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'''ティファニー'''（[[英語|英称]]：{{lang|en|Tiffany & Co.}}）は、[[アメリカ合衆国]]の[[装身具|宝飾品]]および[[銀]]製品のブランドである。
'''ティファニー'''（[[英語|英称]]：{{lang|en|Tiffany & Co.}}）は、[[アメリカ合衆国]]の[[装身具|宝飾品]]および[[銀]]製品のブランドである。


[[1837年]][[9月18日]]にアメリカで創業され、今日では、ロンドン・ローマ・シドニー・東京など世界20カ国にブランドショップを持っている。現在はフランスの企業グループである[[LVMH]]に属する。
[[1837年]][[9月18日]]に[[チャールズ・ルイス・ティファニー]]とジョン・B・ヤングによってアメリカで創業され、今日では、ロンドン・ローマ・シドニー・東京など世界20カ国にブランドショップを持っている。現在はフランスの企業グループである[[LVMH]]に属する。


== 取扱商品 ==
日本では、[[クリスマス]]などの贈り物として[[オープンハート]]の[[ペンダント]]が人気である。また、アイテムとしてはマイナーな部類に入るが、テンプルパーツの交換で多彩な表情が楽しめるサングラスも展開されている。発売元は[[レイバン]]、[[プラダ]]などと同じ[[ミラリジャパン]]である。
=== ジュエリー ===
[[カルティエ]]、[[ブルガリ]]、[[ヴァンクリーフ&アーペル]]、[[ハリー・ウィンストン]]と並び、世界五大ジュエラーに数えられる。ティファニーはこの中では最も歴史が古い<ref name="鈴木">{{Cite web|title=ティファニーが「2万円台」でオープンハートのペンダントを売る理由|url=https://diamond.jp/articles/-/329980|publisher=DIAMOND online|accessdate=2024-02-03}}</ref>。特色としては、他の高級ブランドと比較して幅広い品質と価格帯の商品を取り扱っていることが挙げられる<ref name="鈴木"/>。ただし低価格帯の商品が多いことに関しては賛否があり、店舗での従業員による売り方に対しても、高級宝飾店としてのブランドを損ねていると批判する声がある<ref>{{cite web|url=https://forbesjapan.com/articles/detail/16939/page2|title=ティファニーが抱える「本当の問題」とは何なのか|publisher=ForbesJAPAN|accessdate=2024-02-10}}</ref>。

ジュエリーの種類としては、ダイヤモンドを中心にした高級ジュエリー、ブライダル関連、シルバー・ゴールド製品、デザイナー名を冠したジュエリーの4つがある<ref name="VOGUE">{{cite web|url=https://www.vogue.co.jp/tag/tiffany|title=Tiffany & Co. ティファニー|publisher=VOGUE JAPAN|accessdate=2024-02-18}}</ref>。ダイヤモンドに関しては、原産地を明記し、紛争地や人権問題が懸念される国からは調達していない<ref name="WWDJAPAN768232"/>。カットと研磨は、[[ベルギー]]、[[ボツワナ]]、[[モーリシャス]]、[[タイ王国|タイ]]、[[ベトナム]]、[[カンボジア]]にある自社工場で実施している<ref name="provenance"/>。セッティングについては、エンゲージリングにおいて、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを6本の細い爪で支える立て爪のセッティングを初めて取り入れたことで有名であり、この方法はティファニーセッティングと呼ばれている<ref name="別冊家庭画報27"/>。

日本では、特にバブル期において、[[クリスマス]]などの贈り物として[[オープンハート]]の[[ペンダント]]が人気であった<ref>{{Cite web|title=#53 時代を超越するオープン ハート【ティファニー】|url=https://spur.hpplus.jp/jewelry_watch/netemosametemo/2022-07-29-M3lzI0M/|publisher=SPUR.JP|accessdate=2024-02-10}}</ref>。

=== 食器 ===
銀食器は[[1851年]]から製造しており、ティファニーを世界的に有名にした最初の商品であった<ref name="山口78">[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.78</ref>。アメリカ企業としては初めて[[スターリングシルバー]]基準を適用した<ref name="軌跡"/>。この基準はその後アメリカ政府の公式基準として採用された<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.185</ref>。

=== 時計 ===
時計分野は[[1847年]]からかかわっており、[[1874年]]には自社製作をはじめている<ref>{{cite web|url=https://diamond.jp/articles/-/149912|title=19世紀から継承される時計製作。ティファニーの現代コレクションがアツい！|publisher=DIAMONDonline|accessdate=2024-02-10}}</ref>。本店に飾られたアトラースの時計をモチーフにした「ティファニー アトラス ウォッチ」<ref>{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/watches/shop/atlas-watches/|title=ティファニー アトラス ウォッチ|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-10}}</ref>、アメリカのクラフトマンシップの伝統が現れている「ティファニー 1837 メイカーズ ウォッチ」<ref>{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/watches/shop/tiffany-1837-makers-watches/|title=ティファニー 1837 メイカーズ ウォッチ|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-10}}</ref>などのコレクションを販売している。

=== アクセサリー ===
バッグ、財布などの革製品<ref>{{cite web|url=https://snkrdunk.com/articles/17179/|title=ティファニー アイコン「ティファニー T」コレクションから着想を得た新作レザーグッズが登場|publisher=SNKRDUNK|accessdate=2024-02-10}}</ref>や、サングラスを展開している。サングラスの発売元は[[レイバン]]、[[プラダ]]などと同じ[[ルックスオティカ]]ジャパンである<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/835772|title=伊勢丹新宿ザ・ステージで初のサングラスイベント開催　眼鏡コンシェルジュがサポート|publisher=WWDJAPAN|accessdate=2024-02-10}}</ref>。

=== 香水 ===
1987年、初めての香水「ティファニー」を発表した。1989年にはティファニーメンズ、1995年にはトゥエステを販売した<ref>{{cite web|url=https://www.businessinsider.jp/post-203293|title=写真で振り返るティファニーの歴史…記録的な金額でLVMHの傘下に|publisher=BUSINESS INSIDER|accessdate=2024-02-10}}</ref><ref name="FMDTiffanyCo">{{cite web | url=https://www.fashionmodeldirectory.com/brands/tiffany-co/| title = TIFFANY & CO.| publisher = Fashion Model Directory | accessdate=2024-02-10}}</ref>。その後、販売をしていなかった時期もあったが、2017年に{{仮リンク|コティ|en|Coty}}とライセンス契約し、15年ぶりの新作を販売した<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/450741|title=「ティファニー」が15年ぶりに香水発売|publisher=WWDJAPAN|accessdate=2024-02-10}}</ref>。2020年には、初のペアフレグランス「ティファニー ＆ ラブ」を発売した<ref>{{cite web|url=https://www.fashion-press.net/news/57551|title=ティファニー初のペアフレグランス「ティファニー＆ラブ」ウッディなブルーセコイアの香り|publisher=FASHION PRESS|accessdate=2024-02-10}}</ref>。

=== 本 ===
3代目社長である{{仮リンク|ウォルター・ホーヴィング|en|Walter Hoving}}によって書かれたマナー本『ティファニーのテーブルマナー』を1961年に刊行している。もともと顧客への記念として送っていた。テーブルウェアも手掛けるティファニーだから、テーブルマナーの大切さを伝えたいという思いがこめられている<ref>[[#TIFFANY AtoZ(2015)|TIFFANY AtoZ(2015)]] p.85</ref>。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
=== 19世紀 ===
[[1837年]][[9月18日]]にチャールズ・ルイス・ティファニー([[:en:Charles Lewis Tiffany|en]])とジョン・B・ヤングの二人は、ティファニーの前身であるティファニー・アンド・ヤングという会社を設立した。
[[1837年]][[9月18日]]に[[チャールズ・ルイス・ティファニー]]とジョン・B・ヤングの二人は、ティファニーの前身であるティファニー・アンド・ヤングという会社を設立した<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.122</ref>。

一番初めの店は[[ニューヨーク]]の[[ブロードウェイ]]259番地におかれた<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.121</ref>。この店は当時一般的な時価でなく、「各商品に値札をつけ値引き交渉に応じない」という当時としては革命的なポリシーを貫いており<ref name="久我137">[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.137</ref><ref>[[#桐生(1997)|桐生(1997)]] p.202</ref>、[[文房具]]や装飾品などを扱っていた<ref>[[#Alef(2009)|Alef(2009)]] p.17</ref>。開店当初は売上が伸び悩んでいたが、東洋からの船により運ばれてきた日本の工芸品が高値で売れたことをきっかけに、東洋とりわけ日本の工芸品を扱うようになった<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.124-125</ref><ref name="山口76">[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.76</ref>。

[[1841年]]、新たにJ.L.エリスが出資者として加わり、社名を「ティファニー・ヤング・アンド・エリス（Tiffany, Young and Ellis）」に変えた<ref name="Tiffany14">[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.14</ref>。また、店を隣の260番地まで拡張した<ref name="Tiffany14"/>。さらに同年、エリスから得た資金をもとにヤングがパリに出向いた。ヤングはそこで珍しい商品を買い付けるようになったため、店の知名度は高まっていった<ref name="山口76"/>。また、ヤングは人造宝石の独占販売権を獲得し、これにより宝石の販売を始めた<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.129</ref>。

