インド鉄道WAG5形電気機関車

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インド鉄道WAG5形交流電気機関車
24001号機(WAG5HB形)
24001号機(WAG5HB形)
基本情報
製造所 チッタランジャン機関車工場英語版バーラト重電機
製造年 1978年 - 1997年
製造数 1,173両
主要諸元
軸配置 Co-Co
軌間 1,676mm
電気方式 交流 25,000V、単相50Hz
全長 19,974mm
全幅 3,055mm
全高 4,162mm(パンタグラフ含)
自重 118.8t(WAG5A/WAG5B形)
123.0t(WAG5HA/WAG5HB形)
車輪径 1,092mm
軸重 20.5t(WAG5形)
22.5t(WAG5H形)
主電動機 TAO-659(WAG5A/WAG5B形)
HS-15250A
(WAG5HA/WAG5HB形)
歯車比 3.61
制動装置 空気ブレーキ発電ブレーキ
最高運転速度 80km/h
定格出力 2,350kw
最大引張力 33.5t
定格引張力 20.6t
備考 数値は[1][2][3][4]に基づく。
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インド鉄道WAG5形交流電気機関車(インドてつどうWAG5がたこうりゅうでんききかんしゃ)は、インド鉄道(Indian Railways)が所有する貨物用交流電気機関車である[1]

概要[編集]

1963年WAG1形以降、インド鉄道は欧州連合や日本連合など海外から貨物用交流電気機関車を輸入し、1966年にはその技術を基にした初の国産貨物用交流電気機関車のWAG4形が1,100両製造された。だがWAG4形は平地で最大2,000tの貨物列車を牽引するのが限界と低出力であった事から、より高性能の貨物用機関車が求められた。そこで、1970年から導入が続いていた貨客両用機関車であるWAM-4形を貨物専用としたWAM4B形1978年に製造され、営業実績が良好だった事から形式名をWAG5形と改めた上で量産する事となった[1][5]

それまで導入されていた貨物用電気機関車(WAG)は車軸配置Bo-Boのモノモーター方式だったのに対し、WAG5形は基礎となったWAM-4形と同様、車軸配置Co-Coの全軸駆動方式に改められている。それにより車体が長くなった一方で出力や牽引力が増大した[5]

1997年に製造が終了するまで1,173両もの大量生産が行われ、チッタランジャン機関車工場英語版に加えバーラト重電機も一部車両の製造に参加した。電動機や車歴によって以下のように形式の細分化が行われている他、製造年度によりパネルフィルターなど側面形状が異なる車両も存在する[1]

種類[編集]

  • WAG5A形 - 製造当初からWAG5形だった車両。電動機としてアルストム製のTAO-659を装備する[1][4]
  • WAG5B形 - WAM-B形から形式変更された車両[1]
  • WAG5HA形、WAG5HB形 - 電動機を日立製作所製のHS-15250Aに変更した車両[1][4]
  • WAG5PA形、WAG5PB形 - 旅客列車牽引用に改造された車両[1]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

参考資料[編集]

  • 石田周二、笠井健次郎『交通ブックス 124 電気機関車とディーゼル機関車』成山堂書店、2015年6月。ISBN 978-4-425-76231-6