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[[en:Ecumenical]]

'''エキュメニカル'''(''Ecumenical'')は、「普遍的」を意味する[[ギリシャ語]]起源の[[英語]]の単語で、特に[[キリスト教]]の教会の総体、全体を指す。世界、全地と訳されることがある。[[東方正教会]]では、名目上の最高の地位にある[[コンスタンティノープル総主教]](コンスタンティノポリ総主教)のことを[[エキュメニカル総主教]](世界総主教)という。

また普遍公会議(全地公会)の原語も「エキュメニカル」が冠せられている。

また、20世紀に起こった、プロテスタントを中心とするキリスト教の教会一致運動を、'''エキュメニカル運動'''といい、「世界教会一致運動」と訳される。この立場にたち、キリスト教の超教派による対話と和解、一致を目指す主義を'''[[エキュメニズム]]'''(世界教会主義)という。

エキュメニカル運動では、[[プロテスタント]]と東方正教会が加わる[[世界教会協議会]](WCC)が長年取り組みを続け、[[カトリック教会|カトリック]]も[[第2ヴァティカン公会議]]を経てこれに呼応し、近年では特に、カトリックとプロテスタントの[[ルーテル教会]]、[[聖公会]]の取り組みが成果を挙げている。活動のレベルとしても、教派を越えた信徒レベルの対話や交流から、[[ローマ教皇]]や[[コンスタンティノープル総主教]]、[[モスクワ総主教]]のような高位の聖職者・教役者を交えた教派間の対話まで様々な活動が世界各地で行われている。

ただし必ずしもエキュメニカル運動は一枚岩の運動ではない。これは多様な教派が参加することにくるもので、東方正教会は、世界教会協議会の最近の議題はプロテスタント内部の問題にのみ終始しているとして、総会を退席するなど、必ずしも同一の歩調をとっていない。またカトリック教会は、プロテスタントとの対話を促進する一方、聖公会を含めたプロテスタントは使徒継承性をもたず、カトリックの聖体を受けることができないと確認するなど、運動の深化のなかで、自教派の独自性を再確認する動きも起こっている。こうした動きを好感する保守派と、エキュメニカル運動に逆行するものと捉えるリベラル派が今日のエキュメニカル運動のなかには存在する。

== 関連項目 ==
*[[世界教会協議会]] WCC
*[[日本キリスト教協議会]] NCC
*[[第2ヴァティカン公会議]]


[[category:キリスト教|えきゅめにかる]]

2005年8月27日 (土) 10:39時点における版