[[1845年]]、アメリカで初となるダイレクトメールカタログを発行した。これは現在ではブルー・ブック・コレクションとして知られている<ref name="軌跡">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/world-of-tiffany/the-world-of-tiffany-timeline/|title=ティファニーの軌跡|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-13}}</ref>。[[1847年]]にはブロードウェイのチェンバーズ通りに店を出した<ref name="久我135">[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.135</ref>。

[[1848年]][[フランス]]での[[1848年革命|二月革命]]発生に伴い、[[貴族]]から重要な[[宝石]]を買い入れ、宝石事業に本格的に進出した。さらにこのとき、[[マリー・アントワネット]]の所蔵品とされる秘宝も入手した<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.130-131</ref>。この秘宝は、ばらばらにしてアメリカ国内で売却した<ref name="山口77">[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.77</ref><ref name="久我131">[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.131</ref>。後にフランス政府から、所有権は王家にあるとして返還を求められたが、ティファニーは、正当な売買であったと主張している。この事件に関する真相は明らかになっていない<ref name="山口77"/><ref name="久我131"/>。王家の秘宝を入手したという話が世間に広まったこともあって、宝石事業は大成功し、アメリカ第一の宝石商という現在の地位に繋がる<ref name="久我131"/>。

[[1850年]]、ボストンの宝石商ギデオン・リードがパートナーとして加わり、リードが主体となってパリに支店を出した<ref name="久我135"/><ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.18</ref>。

[[1851年]]にニューヨークの[[銀]]細工師、ジョン・C・ムーアの事業を買収し銀製品製造を開始した。ジョン・C・ムーアの引退後は息子のエドワード・C・ムーアが工房を引き継いだ<ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.21</ref>。

[[1853年]]、チャールズ・ルイス・ティファニーは会社の全権を握り、社名を今の、''Tiffany & Co.''に改称した<ref name="Tiffany23">[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.23</ref>。そして、[[1854年]]、ブロードウェイ550番地に建てられた新たな本店の入り口には[[ギリシア神話]]の巨人、[[アトラース]]に支えられた大[[時計]]が設置された<ref name="Tiffany23"/><ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.135-136</ref>。この時計は後の本社移転にともない移設されて、ニューヨーク57丁目と五番街の角にある現在のティファニー本店に設置されている<ref name="軌跡"/>。同じく1853年には、ティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーを製品の箱に初めて使用した<ref name="別冊家庭画報46"/>。

[[1861年]]に起きた[[南北戦争]]では北軍に協力し、開戦直後から軍需に応じた<ref name="久我149">[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.149</ref>。パリ支店を利用して欧州から軍服、武器、テント、救急用品を調達し、なかでも軍剣は大量に調達した<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.148-150</ref>。開戦以降、宝飾品の売り上げは落ち込んだが、こうした軍需によって会社を維持することができた<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.141,146</ref>。[[1863年]]7月にニューヨークで暴動が起きたときに店が狙われたが、軍隊が出動したため略奪を免れた<ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] pp.25-26</ref><ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.140-141</ref>。このとき軍がティファニーの店を守ったのは、店が軍に協力しており、店内に武器などが保管されていたからだと考えられている<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.142</ref>。戦後は武器商からは手を引き、在庫はニューヨークの商社に売却した<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.182</ref>。

[[1867年]]に開催された[[パリ万国博覧会 (1867年)|パリ万博]]では、銀のピッチャー、コーヒーセット、ティーセットを出品してアメリカの企業として初めての賞を受賞した<ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] pp.185,195</ref><ref>[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.78</ref>。


[[1868年]]、連邦政府に会社として正式に登録を申請した<ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] pp.26-27</ref><ref>[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.150</ref>。同年、ロンドン店を開業した<ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.27</ref>。さらに時計製造にも着手し、[[スイス]]の[[ジュネーヴ]]に工場を設立した<ref>[[#Tiffany and Company(2018)|Tiffany and Company(2018)]] p.28</ref>。
一番初めの店は[[ニューヨーク]]の[[ブロードウェイ]]259番地におかれた。この店は当時一般的な時価でなく、「各商品に値札をつけ値引き交渉に応じない」という当時としては革命的なポリシーを貫いており、[[文房具]]や装飾品などを扱っていた。


[[1877年]]に南アフリカのキンバリーで発見された287.42[[カラット]]のイエロー・[[ダイヤモンド]]の原石を翌[[1878年]]に1万8000ドルで購入、{{仮リンク|ジョージ・フレデリック・クンツ|en|George Frederick Kunz}}にカットさせた。このダイヤは128.54カラットの有名な「ティファニー・ダイヤモンド」として本店に展示されている<ref name="軌跡"/>。
[[1848年]][[フランス]]での[[1848年革命|二月革命]]発生に伴い、[[貴族]]から重要な[[宝石]]を買い入れ、宝石事業に進出した。この事業が大成功し、アメリカ第一の宝石商という現在の地位に繋がる。


[[1885年]]、アメリカ国章のデザインを作った。これは1ドル札のデザインの中に採用された<ref name="軌跡"/><ref>[[#別冊家庭画報(2013)|別冊家庭画報(2013)]] p.44</ref>。
[[1851年]]にニューヨークの[[銀]]細工師、ジョン・C・ムーアの事業を買収し銀製品製造を開始。アメリカ企業としては初めて[[スターリングシルバー]]基準を適用した。


[[1886年]]ダイヤモンドが最も美しく輝くセッティング（石留め）として[[ティファニーセッティング]]をデザインした。これは現在の[[指輪#用途による種類|エンゲージメントリング]]などで主流とされている代表的なものである<ref name="軌跡"/>。以前のセッティングは金または銀の台座に埋め込まれていたため一方向からの光の反射しか見ることができなかったが、このティファニーセッティングにより、あらゆる角度から光が入るようになった<ref name="別冊家庭画報27">[[#別冊家庭画報(2013)|別冊家庭画報(2013)]] p.27</ref>。これはティファニーの公明正大さを表すものともいわれている<ref name="久我137"/>。また、このセッティングを実現させるために、当時はまだ素材として目新しかった[[プラチナ]]を使用している<ref name="別冊家庭画報27"/>。
[[1853年]]、チャールズ・ルイス・ティファニーは会社の全権を握り、社名を今の、''Tiffany & Co.''に改称した。そして本店の入り口には[[ギリシア神話]]の巨人、[[アトラース]]に支えられた大[[時計]]が設置された。ティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーを初めて使用する。以降時計事業にも進出し、[[スイス]]に工場を設立する。


=== 20世紀 ===
[[1877年]]に南アフリカのキンバリーで発見された287.42[[カラット]]のイエロー・[[ダイヤモンド]]の原石を[[1878年]]18000ドルで購入、Dr.ジョージ・フレデリック・クンツにカットさせた。このダイヤは128.54カラットの有名な「ティファニー・ダイヤモンド」として本店に展示されている。
[[1902年]]、創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーが死去した。息子の[[ルイス・カムフォート・ティファニー]]は副社長及び初代デザイン・ディレクターに就任した<ref>[[#別冊家庭画報(2013)|別冊家庭画報(2013)]] p.45</ref>。ルイスはティファニー社とは別に自分の工房であるティファニー・スタジオを持ち、ガラス工芸の分野で活躍した。1918年にはデザイン・ディレクターの職を辞している<ref>[[#山口(2008)|山口(2008)]] pp.42-43</ref>。


[[1919年]]の売り上げは1700万ドルに達し、1920年代末まで業績は順調に推移した<ref>[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.85</ref>。しかし[[1929年]]の[[世界恐慌]]をきっかけに業績は悪化した。1930年には創業以来初めての赤字となり、1930年代を通じて業績は低調であった<ref>[[#山口(1987)|山口(1987)]] p.86</ref>。
[[1886年]]ダイヤモンドが最も美しく輝くセッティング（石留め）として[[ティファニーセッティング]]をデザイン。ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを6本の細い爪で支える立て爪のセッティングで、これは現在の[[指輪#用途による種類|エンゲージメントリング]]などで主流とされている代表的なものである。


1967年に[[タンザニア]]で発見された青色の[[ゾイサイト]]を[[タンザナイト]]と名付け売り出した。タンザナイトの産出は年々減少している。
[[ファイル:Audrey_Hepburn_in_Breakfast_at_Tiffany's.jpg|thumb|260px|left|『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーン]]
[[ファイル:Audrey_Hepburn_in_Breakfast_at_Tiffany's.jpg|thumb|260px|left|『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーン]]
本店は[[1940年]]にニューヨークの[[5番街 (マンハッタン) |5番街]]・57丁目に移転した。この店は[[オードリー・ヘプバーン]]が主演した映画『[[ティファニーで朝食を (映画)|ティファニーで朝食を]]』のおかげで観光名所の一つとなっている。
本店は[[1940年]]にニューヨークの[[5番街 (マンハッタン) |5番街]]と57丁目の角に移転した<ref name="軌跡"/>。この店は[[オードリー・ヘプバーン]]が主演した映画『[[ティファニーで朝食を (映画)|ティファニーで朝食を]]』（[[1961年]]）のおかげで観光名所の一つとなっている。オードリー・ヘプバーンとティファニーとの関係は映画公開後も続き、創業150周年の際にはヘップバーンからティファニーに祝福の手紙が送られた<ref>[[#別冊家庭画報(2013)|別冊家庭画報(2013)]] pp.14-15</ref>。


