クルンテープ語

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クルンテープ語
ภาษากรุงเทพ
話者数 400万(日付不明)
言語系統
表記体系 タイ文字
言語コード
ISO 639-3
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首都でのタイ語ネイティブスピーカーの例
首都でのタイ語ネイティブスピーカーの例
首都でのタイ語ネイティブスピーカーの例

クルンテープ語ภาษากรุงเทพ, Krungthep dialect[注釈 1]タイ王国バンコクなどの首都圏で話される。閩南語潮州語)の影響を強く受けた中央タイ語ภาษากลาง)と混同されますが、シャム人とは若干の違いがあります。たとえて言うなら、英語における、白人英語黒人英語の違いである。クルンテープ方言は、容認発音のように政治的権力と特権に関連付けられており、Ner(เหน่อ)として知られている別のシャム人の方言よりも高いステータスです。ただし、中央語との接点が非常に曖昧なので、タイ人も完全に区別して使用しているわけではない。以下はあくまでテレビで使われている語と、巷で使用されている語との区別であることを断っておく。

バンコクはよく知られている外名だからです。しかし、言語的には、バンコク方言という用語は別の中央タイ語の方言を指し、外国語に翻訳するとあいまいになることがよくあります。

中央タイ語との違い[編集]

中央タイ語とクルンテープ語違いには以下のようなものがある。

長母音の短母音化[編集]

長母音短母音化は以下のような場合である。

タイ語 意味 アユタヤタイ語発音 クルンテープタイ語発音
ภาษา 言語 phaasǎa phàsǎa
ศาสนา 宗教 sàatsanǎa sàtsanǎa

上記のように、一語の中の各音節に長音が連続したとき、最後の長音節を除き、短母音化する。音節短母音化はタイ語独自の語彙にはみられないが、外来語サンスクリット語由来の語彙にみられる。

アクセントの変化[編集]

タイ語 意味 アユタヤタイ語発音 クルンテープタイ語発音
นาฬิกา 時計 naalíkaa nalikaa

これも、アクセントが意味を決定するタイ語独自の語彙にはみられない。短母音を持つ音節が高声で発音しにくいために起こることが多い。

音節の省略

タイ語 意味 アユタヤタイ語発音 クルンテープタイ語発音
ประวัติศาสตร์ 歴史 prawàttìsàat prawàtsàat

こういう省略もサンスクリット語で起きることがある。

子音の発音の変化・消滅

英語日本語におけるchとshが区別されないので、がshで発音されることがある。イタリア語のrの音価を持つ)と(英語のlの音価を持つ)が区別されず、同様に発音される。また前者のrとlが合成子音で他の子音の後ろに来たとき、消滅する傾向がある。以下はその例である。

タイ語 意味 アユタヤタイ語発音 クルンテープタイ語発音
กลาง 中心の~ klaang kaang

語の変化[編集]

文章の後ろに付け、文章を丁寧にする言葉(日本語で言う「です」、「ます」言葉。)がタイ語にはある。男性はครับ[khráp]を使うが、実際にはคับ[kháp]、ค้าบ[kháap]がしゃべり言葉として使われる。女性もค่ะ[khâa]が使われるが実際にはฮ่า[hâa]と発音している。また子供語のจ้ะ[jâ]から派生した、จ้า[jâa]もある。このような変化はすべて書くにいとまがないので、このあたりで説明を終える。

独自の表記法[編集]

日本語で「携帯電話」を「ケータイ」と発音通りに書くように、また英語では「See you tonight.」を「CU 2nite」と書いたりするが、クルンテープ語にもこのような書き方がある。このような方法は、日本語や英語と同じように主に、携帯電話のメールインターネットを中心に広まっていった方法であるため、クルンテープ語とは言い切れないが、首都の若者を中心に広がっていったものである。例としてはก็(だから~)をก้อと書いたり、หนู(あたし。若年女性の一人称)をนู๋(注:この表記は実際にはあり得ない表記)と書いたりする。

まとめ[編集]

重ね重ね記すが、これはあくまで標準語とは認められない範疇の中央語で、書き言葉やテレビで使われていないと言うことが前提であり、地方出身者でもこれらのしゃべり方があるので、クルンテープ語ではあるが「クルンテープタイ独特の」言葉ではない。


Notes[編集]

  1. ^ Because the word Bangkok is exonym of this city, causing inaccuracies in calling such names. In linguistic, the term Bangkok dialect refers to the Thai language used in the Thonburi, which is influenced by Portuguese, and today become endangered language.