになると道中は安定した走りから最終直線では鋭い伸び脚から先頭に立ち、スマートギアに3/4馬身差をつけて1着入線[6]。前年の菊花賞以来の勝利を収めた。この勝利で賞金を加算し天皇賞(秋)に出走するが、レースでは最後の直線半ばまで馬群に埋もれる展開となり、カンパニーに3馬身以上離された4着に敗れた。11月29日ジャパンカップは当初獲得賞金額が不足していたため除外される見込みであったが、同レースは国際招待競走であることからレース直前に発表されたレイティングワールド・サラブレッド・ランキング)で登録馬中3位に入り出走権を獲得[7]。本番ではウオッカにハナ差届かず2着に惜敗。敗因は4コーナーで下げた事を内田騎手、音無調教師共に挙げている[8]

5歳

2010年の春シーズンは全休し、10月10日の京都大賞典が緒戦となった。後方2番手を追走から、3〜4コーナーで徐々に進出し、最後の直線で大外から追い込み先に抜け出したメイショウベルーガに半馬身差まで詰め寄るも2着に敗れた。天皇賞(秋)は右前脚に腫れがあり回避した。ジャパンカップでは、これまで主戦を務めていた内田博幸がエイシンフラッシュに騎乗するため、クリストフ・ルメールに乗り替わることとなった。レースは、後方2番手を追走も最後の直線で伸び切れず7着だった。有馬記念では横山典弘との初コンビで出走。2番手につけたが直線で失速してしまい、11着に敗れた。

6歳

2011年緒戦となった京都記念では最後方追走も直線で伸び切れず7着、続く阪神大賞典では見せ場がなく8着、本番の天皇賞(春)でも10着に敗れた。夏の休養明け緒戦となった京都大賞典では中団から追い込んで3着。アルゼンチン共和国杯では後方4番手で追走し直線で大外からジリジリと追い込んでくるが2着に敗れた。ジャパンカップは後方で待機したが直線ではまったく伸びず10着と惨敗した。

7歳

2012年緒戦となったダイヤモンドステークスでは見せ場がなく14着、続く阪神大賞典では後方追走も直線で伸び切れず8着に敗れた。約半年の休養を挟んで10月の京都大賞典に出走し2着。その後は3走していずれも着外に終わり、有馬記念14着を最後に現役引退が発表された[9]2013年1月19日に京都競馬場で引退式が行われ、20日付け競走馬登録を抹消した。引退後はイーストスタッド種牡馬になる[10]

種牡馬時代

初年度から23頭と種付け数は少なく、2年目12頭、3年目には9頭と一桁まで落ちこんだ[11]。4年目は種付け数は8頭・5年目の2017年には遂に1頭にまで落ち込み種牡馬としては厳しい立場にある。

2016年から産駒がデビュー。同年の6月にシュヴァルミニョンが金沢の新馬戦で勝利して、産駒初勝利。翌2017年8月12日、未勝利戦でプリモガナドールが勝利し、産駒JRA初勝利[12]

2017年にデビューした2年目世代も、JRAデビュー頭数が僅かに6頭(2018年2月11日現在)と少ないが、その中の1頭オウケンムーンが2018年2月11日の共同通信杯(G3)を3連勝で勝利し、産駒重賞初勝利を達成した[13]