[[1955年]]、百貨店{{仮リンク|ボンウィット・テラー|en|Bonwit Teller}}の代表であるウォルター・ホーヴィングが社長となった<ref name="山口43">[[#山口(2008)|山口(2008)]] p.43</ref>。ホーヴィングはデザイナーの採用に力を入れ、{{仮リンク|バン・デイ・トゥーレックス|en|Van Day Truex}}をデザイン・ディレクターに就任させた。そして、ジャン・シュランバージェ、エルサ・ペレッティ、パロマ・ピカソといったデザイナーを採用していった<ref name="Loring161">[[#Loring(1987)|Loring(1987)]] p.161</ref>。
2007年12月、[[スウォッチ・グループ]]は、今後20年間にわたってティファニーが扱う時計に関して戦略的な提携を行うと発表<ref>[https://fashionunited.uk/v1/fashion/tiffany-a-co-and-swatch-group-end-their-20-year-engagement/2011092811125 Tiffany & Co and Swatch Group end their engagement] - FASHION UNITED</ref>。 2008年に合弁を開始したが、2011年末にわずか4年で提携を解消した。[[2015年]]、新たな腕時計のコレクションの発売を開始した。


[[1967年]]に[[タンザニア]]で発見された青色の[[ゾイサイト]]を[[タンザナイト]]と名付け、[[1968年]]に売り出した<ref>{{cite web|url=https://www.gia.edu/JP/tanzanite-history-lore|title=タンザナイトの歴史と伝承|publisher=GIA|accessdate=2024-01-28}}</ref>。また、同年にタンザニアとケニアの国境付近で発見された原石について、[[ツァボ東国立公園]]にちなんで[[ツァボライト]]と名付け、[[1974年]]に発表した<ref>{{cite web|url=https://karatz.jp/tsavorite/|title=ツァボライトの名付け親はティファニー？デマントイドとどう違うの？|publisher=KARATZ Gem Magazine|accessdate=2024-01-28}}</ref>。
新たなサービスとして2019年1月9日以降に新たに購入されたすべてのダイヤモンド リングについて、個別登録済みティファニーダイヤモンド一つ一つの原産地情報を店舗またはティファニー カスタマーサービスにて提供を開始した<ref>{{Cite web|title=Diamond Provenance {{!}} Tiffany & Co.|url=https://www.tiffany.com/engagement/diamond-provenance/|website=www.tiffany.com|accessdate=2019-08-15}}</ref>。この情報は近日中に、ティファニー [[ダイヤモンド]][[鑑定書]]に記載されるようになる。
原産地の明記により、責任ある資源調達を行っていることを世界的に確約すると同時に、2020年までには個々のダイヤモンドのカットや研磨といった製造工程情報の公開も予定している。


[[1979年]]、{{仮リンク|ジョン・ローリング|en|John Loring (designer)}}がデザイン・ディレクターになった<ref name="軌跡"/>。また同年、化粧品会社の[[エイボン・プロダクツ]]がティファニーを買収した。しかし[[1984年]]、投資会社から資金を得て、ウィリアム・チャニー（William R. Chaney）を代表として独立した<ref name="山口43"/><ref name="Loring161"/>。
[[2021年]][[1月7日]]、[[LVMH]]による買収が完了しその傘下ブランドとなった<ref>[https://www.globenewswire.com/news-release/2021/01/07/2154951/0/en/LVMH-completes-the-acquisition-of-Tiffany-Co.html LVMH completes the acquisition of Tiffany & Co.] - Globe Newswire</ref>。

[[1987年]]、創業150周年を記念して、銀食器150セットをホワイトハウスに寄贈した<ref>[[#桐生(1997)|桐生(1997)]] p.200</ref>。

[[2000年]]、社会貢献活動に取り組むためにティファニー財団を設立した。この財団は海洋保護区の創設と実現、景観保全などの事業を支援している。2023年には、海洋と景観保護の助成金交付総額が1億ドルを超えたと発表した<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/1542604|title=ティファニー財団が海洋や景観保護に1億ドル超の支援　20年以上の活動で|publisher=WWDJAPAN|accessdate=2024-02-05}}</ref>。

=== 21世紀 ===
[[2004年]]、真珠専門のチェーン店「イリデッセ（Iridesse）」を立ち上げた。[[2009年]]時点でイリデッセは16店舗を有していたが、経済状況が悪化している中でこれ以上の資源を投入するのは賢明でないという理由で、同年に全店を閉店した<ref>{{cite news | last=Cheng | first=Andria | url=https://www.marketwatch.com/story/tiffany-plans-shut-iridesse-jewelry-chain | title=Tiffany plans to shut Iridesse pearl-jewelry chain | work=Marketwatch| date=March 10, 2009 | access-date=2024-02-12 | archive-date=February 4, 2019 | archive-url=https://web.archive.org/web/20190204122323/https://www.marketwatch.com/story/tiffany-plans-shut-iridesse-jewelry-chain | url-status=live }}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.forbes.com/sites/pamdanziger/2018/12/05/why-pearls-are-the-perfect-luxury-gem-for-millennials/?sh=77e4a9fa20cb|title=Why Pearls Are The Perfect Luxury Gem For Millennials|publisher=Forbes|accessdate=2024-02-12}}</ref>。

2007年12月、[[スウォッチ・グループ]]は、今後20年間にわたってティファニーが扱う時計に関して戦略的な提携を行うと発表<ref>[https://fashionunited.uk/v1/fashion/tiffany-a-co-and-swatch-group-end-their-20-year-engagement/2011092811125 Tiffany & Co and Swatch Group end their engagement] - FASHION UNITED</ref>。 2008年に合弁を開始したが、2011年末にわずか4年で提携を解消した。[[2015年]]、新たな腕時計のコレクションの発売を開始した。


2019年1月9日から、新たに購入されたすべてのダイヤモンドについて個別登録し、一つ一つの原産地情報を店舗またはカスタマーサービスにて購入者に提供するサービスを開始した<ref name="provenance">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/engagement/diamond-provenance/|title=信頼できるダイヤモンド界のリーダー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-07}}</ref><ref name="WWDJAPAN768232">{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/768232|title=ティファニーがジュエリー業界を変える　ダイヤモンドの原産地公開をスタート|publisher=WWDJAPAN|accessdate=2024-02-07}}</ref>。2020年10月から、この情報はダイヤモンド[[鑑定書]]に記載されるようになり、原産地の他、カット、研磨、鑑定、セッティングといった製造工程に関する国名も公表するようになった<ref name="provenance"/><ref>{{cite web|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000368.000010426.html|title=ティファニー、全国のブティックにて「ティファニー ブライダル フェア」を開催|publisher=PRTimes|accessdate=2024-02-07}}</ref>。原産地の情報公開は、責任ある資源調達を世界に確約するものだとみなされている<ref name="WWDJAPAN768232"/>。
== ブティック ==
ティファニーは幅広い品質と価格帯の商品を取り扱っており、そのことでショッピングに夢を与えている。例えば、ティファニーは[[赤ちゃん]]や[[少女]]向けのギフトといった商品もラインナップしているので、13歳の誕生日にティファニーの[[銀]]の[[ペンダント]]を手に入れた少女が、18歳の誕生日にはもう少し上のランクのエンゲージリングを手に入れるということが可能なのである。映画『[[ティファニーで朝食を]]』の中でもヘプバーンが10ドルの品物を買うシーンがあり、老店員の粋な応対が見ものである。


[[2019年]]10月、[[LVMH]]がティファニーに買収を持ちかけ<ref>{{Cite web|title=LVMHがティファニーにM＆A提案？米市場と時計＆ジュエリー部門の拡大狙う|url=https://www.fashionsnap.com/article/2019-10-28/lvmh-tiffany/|publisher=fashionsnap|accessdate=2024-02-01}}</ref>、同年11月に162億ドルでの買収に両社がいったん合意した<ref name="fashionsnap20201028">{{Cite web|title=LVMHとティファニー、買収価格引き下げで再交渉|url=https://www.fashionsnap.com/article/2020-10-28/lvmh-tiffany-acquisition/|publisher=fashionsnap|accessdate=2024-02-01}}</ref>。しかし、アメリカのフランスに対する追加関税の動きを受けて、LVMHは買収を撤回し、ティファニーもLVMHを提訴するなど両者が対立した<ref name="fashionsnap20201028"/>。2020年10月、買収価格を引き下げることで両社は再び合意した<ref>{{Cite web|title=ティファニーがLVMHによる買収価格引き下げに合意|url=https://www.fashionsnap.com/article/2020-10-29/tiffany-lvmh/|publisher=fashionsnap|accessdate=2024-02-01}}</ref>。[[2021年]][[1月7日]]、買収が完了しティファニーはLVMHの傘下ブランドとなった<ref name="globenewswire">[https://www.globenewswire.com/news-release/2021/01/07/2154951/0/en/LVMH-completes-the-acquisition-of-Tiffany-Co.html LVMH completes the acquisition of Tiffany & Co.] - Globe Newswire</ref>。そして[[最高経営責任者|CEO]]には[[ルイ・ヴィトン]]幹部のアントニー・ルドリュが就いた<ref name="globenewswire"/>。
日本の[[バブル期]]には、後に経営[[倒産|破綻]]（はたん）した日本の不動産会社・第一不動産（[[エフ・アール・イー]]）が同本店ビルを買収したことでも話題になった<ref>しかし日本では[[銀座]]本店が[[2007年]][[8月]]、約370億円で[[ゴールドマン・サックス]]・グループに引き取られ、ティファニーはゴールドマンと本店ビルの長期貸借契約を結んで営業を継続している。</ref>。


