スベスッポン

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スベスッポン
スベスッポン Apalone mutica
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : スッポン上科 Trionychoidea
: スッポン科 Trionychidae
亜科 : スッポン亜科 Trionychinae
: アメリカスッポン属 Apalone
: スベスッポン A. mutica
学名
Apalone mutica (LeSueur, 1827)
シノニム

Trionyx mutica LeSueur, 1827

和名
スベスッポン
英名
Smooth softshell turtle

スベスッポンApalone mutica)は、爬虫綱カメ目スッポン科アメリカスッポン属に分類されるカメ。

分布[編集]

A. m. mutica ミドランドスベスッポン
アメリカ合衆国中部のミシシッピ川水系[1][2][3]
A. m. calvata ガルフコーストスベスッポン
アメリカ合衆国(アラバマ州ミシシッピ州アラバマ川エスカンビア川パール川水系)[2][a 1]

形態[編集]

最大甲長35.6センチメートル[3]。アメリカスッポン属最小種[2]。オスよりもメスの方が大型になり、オスは甲長17.8センチメートル[3]背甲に突起がない[2][3]。種小名muticaは「滑らかな」の意。背甲の色彩は褐色や暗黄色で、暗色の斑点や斑紋が入る[2]。背甲の外縁部に黒く縁取られた明色の筋模様が入る個体もいる[3]。項骨板は幅広い[2]。腹甲の硬結部の数は7[2]

頭頂骨と頬骨が頭骨の表面で接する[2]。鼻孔は卵形で、やや側面に開口する[2]。鼻の隔壁に突起がない[2][3]。四肢に斑紋が入らない[2]

A. m. mutica ミドランドスベスッポン
眼前部に薄い筋模様が入り[1]、眼後部の筋模様が細い[2]
A. m. calvata ガルフコーストトゲスッポン
眼前部に筋模様がなく[1]、眼後部の筋模様が太い[2]

分類[編集]

  • Apalone mutica mutica (LeSueur, 1827) ミドランドスベスッポン Midland smooth softshell turtle
  • Apalone mutica calvata (Webb, 1959) ガルフコーストスベスッポン Gulf coast smooth softshell turtle

生態[編集]

流れの速い大型河川などに生息する[3]

食性は動物食傾向の強い雑食で、主に昆虫を食べるが、植物質なども食べる[3]

人間との関係[編集]

温帯に分布し遺棄・脱走した場合に定着のおそれがあること、大型になり在来種との競合が懸念されること、同属種がアメリカ合衆国西海岸に定着した例があることなどから、属単位で要注意外来生物に指定されている[a 2]

ペット用として飼育されることもあり、日本にも輸入されている。本種の名前でトゲスッポンが流通することもある[1][2]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1 アメリカ大陸のミズガメ』、誠文堂新光社2005年、68-69頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 千石正一 「Reptiles&Amphibians Gallery アメリカスッポン」『月刊アクアライフ』179号、マリン企画、1994年、186-187頁。
  3. ^ a b c d e f g h 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、170頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • van Dijk, P.P. 2011. Apalone mutica. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.
  2. ^ 環境省