ノート:タナガワトウダイグサ

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形態的特徴の加筆に向けて[編集]

 会話ページでご指摘を頂いた後、試しに原記載文献の書誌情報「Candollea 29 390」でGoogle Booksを検索したところ、本種の命名者の一人が執筆に携わり、本種についても詳しく記述した書籍を発見致しました(Carter, Susan; R.-Smith, A. (1988). R.M.Polhill. ed. Euphorbiaceae (Part 2). Flora of Tropical East Africa: Prepared at the Royal Botanic Gardens/Kew with assistance from the East African Herbarium. Rotterdam and Brookfield: A.A.Balkema. ISBN 90 6191 338 1. NCID BA13596927. https://books.google.co.jp/books?id=fnDoVdC1pcwC&pg=PA497&dq=Candollea+29+390&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjg4PDrs-PdAhXFyLwKHbIoChMQ6AEILzAB#v=onepage&q=Candollea%2029%20390&f=false )。現在こちらの環境では難なく内容を閲覧する事が可能ですが、他の環境でも同様であるか確証がなく、また将来閲覧できなくなる恐れもございますので、以下に必要となる箇所を抜粋しておく事と致します。

pp. 497-8:

94. E. tanaensis Bally in Candollea 29: 390 & 19: 160 (1964) [description without type].
(中略)
 Tree to 30 m. high, trunk simple, ± 40 cm. in diameter, 6-angled above, terminating in a rounded crown of horizontally spreading branches, occasionally with 2 or 3 crowns one above the other; bark yellowish green marked with rough vertical lines; branches rebranching, to 3 m. long; terminal branchlets fleshy, 4-6-angled, 5-10 cm. wide, deeply winged, constricted at intervals of 10-35 cm.; angles straight to shallowly toothed, with teeth 1.5-2.5cm apart. Spine-shields obtusely triangular, 3-4 × 3-4 mm., eventually including the flowering eye immediately above, abruptly decurrent below; spines 3-4 mm. long; prickles vestigial. Leaves deltoid, 8-12 × 4-6 mm. Cymes 1-3 in a horizontal line, 2-forked, with peduncles and cyme-branches to 2.5 cm. long; bracts rounded, ± 2.5 × 4.5 mm. Cyathia ± 4 × 12 mm., with very broadly cup-shaped involucres, all parts dark crimson; glands 5-6, transversely elliptic, ± 2.5 × 5 mm., just touching; lobes 5-6, transversely elliptic, ± 2 × 4 mm. Male flowers very many: bracteoles spathulate, deeply laciniate, plumose; stamens 3.75 mm. long. Female flower: perianth 3-lobed with lobes ± 1 mm. long; styles 1 mm. long, thick and fleshy, joined at the base, apices thickened, rugulose, bifid. Immature capsule exserted on a pedicel 14 mm. long, 3-lobed, 6 × 10 mm.; mature capsule and seeds not seen.

さて、出典を示しておいて他の方に丸投げというのもどうかと思いますので試しに訳してはみたのですが、植物学の知識が致命的に浅い為に、自分で訳しておきながら首をひねりたくなる箇所がちょくちょく見られる結果となりました。最初に挙げた会話ページの内容通り、私は初版で出鱈目な説明を公開するという失敗を犯した訳ですが、その原因というも検索表というものの性格を根本的に履き違えて捉え、誤った資料の読み方をしたまま、僅かに感じた違和感も無視して事を進めた事にあります。ここで私は謙虚になるべきでしょう。他の利用者の助けを求めたいところですが、他の方には他の方の貴重な時間があります。そこで、一から訳して頂くよりも、私の試訳を叩き台としてそのチェックを依頼する形式を取る方が遥かに効率的であると考え、以下に拙訳を公開する事と致します。特に自信のない箇所には下線部を引きました。チェックして下さった方は、そのまま加筆に移って下さっても結構です。