== 歴代デザイナー ==
== 歴代デザイナー ==
<!--[[Wikipedia:すぐに古くなる表現は使わない]]ということで、「現」の文字は外します。できれば就任時期を加筆していただけると嬉しいです-->
<!--[[Wikipedia:すぐに古くなる表現は使わない]]ということで、「現」の文字は外します。できれば就任時期を加筆していただけると嬉しいです-->
[[File:Elsa Peretti Tiffany.jpg|right|thumb|エルサ・ペレッティ]]
[[File:Elsa Peretti Tiffany.jpg|right|thumb|エルサ・ペレッティ]]
* エドワード・C・ムーア（[[1851年]]就任<ref name="日本軌跡">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/japan-50th-anniversary/|title=日本でのティファニーの軌跡を祝して|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-18}}</ref>）
* [[フランク・ゲーリー]]
* ポールディング・ファーンハム（[[:en:Paulding Farnham]]）（[[1885年]]就任<ref>{{cite web|url=https://blog.kofu-jewelry.jp/2021/05/%E4%B8%96%E7%95%8C5%E5%A4%A7%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E5%BE%8C%E7%B7%A8/|title=世界5大ジュエラー ティファニー（TIFFANY）の歴史後編|publisher=甲府宝飾|accessdate=2024-02-18}}</ref>）
* エドワード・C・ムーア
* ジャン・シュランバージェ（[[:en:Jean Schlumberger (jewelry designer)]]）（[[1956年]]就任<ref name="軌跡"/><ref name="Loring186">[[#Loring(1987)|Loring(1987)]] p.186</ref><ref>[[#Loring(1987)|Loring(1987)]] p.162</ref>）
* エルサ・ペレッティ（[[:en:Elsa Peretti]]）
* [[エルサ・ペレッティ]]（[[1974年]]就任<ref name="軌跡"/><ref>[[#Loring(1987)|Loring(1987)]] p.161</ref>）
* [[パロマ・ピカソ]]
* [[パロマ・ピカソ]]（[[1980年]]就任<ref name="Loring186"/>）
* ジャン・シュランバージェ（[[:en:Jean Schlumberger (jewelry designer)]]）
* [[フランク・ゲーリー]]（[[2006年]]就任<ref>{{cite web|url=https://robbreport.com/style/jewelry/icons-innovations-tiffany-co-architectural-jewels-241535/|title=Icons & Innovations: Tiffany & Co.: Architectural Jewels|publisher=Robb Report|accessdate=2024-02-18}}</ref>）
* フランチェスカ・アムフィテアトロフ（[[:en:Francesca Amfitheatrof]]）
* フランチェスカ・アムフィテアトロフ（[[:en:Francesca Amfitheatrof]]）（[[2013年]]、初の女性デザインディレクターとして就任<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/601823|title=「ルイ・ヴィトン」ウオッチ＆ジュエリーの新クリエイティブトップは「ティファニー」から|publisher=WWDJAPAN|accessdate=2024-02-18}}</ref>）


== ティファニー・ブルー ==
== ティファニー・ブルー ==
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| source = [https://press.tiffany.com/our-story/tiffany-blue Tiffany Blue]
| source = [https://press.tiffany.com/our-story/tiffany-blue Tiffany Blue]
}}
}}
ティファニーの[[コーポレートカラー|カンパニーカラー]]は[[1837年]]から使用されているティファニー・ブルー（TIFFANY BLUE/TIFFANY BLUE BOX）であり、商標登録されている<ref>[[1906年]]にはニューヨークサン紙にこう書かれている。「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠された[[箱]]である。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」</ref>。この色は[[コマドリ]]の卵の色（Robin egg blue）から来ている。
ティファニーの[[コーポレートカラー|カンパニーカラー]]はティファニー・ブルー（TIFFANY BLUE/TIFFANY BLUE BOX）である。[[1845年]]のダイレクトメールカタログの表紙の色として使用され、[[1998年]]に商標登録されている<ref name="tiffany-blue">{{cite web|url=https://press.tiffany.com/our-story/tiffany-blue/|title=Our Story Tiffany Blue|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-27}}</ref>
<ref name="別冊家庭画報46">[[#別冊家庭画報(2013)|別冊家庭画報(2013)]] p.46</ref>。[[1853年]]には商品を入れる箱の色に採用され、これはブルー・ボックスと呼ばれる<ref name="別冊家庭画報46"/>。ブルーボックス誕生から100年後には、本店で白いサテンのリボンがつけられるようになった<ref name="ティファニーボックス">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/world-of-tiffany/blue-box-story/|title=ティファニー ブルー ボックス|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-27}}</ref>。チャールズ・ルイス・ティファニーの言葉として、新聞記事に「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠された[[箱]]である。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」と書かれている<ref name="tiffany-blue"/><ref name="ティファニーボックス"/>。この色は[[コマドリ]]の卵の色（Robin egg blue）から来ている<ref name="久我137"/>。


==スポーツ大会への寄与==
==スポーツ大会への寄与==
[[NFL]]の優勝戦[[スーパーボウル]]の[[ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー]]や[[ワールドシリーズ]]の[[コミッショナーズ・トロフィー]]、[[NBA]]の[[ラリー・オブライエン・トロフィー]]、[[MLSカップ]]、[[全米オープン (テニス)|全米オープン]]、[[NASCARカップ・シリーズ]]、[[League of Legends World Championship|サモナーズカップ]]の優勝トロフィーだけでなく、[[ワールド・ベースボール・クラシック]]の優勝チームに渡された純[[銀]]製の優勝[[トロフィー]]は同社が製作したものである。また、日本プロ野球の[[セントラル・リーグ]]優勝トロフィーや、サッカー[[Jリーグカップ]]の優勝トロフィーも同社製作のものである。また本社を置く[[ニューヨーク市]]の野球チーム、[[ニューヨーク・ヤンキース]]の[[ロゴタイプ]]をデザインしたのも同社である。
[[NFL]]の優勝戦[[スーパーボウル]]の[[ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー]]<ref name="軌跡"/>や[[ワールドシリーズ]]の[[コミッショナーズ・トロフィー]]<ref name="野球">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/sporting-trophies/baseball-trophies/|title=ティファニーがデザインした野球のトロフィー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-28}}</ref>、[[NBA]]の[[ラリー・オブライエン・トロフィー]]<ref name="軌跡"/>、[[MLSカップ]]<ref name="サッカー">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/sporting-trophies/soccer-trophies/|title=ティファニーがデザインしたサッカーのトロフィー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-28}}</ref>、[[全米オープン (テニス)|全米オープン]]<ref name="軌跡"/>、[[NASCARカップ・シリーズ]]<ref>{{cite web|url=https://www.espn.com/blog/playbook/visuals/post/_/id/6970/new-nascar-trophy-adds-to-creative-array|title=New NASCAR trophy adds to creative array|publisher=ESPN|accessdate=2024-01-28}}</ref>、[[League of Legends World Championship|サモナーズカップ]]の優勝トロフィー<ref>{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/sporting-trophies/e-sports-trophies/|title=ティファニーがデザインしたeスポーツのトロフィー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-28}}</ref>だけでなく、[[ワールド・ベースボール・クラシック]]の優勝チームに渡された純[[銀]]製の優勝[[トロフィー]]は同社が製作したものである<ref>{{cite web|url=https://www.nikkansports.com/baseball/samurai/wbc2023/news/202303220000835.html|title=【WBC】トロフィーはティファニーの銀製で11キロ超え！　大谷翔平が表彰台で頭上に掲げる|publisher=日刊スポーツ|accessdate=2024-01-28}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.elle.com/jp/fashion/a43383233/wbc-tiffany-2304/|title=WBCの優勝トロフィーは「ティファニー」製！ 侍ジャパンをチャンピオントロフィーで祝福|publisher=ELLE|accessdate=2024-01-28}}</ref>。また、日本プロ野球の[[セントラル・リーグ]]優勝トロフィー<ref>{{cite web|url=http://www.shikoku-np.co.jp/sports/general/20030127000279|title=新優勝トロフィーを制作 セ・リーグ|publisher=四国新聞社|accessdate=2024-01-28}}</ref>や、サッカー[[Jリーグカップ]]の優勝トロフィー<ref name="サッカー"/>も同社製作のものである。また本社を置く[[ニューヨーク市]]の野球チーム、[[ニューヨーク・ヤンキース]]の[[ロゴタイプ]]をデザインしたのも同社である<ref name="野球"/>。