代表産駒

競走成績

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
(kg)
距離(馬場) タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2008. 4. 26 福島 3歳未勝利 12 7.9 (4人) 2着 北村友一 55 芝2000m(良) 2:03.5 (34.2) 0.0 ドリームエレメンツ
5. 17 新潟 3歳未勝利 11 1.5 (1人) 5着 北村友一 55 芝2000m(良) 2:02.8 (35.8) 0.3 エイデンダンス
6. 8 中京 3歳未勝利 18 3.2 (1人) 1着 北村友一 55 芝2000m(良) 2:00.0 (35.6) -0.7 (ロードフラッシュ)
6. 21 阪神 生田特別 3歳上500万下 11 2.0 (1人) 1着 武豊 53 芝2400m(稍) 2:28.0 (34.4) 0.0 (コパノジングー)
8. 23 新潟 阿賀野川特別 3歳上1000万下 12 3.5 (1人) 1着 内田博幸 54 芝2200m(良) 2:11.9 (34.1) -0.4 (デストラメンテ)
9. 28 阪神 神戸新聞杯 JpnII 18 4.2 (2人) 3着 内田博幸 56 芝2400m(良) 2:25.4 (34.5) 0.1 ディープスカイ
10. 26 京都 菊花賞 JpnI 18 3.7 (1人) 1着 内田博幸 57 芝3000m(良) 3:05.7 (34.8) -0.2 (フローテーション)
11. 30 東京 ジャパンC GI 17 7.3 (4人) 5着 内田博幸 55 芝2400m(良) 2:25.8 (34.2) 0.3 スクリーンヒーロー
2009. 3. 22 阪神 阪神大賞典 GII 12 2.6 (1人) 7着 内田博幸 58 芝3000m(重) 3:14.4 (39.5) 1.2 アサクサキングス
10. 11 京都 京都大賞典 GII 14 4.7 (3人) 1着 内田博幸 59 芝2400m(良) 2:24.3 (34.1) -0.1 (スマートギア)
11. 1 東京 天皇賞(秋) GI 18 8.0 (3人) 4着 内田博幸 58 芝2000m(良) 1:58.0 (33.6) 0.8 カンパニー
11. 29 東京 ジャパンC GI 18 4.7 (2人) 2着 内田博幸 57 芝2400m(良) 2.22.4 (34.1) 0.0 ウオッカ
2010. 10. 10 京都 京都大賞典 GII 11 3.3 (1人) 2着 内田博幸 58 芝2400m(良) 2:25.1 (34.7) 0.1 メイショウベルーガ
11. 28 東京 ジャパンC GI 18 15.8 (6人) 7着 C.ルメール 57 芝2400m(良) 2:25.4 (33.8) 0.2 ローズキングダム
12. 26 中山 有馬記念 GI 16 24.9 (8人) 11着 横山典弘 57 芝2500m(良) 2:33.7 (35.4) 1.1 ヴィクトワールピサ
2011. 2. 13 京都 京都記念 GII 12 8.7 (4人) 7着 内田博幸 58 芝2200m(良) 2:15.1 (35.2) 1.2 トゥザグローリー
3. 20 阪神 阪神大賞典 GII 13 4.9 (2人) 8着 浜中俊 58 芝3000m(良) 3:05.4 (35.5) 1.0 ナムラクレセント
5. 1 京都 天皇賞(春) GI 18 77.2 (12人) 10着 浜中俊 58 芝3200m(稍) 3:21.9 (35.8) 1.3 ヒルノダムール
10. 9 京都 京都大賞典 GII 8 6.6 (3人) 3着 浜中俊 58 芝2400m(良) 2:24.3 (33.1) 0.2 ローズキングダム
11. 6 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 18 4.3 (1人) 2着 田辺裕信 58.5 芝2500m(良) 2:31.7 (35.1) 0.2 トレイルブレイザー
11. 27 東京 ジャパンC GI 16 46.0 (12人) 10着 蛯名正義 57 芝2400m(良) 2:25.0 (33.8) 0.8 ブエナビスタ
2012. 2. 18 東京 ダイヤモンドS GIII 16 6.2 (3人) 14着 田辺裕信 58.5 芝3400m(良) 3:38.1 (35.3) 1.3 ケイアイドウソジン
3. 18 阪神 阪神大賞典 GII 12 72.5 (7人) 8着 安藤勝己 57 芝3000m(稍) 3:14.4 (39.5) 2.6 ギュスターヴクライ
10. 8 京都 京都大賞典 GII 13 24.1 (7人) 2着 浜中俊 57 芝2400m(良) 2:23.4 (35.2) 0.0 メイショウカンパク
11. 4 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 15 7.3 (4人) 7着 浜中俊 58 芝2500m(良) 2:31.1 (34.9) 1.2 ルルーシュ
11. 25 東京 ジャパンC GI 17 207.8 (17人) 14着 浜中俊 57 芝2400m(良) 2:24.9 (34.5) 1.8 ジェンティルドンナ
12. 23 中山 有馬記念 GI 16 116.6 (15人) 14着 田辺裕信 57 芝2500m(良) 2:34.4 (37.5) 2.5 ゴールドシップ

血統表

オウケンブルースリ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ゼダーン系グレイソヴリン系
[§ 2]

ジャングルポケット
1998 鹿毛 日本
父の父
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛 アイルランド
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge HornBeam
Priddy Fair
父の母
*ダンスチャーマー
Dance Charmer
1990 黒鹿毛 アメリカ
Nureyev Northern Dancer
Special
Skillful Joy Nodouble
Skillful Miss

*シルバージョイ
Silver Joy
1993 栗毛 カナダ
Silver Deputy
1985 鹿毛 カナダ
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Silver Valley Mr. Prospector
Seven Valleys
母の母
Joy of MyrtleWood
1984 鹿毛 アメリカ
Northern Jove Northern Dancer
Junonia
Myrtlewood Lass Ribot
Gold Digger F-No.13-c
母系(F-No.) 13号族(FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer4×4×5、Gold Digger4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ オウケンブルースリ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com オウケンブルースリ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ オウケンブルースリ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ オウケンブルースリ 5代血統表2017年8月30日閲覧。

脚注

注釈

  1. ^ この記録は2014年トーホウジャッカルによって更新されている。

出典

  1. ^ 菊花賞、上がり馬オウケンブルースリが混戦制す”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
  2. ^ 菊花賞アラカルト”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
  3. ^ 有馬記念ファン投票、最終結果発表”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
  4. ^ オウケンブルースリが有馬記念を回避 - 2008年12月11日 livedoorNEWS(2014年8月20日閲覧)
  5. ^ オウケンブルースリが春全休へ - 2009年4月7日 netkeiba.com(2014年8月20日閲覧)
  6. ^ 菊花賞馬オウケンブルースリが復活V/京都大賞典”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
  7. ^ 2009年ジャパンカップ特集(有力馬紹介) - 2009年11月26日 Keiba@nifty(2014年8月26日閲覧)
  8. ^ 2009年ジャパンカップ特集(レース短評&関係者コメント) - 2009年11月29日 Keiba@nifty(2014年8月26日閲覧)
  9. ^ オウケンブルースリが引退 08年菊花賞馬 - 2012年12月24日 スポニチAnnex(2014年8月26日閲覧)
  10. ^ 08年の菊花賞馬、オウケンブルースリが競走馬登録を抹消”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
  11. ^ オウケンブルースリ”. JBIS. 2017年11月17日閲覧。
  12. ^ オウケンブルースリ産駒がJRAで初勝利!”. イーストスタッド. 2017年9月4日閲覧。
  13. ^ 【共同通信杯】3連勝で重賞Vのオウケンムーン、クラシックの有力候補に”. スポーツ報知. 2018年2月11日閲覧。

外部リンク