ノート:アウトサイダー・アート

Art Brutに発音について

こんにちは。
「Art Brut」ですが、日本では、通常「アール・ブリュット」と読まれているように思います。しかし、フランス語であれば、「アール・ブリュ」という発音が正しいように思います（語尾の単独子音は、発音しないのでは？　Artだけ、「t」を発音しないというのも、中途半端のような）。「アール・ブリュ」とカタカナ書きしている日本語の書籍も、少しですがあります。
どなたかご存知の方、次の点をお教えいただけないでしょうか？

1. フランス語の「Art Brut」の発音として、「アール・ブリュット」が正しいか、「アール・ブリュ」が正しいか？
2. フランス語発音として「アール・ブリュ」が正しい場合には、「アール・ブリュット」の由来は何なのか？　誰が言い出したのか？　どこから来たのか？（例えば、アメリカ（英語）経由？）

お手数ですが、よろしくお願いします。
20世紀(前半)美術 16:38 2004年4月16日 (UTC)

"Art Brut"という言葉を提案したのはフランス人画家であるジャン・デュビュッフェです。ちなみに"Art Brut"のよみは「アール・ブリュット」で正しいです。語尾のt(テー)は例外的に発音します。ほかにこのようなよみを例としてはsept(セット：「７」)があります。「アール・ブリュ」とカタカナ書きしている日本語の書籍があるとのことですが、残念ながらその書籍は信用できそうにないですね。デュビュッフェはパリの美術学校に入りますがそこでのアカデミックな「おしきせの」美術教育に嫌気がさし、学校を退学した。その後、精神病者の作品に感動し、作品を収集し始めた。そして、精神病者や社会の周辺にいる人々の作った作品のほうが、社会的に公認された芸術よりもすぐれていると考え「反文化」的立場から1945年にアール・ブリュットの概念を提唱したという次第です。アール・ブリュットの定義についての詳しい議論は『芸術新潮』(‘05年11月号)に載っているので参考にしてください。--Takuma-sa 2008年11月29日 (土) 15:14 (UTC)

ご回答ありがとうございます。よくわかりました。あたりまえですが、中途半端な外国語の知識で推論するのは、やはりとても危険ですね。改めて反省いたしました。美術関係の人名や固有名詞の日本における発音（または和訳・日本語表記）については、不正確なものが混ざっている可能性がありますので、引き続き注意していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。20世紀(前半)美術 2008年11月30日 (日) 02:47 (UTC)

ご参考までに、最近見つけた「アール・ブリュ」という表記がなされている例です。

• 日本近現代美術史事典（監修：多木浩二・藤枝晃雄、東京書籍、2007年）
  • 「用語編」（あいうえお順）の527ページ「アウトサイダー・アート」の項目の冒頭に次のような記載があります。

「アール・ブリュ（生の芸術）」の英訳。[以下略]

20世紀(前半)美術 2008年12月5日 (金) 13:57 (UTC)

ご参考までに、また例を見つけましたので記載しておきます。古い例ですので、この例をもともと見ていたのかもしれません。

• 魔術的リアリズム（種村季弘、ちくま学芸文庫、2010年、なお、オリジナルは1988年、PARCO出版局）

[前略]デュビュッフェの定義から遡って「生（き）の芸術（ラール・ブリュ）」と見る批評家もいる。[以下略]（222ページ）

--20世紀(前半)美術 2011年2月25日 (金) 23:40 (UTC)

服部正『アウトサイダー・アート：現代美術が忘れた「芸術」』＜光文社新書＞114、2003年に、こういう記述がありました。「この単語では例外的に語尾のtを発音する。カタカナで「アール・ブリュ」と表記されているのを時々見かけるが、これは間違いである」服部氏は、「brut」という単語は「ブリュ」と表記するのを誤りであると明記し、一貫して「ブリュット」という表記を採用しています。--Mobnoboka 2009年1月24日 (土) 07:12 (UTC)

本文で参照されていない出典

• 『アウトサイダー・アート』求龍堂、2000年10月。ISBN 978-4-763-00036-1。 

アウトサイダー・アート(2004年4月13日02:44)の実質の初版で追加された出典ですが、「デュビュッフェによるコレクションは、現在スイス・ローザンヌ市でアール・ブリュット・コレクションとして所蔵されている」というほぼ事実記載のような部分しか残っていないのでこちらへ移動しておきます。--タバコはマーダー（会話） 2017年7月13日 (木) 18:20 (UTC)