[[マラソン]]大会への協賛も行っており、[[サンフランシスコ]]で行われる「ナイキウィメンズマラソン」や、2012年より[[名古屋市]]で開催されている「[[名古屋ウィメンズマラソン]]」といった大会に完走賞を提供している。
[[マラソン]]大会への協賛も行っており、[[ニューヨークシティマラソン]]や[[上海国際マラソン]]の優勝トロフィーを製作している<ref name="マラソン">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/sporting-trophies/running-trophies/|title=ティファニーがデザインしたマラソンのトロフィー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-01-28}}</ref>。また、[[サンフランシスコ]]で行われる「ナイキウィメンズマラソン」や、2012年より[[名古屋市]]で開催されている「[[名古屋ウィメンズマラソン]]」といった大会に完走賞を提供している<ref name="マラソン"/><ref>{{cite web|url=https://womens-marathon.nagoya/gift/|title=完走者に「ティファニー」のオリジナルペンダントを贈呈|publisher=名古屋ウィメンズマラソン|accessdate=2024-01-28}}</ref>。

競馬では、[[トラヴァーズステークス]]の優勝トロフィーであるマンノウォーカップ、[[プリークネスステークス]]優勝者に授与されているウッドローン・ベース、[[ベルモントステークス]]のベルモント・メモリアル・チャレンジ・カップなどを手がけている<ref name="競馬">{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/stories/guide/sporting-trophies/horse-racing-trophies/|title=ティファニーがデザインした競馬のトロフィー|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-07}}</ref>。

== 店舗 ==
[[File:Tiffany & Company's flagship store interior 2016.jpg|thumb|ニューヨークにある本店の店内]]
[[File:Tiffany & Co Phipps.jpg|thumb|[[アトランタ]]のフィップス・プラザ]]
全世界で20か国以上に進出している<ref name="VOGUE"/>。

本店は1940年から、[[ニューヨーク|ニューヨーク市]][[マンハッタン]]57丁目と[[5番街 (マンハッタン)|5番街]]の角にある。磨かれた花崗岩でできた外観はウィンドウディスプレイでよく知られており、オードリー・ ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』や[[リース・ウィザースプーン]]主演の『[[メラニーは行く!]]』など、数多くの映画のロケ地として使われてきた。[[1986年]]、日本の不動産会社・第一不動産（[[エフ・アール・イー]]）が本店ビルを買収し話題になった<ref>{{cite web|url=https://www.nytimes.com/1991/09/12/business/company-news-tiffany-building-is-on-the-market.html|title=COMPANY NEWS; Tiffany Building Is On the Market|publisher=The New York Times|accessdate=2024-02-04}}</ref>。しかし[[1999年]]にティファニーは同ビルを買い戻している<ref>{{cite web|url=https://www.nytimes.com/1999/11/23/nyregion/tiffany-s-owns-the-building-once-again.html|title=Tiffany's Owns the Building Once Again|publisher=The New York Times|accessdate=2024-02-04}}</ref>。2019年からは店舗の大規模工事が始まった。工事は2023年に完了し、4月27日にふたたび一般公開された。この事業は、アメリカの建築家{{仮リンク|ピーター・マリノ|en|Peter Marino}}が設計を担当している。また、リニューアルにあたり、この店舗の名称を「ランドマーク（The Landmark）」と名付けた<ref>{{cite web|url=https://www.washingtonpost.com/archive/business/1989/11/13/the-swanky-side-of-fairfax-square/275dd28c-ed87-42c6-a5a9-e82dcf496e6a/|title=「ティファニー」NY本店が4年ぶりに営業再開、ピーター・マリノが店内空間を一新|publisher=FASHION NETWORK|accessdate=2024-02-12}}</ref>。

以前の本店は5番街37丁目にあり、[[アメリカ合衆国国家歴史登録財]]に指定されている<ref>{{cite web |author=Holly Hayes |url=http://gohistoric.com/places/350605 |title=Tiffany and Company Building - New York, New York |publisher=Gohistoric.com |date=1978-06-02 |access-date=2024-02-12 |archive-date=September 11, 2014 |archive-url=https://web.archive.org/web/20140911212816/http://gohistoric.com/places/350605 |url-status=live }}</ref>。

1990年に[[バージニア州]][[フェアファックス郡 (バージニア州)|フェアファックス郡]]タイソンズコーナーの{{仮リンク|フェアファックス・スクエア|en|Fairfax Square}}に開店した店舗は販売面積が1350平方メートルあり、開店当時、ニューヨーク市外にある店舗の中では最も大きかった<ref>{{cite web|url=https://www.washingtonpost.com/archive/business/1989/11/13/the-swanky-side-of-fairfax-square/275dd28c-ed87-42c6-a5a9-e82dcf496e6a/|title=THE SWANKY SIDE OF FAIRFAX SQUARE|publisher=The Washington Post|accessdate=2024-02-12}}</ref>。

フランスでは、[[パリ]]の{{仮リンク|ラ・ペ通り|en|Rue de la Paix, Paris}}と[[シャンゼリゼ通り]]に店を構えている。シャンゼリゼ通りの店舗は2014年に開業した旗艦店であり、3フロア約976平方メートルの店舗面積を有する。開業時は300人のゲストを集めパーティーを開催し、期間限定でティファニー・ダイヤモンドを展示した<ref>{{cite web|url=https://prtimes.jp/a/?f=d10426-20140611-1678.pdf|title=ティファニー、パリ シャンゼリゼ通りに新店をオープン　女優 ジェシカ･ビール、ヒラリー・スワンクらを招いてオープニングパーティを開催|publisher=PR Times|accessdate=2024-02-12}}</ref><ref>{{cite web|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000010426.html|title=ティファニー、パリ シャンゼリゼ通りに新店をオープン　女優 ジェシカ･ビール、ヒラリー・スワンクらを招いてオープニングパーティを開催|publisher=PR Times|accessdate=2024-02-12}}</ref>。

日本には[[1972年]]、[[三越日本橋本店]]に開店した<ref name="日本軌跡"/>。アメリカ国外の店舗としては3番目であった<ref name="FASHIONPRESS">{{cite web|url=https://www.fashion-press.net/brands/169|title=Tiffany & Co. ティファニー|publisher=FASHION PRESS|accessdate=2024-02-18}}</ref>。[[三越]]はティファニー・ジャパンに出資しているため、以降も日本での販売網は三越中心に築かれた<ref name="VOGUE"/>。1996年には旗艦店となる銀座本店が開店した<ref name="日本軌跡"/>。銀座本店はその後[[2008年]]と[[2023年]]にリニューアルしている<ref name="日本軌跡"/><ref name="FASHIONPRESS"/>。

オーストラリアの旗艦店は[[メルボルン]]のコリンズストリートにあり、1996年に最初に開店した<ref>{{cite web|url=https://www.jewellermagazine.com/Article/1802/Tiffany-Co-reopens-Melbourne-store|title=Tiffany & Co reopens Melbourne store|publisher=STULLER|accessdate=2024-02-12}}</ref>。その後さらに、メルボルン、[[シドニー]]、[[ブリスベン]]、[[パース (西オーストラリア州)|パース]]、[[アデレード]]、[[ゴールドコースト (クイーンズランド州)|ゴールドコースト]]に8店舗を開店した<ref>{{cite web|url=https://www.tiffany.co.jp/jewelry-stores/store-list/australia/|title=ティファニー ブティック案内 - Australia|publisher=Tiffany & Co.|accessdate=2024-02-12}}</ref>。

2001年、ラテンアメリカで最初の支店をブラジル[[サンパウロ]]のイグアテミサンパウロショッピングセンター内に開いた<ref>{{cite web|url=https://wwd.com/feature/brazil-mall-owner-iguatemi-on-growth-track-1833751-1585622/|title=Brazil Mall Owner Iguatemi on Growth Track|publisher=WWD|accessdate=2024-02-12}}</ref>。2003年10月20日にはサンパウロに2号店を開店した<ref>{{cite web |url=http://www.terra.com.br/istoegente/222/entrevista/index.htm |title=Quem entra na Tiffany acaba se apaixonando |publisher=Terra |access-date=2024-02-12 |language=pt |archive-date=September 11, 2012 |archive-url=https://archive.today/20120911065831/http://www.terra.com.br/istoegente/222/entrevista/index.htm |url-status=dead }}</ref>。