高さ30メートル以下の高木で、幹は単幹で直径40センチメートル前後、上方が6水平に広がる枝による丸い樹冠で終わり、時に2-3の樹冠が重なり合う
樹皮が黄味がかった緑色で粗い縦線が際立つ。
枝が二次的分枝を形成し、長さ3メートル以下。
最末小枝が多肉質で4-6、幅5-10センチメートル、深く翼状となり、10-35センチメートルの間隔でくびれる。
稜がまっすぐから1.5-2.5センチメートル間隔の浅い鋸歯状である。
.
刺の盾は鈍三角形で3-4×3-4ミリメートル、やがて花芽をすぐ真上に含むが、その下部は急に沿下する
刺が長さ3-4ミリメートル。チェック
刺状突起が退化している。
.
葉はデルタ字状、8-12×4-6ミリメートル。チェック
.
集散花序は1-3出で水平に並び2叉、長さ2.5センチメートル以下の花柄や集散花序の枝を有する。
苞葉が円形で2.5×4.5ミリメートル前後。チェック
.
杯状花序は4×12ミリメートル前後、非常に広い杯状の総苞を有し、全体が暗紅色である。チェック
蜜腺が5-6本、横楕円形、2.5×5ミリメートル前後、接触するのみである
裂片が5-6、横楕円形、2×4ミリメートルである。チェック
.
雄花は多数つき、小苞葉はへら状、深く条裂し、羽毛あり/羽毛状
雄蕊(おしべ)が長さ3.75ミリメートル。チェック
.
雌花は花被が3裂で裂片は1ミリメートル前後。チェック
花柱が長さ1ミリメートル、厚く多肉質、基部で繋がり、先端が厚く小皺が多く、2裂する。
.
未熟な蒴果は長さ14ミリメートルの小花柄上に突出し3裂、6×10ミリメートル。チェック
熟した蒴果と種子は未確認。

--Eryk Kij会話) 2018年10月1日 (月) 12:43 (UTC); 修正: Eryk Kij会話2023年1月18日 (水) 06:16 (UTC)[返信]

(追記)少しでも不安を覚える箇所には全て下線を引き、それ以外の要素は大方記事中に反映致しました(Special:Diff/70128805/70137243)。上の試訳では改行という形で表しましたが、原文中のセミコロンの存在にもかなり気を付けて進めたつもりです。--Eryk Kij会話2018年10月2日 (火) 15:26 (UTC)[返信]

コメント angle ですが、「稜」でよろしいでしょうか。あくまで参考程度にしかならないという事は留意した上でタナガワトウダイグサと同属のエウフォルビア・カンデラブルムEuphorbia candelabrum)について『A-Z 園芸植物百科事典』(クリストファー・ブリッケル 編集責任、横井政人 監訳、誠文堂新光社、2003年、428頁。ISBN 4-416-40300-3)の記述を参照致しますと「(...)稜背は深く歯状の切れ込みとなり、(...)」という表現が見られます。原書はすぐアクセスできないのですが、別の文献(Schmelzer, G.H. (2008). "Euphorbia candelabrum Trémaux ex Kotschy". In G.H. Schmelzer & A. Gurib-Fakim (eds.) Medicinal plants 1, p. 255. Wageningen, Netherlands: PROTA Foundation / Backhuys Publishers / CTA.)では E. candelabrum に関して、"(...) margins of angles entire to toothed, with shallow teeth 1–1.5 cm apart;(...)" という記述が見られ、これは Carter & R.-Smith によるタナガワトウダイグサの記述のうち angles...で始まる箇所とほぼ同じ形式によるもので、同じ要素について言及していると判断する事が可能です。ちゃんと同じ E. candelabrum に関する記述同士で比較するならば、margins of angles で「稜背」なので、angles だけなら単に「稜」となり、こうなればブリッケルと似た表現形式で言及できそうです。あとは一方で「深く」、もう一方で "shallow" と言及されているという気になる矛盾点が残りますが、これは著者により異なる主観が現れた結果でしょうか。そうなれば程度に関する要素は省く事も視野に入れた方が良いかもしれません。ここまでの検討を反映しますと、「稜は直稜から1.5-2.5センチメートル間隔の(浅い)歯状の切れ込み入りとなる。 」でよろしいでしょうか。なお「直稜」という表現はこちらの先例を引っ張ってきました。

 他には spine-shield(s) の処理も検討しているところです。それらしい用語として「刺座」が見られますが、これは普通 areole(s) に対する訳語である模様で(参照: 「サボテン」『世界大百科事典 第2版』)他に「棘座」ともいうそうですが、いずれにしろサボテン科以外の植物の記述について使われた例がGoogle Booksを検索した限り見当たらないので使用は思い留まらざるを得ません。これはもはや括弧つきで『「刺の盾」(: spine-shields)は...』と書くしかないでしょうか。なお、上記の試訳のうち本文に全要素を反映済みの文には印をつけておきました。--Eryk Kij会話2018年10月11日 (木) 14:49 (UTC)[返信]

