いこい

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デザインのモチーフとなった五線譜四分休符(左)。

いこいは、かつて日本専売公社(現在の日本たばこ産業)が製造・販売した日本のたばこの銘柄である。

略歴・概要[編集]

1956年(昭和31年)3月に販売を開始した20本入りの両切り紙巻きたばこである。日本専売公社発足以前の銘柄で、1948年(昭和23年)[1]から1951年(昭和26年)2月まで販売した後、製造を止めていた[2]」をリニューアル復活、新発売した。

茶色いパッケージに、黄色の五線譜四分休符をあしらった、木村柳二によるデザインであった。発売翌年の1957年(昭和32年)、「今日も元気だたばこがうまい!」のキャッチフレーズが添えられた宣伝用ポスターが発表された。1963年(昭和38年)には青森県、1964年(昭和39年)には長野県でそれぞれ国土緑化記念デザインが発売されたほか、赤い羽根共同募金等、さまざまなヴァージョンのデザインが存在した。なお、デザインの一部要素が、当時発売されていたフィリップモリス両切りと類似している。

発売当初の人気は「しんせい」とともに突出し、それまでの「ゴールデンバット」、「」に取って代わった[3]。1960年(昭和35年)のフィルター付きタバコ「ハイライト」の登場で色あせ[3]、1974年(昭和49年)に生産終了した[4]

価格の変遷[編集]

  • 1956年 - 40円
  • 1968年 - 60円

製品一覧[編集]

販売終了製品[編集]

製品名 価格 本数 発売年月日 廃止年月 タール ニコチン 販売地域 備考
いこい 60円 20本 1956年3月 1974年 23mg 1.9mg 全国 両切り紙巻き

関連項目[編集]

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  1. ^ 「新タバコおくれる」『朝日新聞』昭和23年7月1日.2面
  2. ^ 「煙草あすから値下げ」『朝日新聞』昭和26年3月31日
  3. ^ a b 『日本の専売政策』、藤本保太多賀出版、1990年 ISBN 481151243X、p.155.
  4. ^ 『も一つパイプのけむり』、團伊玖磨朝日新聞社、1975年、p.235.

外部リンク[編集]

画像外部リンク
ph_01.jpg
- ポスター(1957年)
13280.jpg
- パッケージ
PhilipMorrisSpeciaB-20fUS196.jpg
- 一部要素が類似しているフィリップモリス両切りのパッケージ