2019年時点で、ティファニーは全世界で326の店舗を持ち、地域別の内訳はアメリカ94店舗、アジア太平洋91店舗、日本58店舗、ヨーロッパ48店舗、カナダ・ラテンアメリカ30店舗となっている。また、2019年の総売上高は44億2000万ドルであった<ref name="statista_857587">{{cite web |url=https://www.statista.com/statistics/857587/number-of-tiffany-and-co-stores-by-region-worldwide/ |title=Number of Tiffany & Co. stores by region worldwide in 2018, by region |date=9 August 2019 |publisher=Statista |access-date=30 November 2019 |archive-date=August 3, 2020 |archive-url=https://web.archive.org/web/20200803234153/https://www.statista.com/statistics/857587/number-of-tiffany-and-co-stores-by-region-worldwide/ |url-status=live }}</ref>。

== 著名人との関係 ==
アメリカ合衆国の歴代大統領及びその[[ファーストレディ]]には、ティファニー製品の愛用者が多い。[[エイブラハム・リンカーン]]の妻である[[メアリー・トッド・リンカーン]]はティファニーの宝飾品を多く購入しており、ティファニー社の会長室にはメアリーの写真が飾られていた<ref name="久我143">[[#久我(2004)|久我(2004)]] p.143</ref>。またティファニーは、[[グロバー・クリーブランド]]に[[自由の女神]]除幕式の招待状を、[[リンドン・ジョンソン]]に晩餐会用の陶磁器セットを製作している<ref name="久我143"/>。[[ジョン・F・ケネディ]]からはカレンダーの注文を受けた。ケネディ夫人である[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス]]からは、アメリカを訪れる高官の土産用としてバラの置物の注文を受けている<ref name="久我143"/><ref name="桐生204">[[#桐生(1997)|桐生(1997)]] p.204</ref>ほか、本人用が身に着けているエナメルバングルもティファニー製である。これはジャッキーブレスレットと呼ばれ、ジャクリーンを象徴するアイテムとなっている<ref name="madamefigaro170915">{{cite web|url=https://madamefigaro.jp/fashion/170915-tiffany.html|title=ユーモアあふれる、ジャン・シュランバージェとティファニーの世界。|publisher=madamefigaro.jp|accessdate=2024-02-04}}</ref>。

俳優・女優では、オードリー・ヘップバーンのほか、[[リチャード・バートン]]は[[エリザベス・テイラー]]にティファニーのブローチを贈っている<ref name="桐生204"/>。また、ファッション雑誌編集者の[[ダイアナ・ヴリーランド]]は、「トロフェ・ド・ヴァイヤンス（武勇の戦利品）」と呼ばれるブローチを注文している<ref name="madamefigaro170915"/>。


==日本法人==
==日本法人==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[ルイス・カムフォート・ティファニー]] - 創設者の息子で宝飾デザイナー、金細工師、ガラス工芸家。
* [[ティファニーで朝食を]]
* [[ティファニーで朝食を]]
* [[ティファニーで朝食を (映画)]]
* [[タンザナイト]]
* [[ツァボライト]]
* [[ニューヨーク・ヤンキース]] - ティファニーが[[ロゴタイプ]]を製作。
* [[ベルモントステークス]] - 優勝トロフィー（オーガスト・ベルモント・トロフィー）をデザイン。
* [[トラヴァーズステークス]] - 優勝トロフィー（マンノウォーカップ）をデザイン。
* [[三越]] - ティファニーに出資しており、日本での販売網は三越中心に築かれた。
* [[徳仁]]
* [[CBS]] - かつてティファニーの本社前に局舎を構えていた。
* [[せいせいするほど、愛してる]]
* [[せいせいするほど、愛してる]]


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== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{reflist|2}}
<references />

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書
|author=桐生操
|date=1997-03
|title=華麗なる宝石物語
|publisher=NTT出版
|isbn=978-4871886345
|ref=桐生(1997)}}
*{{Cite book|和書
|author=久我なつみ
|date=2004-10
|title=日本を愛したティファニー
|publisher=河出書房新社
|isbn=978-4309016795
|ref=久我(2004)}}
*{{Cite book|和書
|author=
|date=2007-12
|title=友よ弔辞という詩
|others=サイラス・M.コープランド 編, 井上一馬 訳
|publisher=河出書房新社
|isbn=978-4-309-20483-3
|ref=コープランド編(2007)}}
*{{Cite book|和書
|author=テッサ・ポール
|date=1990-07
|title=ティファニー―新世界に輝いたステイタスのブランド
|publisher=美術出版社
|isbn=978-4568180459
|ref=ポール(1990)}}
*{{Cite book|和書
|author=山口遼
|date=1987-11
|title=ジュエリイの話
|publisher=新潮社
|isbn=4-10-600338-4
|ref=山口(1987)}}
*{{Cite book|和書
|author=山口遼
|date=2008-08
|title=ブランド・ジュエリー30の物語―天才作家たちの軌跡と名品
|others=
|publisher=東京美術
|isbn=978-4808708443
|ref=山口(2008)}}
*{{Cite book|和書
|author=
|date=2013-10
|title=ティファニーのすべて 世界で一番愛されるジュエラー
|others=別冊家庭画報
|publisher=世界文化社
|isbn=978-4418131426
|ref=別冊家庭画報(2013)}}
*{{Cite book
|author=Daniel Alef
|date=2009-01
|title=Charles Lewis Tiffany: King of Diamonds (English Edition) Kindle版
|others=
|publisher=Titans of Fortune Publishing
|ref=Alef(2009)}}
*{{Cite book
|author= John Loring
|date=1987-08
|title=Tiffany's 150 Years
|others=
|publisher=Doubleday
|isbn=978-0385242523
|ref=Loring(1987)}}
*{{Cite book
|author= Tiffany and Company
|date=2018-08
|title=Charles L. Tiffany and the House of Tiffany and Co (Classic Reprint)
|others=
|publisher=Forgotten Books
|isbn=978-1397871596
|ref=Tiffany and Company(2018)}}
*{{Cite book|和書
|author=
|date=2015-12
|title=TIFFANY AtoZ TIFFANY STYLE BOOK
|others=グレース・リー (イラスト), 竹中 祥平 (写真)
|publisher=幻冬舎
|isbn=978-4344028616
|ref=TIFFANY AtoZ(2015)}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
155行目: 307行目:
[[Category:ニューヨーク市の企業]]
[[Category:ニューヨーク市の企業]]
[[Category:2021年の合併と買収]]
[[Category:2021年の合併と買収]]

{{Company-stub}}

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曖昧さ回避 この項目では、宝飾品ブランドについて説明しています。その他の用法については「ティファニー (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ティファニー&カンパニー
Tiffany & Co.
ニューヨーク・5番街にある本店
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク 5番街
設立 1837年9月18日
業種 小売
事業内容 宝飾品・銀製品
代表者 アンソニー・レドル（CEO）
従業員数 14,200人（2019年）
主要株主 LVMH
関係する人物 チャールズ・ルイス・ティファニー
ジョン・B・ヤング
外部リンク www.tiffany.com
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香港にある店舗
創業当時、文房具や装飾品屋だった頃のティファニー（1887年）

ティファニー（英称：Tiffany & Co.）は、アメリカ合衆国の宝飾品および銀製品のブランドである。

1837年9月18日にチャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングによってアメリカで創業され、今日では、ロンドン・ローマ・シドニー・東京など世界20カ国にブランドショップを持っている。現在はフランスの企業グループであるLVMHに属する。

取扱商品[編集]

ジュエリー[編集]

カルティエ、ブルガリ、ヴァンクリーフ&アーペル、ハリー・ウィンストンと並び、世界五大ジュエラーに数えられる。ティファニーはこの中では最も歴史が古い[1]。特色としては、他の高級ブランドと比較して幅広い品質と価格帯の商品を取り扱っていることが挙げられる[1]。ただし低価格帯の商品が多いことに関しては賛否があり、店舗での従業員による売り方に対しても、高級宝飾店としてのブランドを損ねていると批判する声がある[2]。

ジュエリーの種類としては、ダイヤモンドを中心にした高級ジュエリー、ブライダル関連、シルバー・ゴールド製品、デザイナー名を冠したジュエリーの4つがある[3]。ダイヤモンドに関しては、原産地を明記し、紛争地や人権問題が懸念される国からは調達していない[4]。カットと研磨は、ベルギー、ボツワナ、モーリシャス、タイ、ベトナム、カンボジアにある自社工場で実施している[5]。セッティングについては、エンゲージリングにおいて、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを6本の細い爪で支える立て爪のセッティングを初めて取り入れたことで有名であり、この方法はティファニーセッティングと呼ばれている[6]。

日本では、特にバブル期において、クリスマスなどの贈り物としてオープンハートのペンダントが人気であった[7]。

食器[編集]

銀食器は1851年から製造しており、ティファニーを世界的に有名にした最初の商品であった[8]。アメリカ企業としては初めてスターリングシルバー基準を適用した[9]。この基準はその後アメリカ政府の公式基準として採用された[10]。

時計[編集]

時計分野は1847年からかかわっており、1874年には自社製作をはじめている[11]。本店に飾られたアトラースの時計をモチーフにした「ティファニー アトラス ウォッチ」[12]、アメリカのクラフトマンシップの伝統が現れている「ティファニー 1837 メイカーズ ウォッチ」[13]などのコレクションを販売している。

アクセサリー[編集]