  • 実は私も本種のような多肉ユーフォルビア類についてはあまり詳しくないので、とりあえず三つだけコメントを。
本種のような多肉ユーフォルビアは、サボテン類と同様に一般の植物には存在しないようなかなり特殊な器官や形態があり、私も適切な訳語を探すのに苦労しています。サボテンには昔からディープなマニアが多数いて、日本語でも多数の「サボテン図鑑」が存在するのでそういうものを利用すればよいのですが、多肉ユーフォルビアについては(洋書では見付かるものの)日本語で書かれた「多肉ユーフォルビア図鑑」のようなものは今のところ見つけられません。そもそも日本では多肉ユーフォルビアはあまり人気がないようです。一般的な植物図鑑ではなく、多肉植物の図鑑を探せば少しは見付かりやすいとは思いますが、そういうわけで多肉植物の図鑑でもサボテンに比べて多肉ユーフォルビアの情報は乏しい、というの現状です。
刺座」はサボテン科独特の構造です。何しろよく似た外見の多肉ユーフォルビアとサボテンを見分けるポイントとして「刺座の有無」が第一に揚げられるくらいです。少なくとも日本語の「刺座」はサボテン科以外には使いません。ただし、英語でも "spine-shield(s) ” はサボテン科専用の用語かどうかはわかりませんが、少なくとも本種に関して「刺座」を使うのは完全な間違いです。
花については、訳文を読むかぎり、どうやらトウダイグサ属の「杯状花序」についてまだご理解できていないようです。「杯状花序」は非常に特殊な花序です。少なくとも「花被」はありません。前のコメントでも紹介しましたが、やはり以下のページ一番よくまとまっていると思うので、このサイトでご確認ください
取り急ぎのコメントです。あとでまた検証します。--Loasa会話2023年1月18日 (水) 11:34 (UTC)  [返信]
  • sipne shieldsとは何か、私もよくわかりません。用語集などないかと探したのですが見当たりません。図書館でいろいろな本を見ても見つかりません。しかし多肉ユーフォルビアの論文ではしばしば見かける言葉であり、種の重要な同定ポイントともなっている場合があるので、日本語があるのかもしれません。したがって、どんなものか私にも不明ですが、この言葉の使われ方を見ると、稜の頂部にある、木質化した(茶色や灰色になっている)部分のことを指すようです。これは一見するとサボテン科植物の「棘座」に似ていますがもちろんまったく別物です。そして、"Spine-shields "とは、この木質化した部分とその部分に生えている棘も含めて指す言葉のようです。
いろいろな"Spine-shields "の写真を検索してみると、このように棘ごとに分離しているものもあれば、これや、このように連続しているものもあります。また、こんな複雑な構造のものもあります。Beentje(1994) には、"spines shields separate" という表現がありますが、最初はやはり "Spine-shields " とはサボテンの棘座と似たようなものと思っていたので" separate" の意味がわからなかったのですが、このような写真を見て意味がわかった次第です。
一般論になりますが、この種の述語で、それが何を指しているか判っていても適当な日本語がない場合、方針としては
1. その部分は無視する
2.「spine shiedsは...」のように適切な訳語が見当たらない部分は英語のままで記述する
3. 文脈によっては、厳密でなくても間違いとは言えない程度の訳語を当てはめる。
などの方法が考えられます。何にしても、その言葉が指すモノが判っているのならまだしも、どんなものかも判らないのに「刺の盾」なんていう勝手な訳語を作ってはいけません。--Loasa会話2023年1月18日 (水) 15:12 (UTC)[返信]
  • そういうわけで、"spines shields"については 2.の方針で、適切な訳語が見つかるまではそのまんま「spines shields は鈍三角形で3-4×3-4ミリメートル」としておくのが最適と思います。1.のように無視しても良いのですが、前述したようにspines shields の形態は多肉ユーフォルビアでは重要な識別ポイントでもあるようですから、書かないわけにもいかないでしょう。もちろん「棘座」は「間違いとは言えない程度の訳語」ではないので3.も適用できません。--Loasa会話2023年1月19日 (木) 13:28 (UTC)[返信]