バッグ、財布などの革製品[14]や、サングラスを展開している。サングラスの発売元はレイバン、プラダなどと同じルックスオティカジャパンである[15]。

香水[編集]

1987年、初めての香水「ティファニー」を発表した。1989年にはティファニーメンズ、1995年にはトゥエステを販売した[16][17]。その後、販売をしていなかった時期もあったが、2017年にコティとライセンス契約し、15年ぶりの新作を販売した[18]。2020年には、初のペアフレグランス「ティファニー ＆ ラブ」を発売した[19]。

本[編集]

3代目社長であるウォルター・ホーヴィング（英語版）によって書かれたマナー本『ティファニーのテーブルマナー』を1961年に刊行している。もともと顧客への記念として送っていた。テーブルウェアも手掛けるティファニーだから、テーブルマナーの大切さを伝えたいという思いがこめられている[20]。

歴史[編集]

19世紀[編集]

1837年9月18日にチャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングの二人は、ティファニーの前身であるティファニー・アンド・ヤングという会社を設立した[21]。

一番初めの店はニューヨークのブロードウェイ259番地におかれた[22]。この店は当時一般的な時価でなく、「各商品に値札をつけ値引き交渉に応じない」という当時としては革命的なポリシーを貫いており[23][24]、文房具や装飾品などを扱っていた[25]。開店当初は売上が伸び悩んでいたが、東洋からの船により運ばれてきた日本の工芸品が高値で売れたことをきっかけに、東洋とりわけ日本の工芸品を扱うようになった[26][27]。

1841年、新たにJ.L.エリスが出資者として加わり、社名を「ティファニー・ヤング・アンド・エリス（Tiffany, Young and Ellis）」に変えた[28]。また、店を隣の260番地まで拡張した[28]。さらに同年、エリスから得た資金をもとにヤングがパリに出向いた。ヤングはそこで珍しい商品を買い付けるようになったため、店の知名度は高まっていった[27]。また、ヤングは人造宝石の独占販売権を獲得し、これにより宝石の販売を始めた[29]。

1845年、アメリカで初となるダイレクトメールカタログを発行した。これは現在ではブルー・ブック・コレクションとして知られている[9]。1847年にはブロードウェイのチェンバーズ通りに店を出した[30]。

1848年フランスでの二月革命発生に伴い、貴族から重要な宝石を買い入れ、宝石事業に本格的に進出した。さらにこのとき、マリー・アントワネットの所蔵品とされる秘宝も入手した[31]。この秘宝は、ばらばらにしてアメリカ国内で売却した[32][33]。後にフランス政府から、所有権は王家にあるとして返還を求められたが、ティファニーは、正当な売買であったと主張している。この事件に関する真相は明らかになっていない[32][33]。王家の秘宝を入手したという話が世間に広まったこともあって、宝石事業は大成功し、アメリカ第一の宝石商という現在の地位に繋がる[33]。

1850年、ボストンの宝石商ギデオン・リードがパートナーとして加わり、リードが主体となってパリに支店を出した[30][34]。

1851年にニューヨークの銀細工師、ジョン・C・ムーアの事業を買収し銀製品製造を開始した。ジョン・C・ムーアの引退後は息子のエドワード・C・ムーアが工房を引き継いだ[35]。

1853年、チャールズ・ルイス・ティファニーは会社の全権を握り、社名を今の、Tiffany & Co.に改称した[36]。そして、1854年、ブロードウェイ550番地に建てられた新たな本店の入り口にはギリシア神話の巨人、アトラースに支えられた大時計が設置された[36][37]。この時計は後の本社移転にともない移設されて、ニューヨーク57丁目と五番街の角にある現在のティファニー本店に設置されている[9]。同じく1853年には、ティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーを製品の箱に初めて使用した[38]。

1861年に起きた南北戦争では北軍に協力し、開戦直後から軍需に応じた[39]。パリ支店を利用して欧州から軍服、武器、テント、救急用品を調達し、なかでも軍剣は大量に調達した[40]。開戦以降、宝飾品の売り上げは落ち込んだが、こうした軍需によって会社を維持することができた[41]。1863年7月にニューヨークで暴動が起きたときに店が狙われたが、軍隊が出動したため略奪を免れた[42][43]。このとき軍がティファニーの店を守ったのは、店が軍に協力しており、店内に武器などが保管されていたからだと考えられている[44]。戦後は武器商からは手を引き、在庫はニューヨークの商社に売却した[45]。

1867年に開催されたパリ万博では、銀のピッチャー、コーヒーセット、ティーセットを出品してアメリカの企業として初めての賞を受賞した[46][47]。

1868年、連邦政府に会社として正式に登録を申請した[48][49]。同年、ロンドン店を開業した[50]。さらに時計製造にも着手し、スイスのジュネーヴに工場を設立した[51]。

1877年に南アフリカのキンバリーで発見された287.42カラットのイエロー・ダイヤモンドの原石を翌1878年に1万8000ドルで購入、ジョージ・フレデリック・クンツ（英語版）にカットさせた。このダイヤは128.54カラットの有名な「ティファニー・ダイヤモンド」として本店に展示されている[9]。

1885年、アメリカ国章のデザインを作った。これは1ドル札のデザインの中に採用された[9][52]。

1886年ダイヤモンドが最も美しく輝くセッティング（石留め）としてティファニーセッティングをデザインした。これは現在のエンゲージメントリングなどで主流とされている代表的なものである[9]。以前のセッティングは金または銀の台座に埋め込まれていたため一方向からの光の反射しか見ることができなかったが、このティファニーセッティングにより、あらゆる角度から光が入るようになった[6]。これはティファニーの公明正大さを表すものともいわれている[23]。また、このセッティングを実現させるために、当時はまだ素材として目新しかったプラチナを使用している[6]。

20世紀[編集]

1902年、創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーが死去した。息子のルイス・カムフォート・ティファニーは副社長及び初代デザイン・ディレクターに就任した[53]。ルイスはティファニー社とは別に自分の工房であるティファニー・スタジオを持ち、ガラス工芸の分野で活躍した。1918年にはデザイン・ディレクターの職を辞している[54]。

1919年の売り上げは1700万ドルに達し、1920年代末まで業績は順調に推移した[55]。しかし1929年の世界恐慌をきっかけに業績は悪化した。1930年には創業以来初めての赤字となり、1930年代を通じて業績は低調であった[56]。

『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーン

本店は1940年にニューヨークの5番街と57丁目の角に移転した[9]。この店はオードリー・ヘプバーンが主演した映画『ティファニーで朝食を』（1961年）のおかげで観光名所の一つとなっている。オードリー・ヘプバーンとティファニーとの関係は映画公開後も続き、創業150周年の際にはヘップバーンからティファニーに祝福の手紙が送られた[57]。

1955年、百貨店ボンウィット・テラー（英語版）の代表であるウォルター・ホーヴィングが社長となった[58]。ホーヴィングはデザイナーの採用に力を入れ、バン・デイ・トゥーレックス（英語版）をデザイン・ディレクターに就任させた。そして、ジャン・シュランバージェ、エルサ・ペレッティ、パロマ・ピカソといったデザイナーを採用していった[59]。

1967年にタンザニアで発見された青色のゾイサイトをタンザナイトと名付け、1968年に売り出した[60]。また、同年にタンザニアとケニアの国境付近で発見された原石について、ツァボ東国立公園にちなんでツァボライトと名付け、1974年に発表した[61]。

1979年、ジョン・ローリング（英語版）がデザイン・ディレクターになった[9]。また同年、化粧品会社のエイボン・プロダクツがティファニーを買収した。しかし1984年、投資会社から資金を得て、ウィリアム・チャニー（William R. Chaney）を代表として独立した[58][59]。

1987年、創業150周年を記念して、銀食器150セットをホワイトハウスに寄贈した[62]。

2000年、社会貢献活動に取り組むためにティファニー財団を設立した。この財団は海洋保護区の創設と実現、景観保全などの事業を支援している。2023年には、海洋と景観保護の助成金交付総額が1億ドルを超えたと発表した[63]。

21世紀[編集]

2004年、真珠専門のチェーン店「イリデッセ（Iridesse）」を立ち上げた。2009年時点でイリデッセは16店舗を有していたが、経済状況が悪化している中でこれ以上の資源を投入するのは賢明でないという理由で、同年に全店を閉店した[64][65]。

2007年12月、スウォッチ・グループは、今後20年間にわたってティファニーが扱う時計に関して戦略的な提携を行うと発表[66]。 2008年に合弁を開始したが、2011年末にわずか4年で提携を解消した。2015年、新たな腕時計のコレクションの発売を開始した。

2019年1月9日から、新たに購入されたすべてのダイヤモンドについて個別登録し、一つ一つの原産地情報を店舗またはカスタマーサービスにて購入者に提供するサービスを開始した[5][4]。2020年10月から、この情報はダイヤモンド鑑定書に記載されるようになり、原産地の他、カット、研磨、鑑定、セッティングといった製造工程に関する国名も公表するようになった[5][67]。原産地の情報公開は、責任ある資源調達を世界に確約するものだとみなされている[4]。

2019年10月、LVMHがティファニーに買収を持ちかけ[68]、同年11月に162億ドルでの買収に両社がいったん合意した[69]。しかし、アメリカのフランスに対する追加関税の動きを受けて、LVMHは買収を撤回し、ティファニーもLVMHを提訴するなど両者が対立した[69]。2020年10月、買収価格を引き下げることで両社は再び合意した[70]。2021年1月7日、買収が完了しティファニーはLVMHの傘下ブランドとなった[71]。そしてCEOにはルイ・ヴィトン幹部のアントニー・ルドリュが就いた[71]。

歴代デザイナー[編集]

エルサ・ペレッティ

ティファニー・ブルー[編集]

ティファニー・ブルー
Tiffany Blue
 
16進表記 #81D8D0
RGB （129, 216, 208）
HSV （174°, 40%, 85%）
出典 Tiffany Blue

ティファニーのカンパニーカラーはティファニー・ブルー（TIFFANY BLUE/TIFFANY BLUE BOX）である。1845年のダイレクトメールカタログの表紙の色として使用され、1998年に商標登録されている[79] [38]。1853年には商品を入れる箱の色に採用され、これはブルー・ボックスと呼ばれる[38]。ブルーボックス誕生から100年後には、本店で白いサテンのリボンがつけられるようになった[80]。チャールズ・ルイス・ティファニーの言葉として、新聞記事に「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠された箱である。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」と書かれている[79][80]。この色はコマドリの卵の色（Robin egg blue）から来ている[23]。

スポーツ大会への寄与[編集]

NFLの優勝戦スーパーボウルのヴィンス・ロンバルディ・トロフィー[9]やワールドシリーズのコミッショナーズ・トロフィー[81]、NBAのラリー・オブライエン・トロフィー[9]、MLSカップ[82]、全米オープン[9]、NASCARカップ・シリーズ[83]、サモナーズカップの優勝トロフィー[84]だけでなく、ワールド・ベースボール・クラシックの優勝チームに渡された純銀製の優勝トロフィーは同社が製作したものである[85][86]。また、日本プロ野球のセントラル・リーグ優勝トロフィー[87]や、サッカーJリーグカップの優勝トロフィー[82]も同社製作のものである。また本社を置くニューヨーク市の野球チーム、ニューヨーク・ヤンキースのロゴタイプをデザインしたのも同社である[81]。

マラソン大会への協賛も行っており、ニューヨークシティマラソンや上海国際マラソンの優勝トロフィーを製作している[88]。また、サンフランシスコで行われる「ナイキウィメンズマラソン」や、2012年より名古屋市で開催されている「名古屋ウィメンズマラソン」といった大会に完走賞を提供している[88][89]。

競馬では、トラヴァーズステークスの優勝トロフィーであるマンノウォーカップ、プリークネスステークス優勝者に授与されているウッドローン・ベース、ベルモントステークスのベルモント・メモリアル・チャレンジ・カップなどを手がけている[90]。

店舗[編集]

ニューヨークにある本店の店内
アトランタのフィップス・プラザ

全世界で20か国以上に進出している[3]。

本店は1940年から、ニューヨーク市マンハッタン57丁目と5番街の角にある。磨かれた花崗岩でできた外観はウィンドウディスプレイでよく知られており、オードリー・ ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』やリース・ウィザースプーン主演の『メラニーは行く!』など、数多くの映画のロケ地として使われてきた。1986年、日本の不動産会社・第一不動産（エフ・アール・イー）が本店ビルを買収し話題になった[91]。しかし1999年にティファニーは同ビルを買い戻している[92]。2019年からは店舗の大規模工事が始まった。工事は2023年に完了し、4月27日にふたたび一般公開された。この事業は、アメリカの建築家ピーター・マリノ（英語版）が設計を担当している。また、リニューアルにあたり、この店舗の名称を「ランドマーク（The Landmark）」と名付けた[93]。

以前の本店は5番街37丁目にあり、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている[94]。

1990年にバージニア州フェアファックス郡タイソンズコーナーのフェアファックス・スクエア（英語版）に開店した店舗は販売面積が1350平方メートルあり、開店当時、ニューヨーク市外にある店舗の中では最も大きかった[95]。

フランスでは、パリのラ・ペ通り（英語版）とシャンゼリゼ通りに店を構えている。シャンゼリゼ通りの店舗は2014年に開業した旗艦店であり、3フロア約976平方メートルの店舗面積を有する。開業時は300人のゲストを集めパーティーを開催し、期間限定でティファニー・ダイヤモンドを展示した[96][97]。

日本には1972年、三越日本橋本店に開店した[72]。アメリカ国外の店舗としては3番目であった[98]。三越はティファニー・ジャパンに出資しているため、以降も日本での販売網は三越中心に築かれた[3]。1996年には旗艦店となる銀座本店が開店した[72]。銀座本店はその後2008年と2023年にリニューアルしている[72][98]。

オーストラリアの旗艦店はメルボルンのコリンズストリートにあり、1996年に最初に開店した[99]。その後さらに、メルボルン、シドニー、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコーストに8店舗を開店した[100]。

2001年、ラテンアメリカで最初の支店をブラジルサンパウロのイグアテミサンパウロショッピングセンター内に開いた[101]。2003年10月20日にはサンパウロに2号店を開店した[102]。

2019年時点で、ティファニーは全世界で326の店舗を持ち、地域別の内訳はアメリカ94店舗、アジア太平洋91店舗、日本58店舗、ヨーロッパ48店舗、カナダ・ラテンアメリカ30店舗となっている。また、2019年の総売上高は44億2000万ドルであった[103]。

著名人との関係[編集]

アメリカ合衆国の歴代大統領及びそのファーストレディには、ティファニー製品の愛用者が多い。エイブラハム・リンカーンの妻であるメアリー・トッド・リンカーンはティファニーの宝飾品を多く購入しており、ティファニー社の会長室にはメアリーの写真が飾られていた[104]。またティファニーは、グロバー・クリーブランドに自由の女神除幕式の招待状を、リンドン・ジョンソンに晩餐会用の陶磁器セットを製作している[104]。ジョン・F・ケネディからはカレンダーの注文を受けた。ケネディ夫人であるジャクリーン・ケネディ・オナシスからは、アメリカを訪れる高官の土産用としてバラの置物の注文を受けている[104][105]ほか、本人用が身に着けているエナメルバングルもティファニー製である。これはジャッキーブレスレットと呼ばれ、ジャクリーンを象徴するアイテムとなっている[106]。

俳優・女優では、オードリー・ヘップバーンのほか、リチャード・バートンはエリザベス・テイラーにティファニーのブローチを贈っている[105]。また、ファッション雑誌編集者のダイアナ・ヴリーランドは、「トロフェ・ド・ヴァイヤンス（武勇の戦利品）」と呼ばれるブローチを注文している[106]。

日本法人[編集]

画像外部リンク
ディメイ美代子（FASHIONSNAP.COM）
  • ダニエル・ペレル（Daniel Perel） - 前々社長、フランス人
  • ディメイ美代子（Miyoko Demay） - 前社長[107]

関連項目[編集]

ギャラリー[編集]

  • やかん
    やかん
  • 皿
    皿
  • ティファニーの箱
    ティファニーの箱
  • 指輪
    指輪
  • 指輪
    指輪
  • ティファニーのネックレス
    ティファニーのネックレス
  • ジュエリー
    ジュエリー
  • ウォッチ
    ウォッチ
  • 銀皿
    銀皿
  • 香水
    香水
  • ティファニーのランプ
    ティファニーのランプ

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • 桐生操『華麗なる宝石物語』NTT出版、1997年3月。ISBN 978-4871886345。 
  • 久我なつみ『日本を愛したティファニー』河出書房新社、2004年10月。ISBN 978-4309016795。 
  • 『友よ弔辞という詩』サイラス・M.コープランド 編, 井上一馬 訳、河出書房新社、2007年12月。ISBN 978-4-309-20483-3。 
  • テッサ・ポール『ティファニー―新世界に輝いたステイタスのブランド』美術出版社、1990年7月。ISBN 978-4568180459。 
  • 山口遼『ジュエリイの話』新潮社、1987年11月。ISBN 4-10-600338-4。 
  • 山口遼『ブランド・ジュエリー30の物語―天才作家たちの軌跡と名品』東京美術、2008年8月。ISBN 978-4808708443。 
  • 『ティファニーのすべて 世界で一番愛されるジュエラー』別冊家庭画報、世界文化社、2013年10月。ISBN 978-4418131426。 
  • Daniel Alef (2009-01). Charles Lewis Tiffany: King of Diamonds (English Edition) Kindle版. Titans of Fortune Publishing 
  • John Loring (1987-08). Tiffany's 150 Years. Doubleday. ISBN 978-0385242523 
  • Tiffany and Company (2018-08). Charles L. Tiffany and the House of Tiffany and Co (Classic Reprint). Forgotten Books. ISBN 978-1397871596 
  • 『TIFFANY AtoZ TIFFANY STYLE BOOK』グレース・リー (イラスト), 竹中 祥平 (写真)、幻冬舎、2015年12月。ISBN 978-4344028616。 

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