ノート:機動戦

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この記事の内容が自分にはよく理解できないので改善したいのですが、原文の意味もよく分からない状況です。もし宜しければどなたか自分の指摘と疑問に応答して頂けないでしょうか。

まず文意がよく分かりません。本文には次の一文から始まります。

機動戦(きどうせん)とはカール・フォン・クラウゼヴィッツの説く戦争における速度の重要性をより具現化したものと定義される。

そもそも機動戦とは何かが定義されていないことも問題だと思います。ここでの機動とは軍事学の用語法から推測して兵力がある地点から目標に対して前進することだと思われます。しかし戦闘(もしくは戦争)において機動が行われないことなどあったでしょうか。機動の特定の方式から機動戦を定義しているかとも思いましたが、それは包囲や突破、迂回などの用語で説明される「普通の戦闘」に他なりません。アメリカ海兵隊の戦闘教義である機動戦の概念が想起されますが、本文では電撃戦の概念が説明されており、ますます理解が困難です。

さらにクラウゼヴィッツが論じた戦争における速度の重要性とは何でしょうか?クラウゼヴィッツは戦争における時間的要素については戦争計画の第二の原則として強調していると思いますが、一般的に機動力の重要性はクラウゼヴィッツ以外が十分に論考していることだと思います。例えばジョミニはクラウゼヴィッツよりも詳細に戦場機動を研究していますし、速度の重要性を指摘するだけならばより古い軍事古典を遡ることもできます。ここでクラウゼヴィッツが論じた速度の重要性は誤りではないでしょうが、適切ではないと思います。

戦争においては物理の次の公式から戦闘における速度の重要性が確認できる。f = mv2  打撃力fは兵力mと速度vの二乗に比例する

戦争の法則に物理的法則を適用するアプローチは統計学や作戦研究が軍事学に導入される以前に盛んに実践されたものです。そのような研究成果をここで示すことで速度の重要性を確認することが可能かどうか疑問があります。ここで参照すべき情報は機動力の一般的な重要性を再確認することではなく、機動戦という概念が成立した背景やその内容を歴史的、または思想史的に説明することだと思われます。

より具体的に言うなれば速度を活かした戦闘や戦争全般の事を指す。

具体的に述べていないと思います。結局のところ機動戦がどのように実施されるものかを何も説明しているとは思えません。そもそも速度を活かすことはあらゆる戦闘において必要なことです。9つある戦いの原則の中で「機動の原則」がどのような意義を持っているかを執筆者は存じ上げないか、誤解していると思われます。戦闘の流動的状況において常に位置的な優位性を獲得するために連続的に機動し続けることは不可欠な戦闘行動です。より具体的に述べる意図があるならば、どのような教義、編制、装備、指揮、訓練によってどのような敵情または地形において実施される行動かを明確化する責任があります。 その次の項目で論じられている諸々の歴史的事例ですが、結局のところ機動戦との関係性は全く不可解だといわざるを得ません。電撃戦の系譜を説明をするならば、フラーの機甲戦、リデル・ハートの間接アプローチ、グデーリアンの電撃戦を軍事思想史に基づいて説明する必要があるでしょう。

総括すると、この項目の記述内容は根本的に書き直されるか、それができないならば項目そのものを削除しなければならないと思います。執筆者にとっては大変残念なことではあると思いますが、少なくとも執筆に必要な最低限の軍事理論に基づいた記述だと評することは不可能です。もし執筆者もしくはこの主題についての造詣が深い方がいれば、ぜひご意見やご批判、ご指摘を伺いたいと考えています。どうぞ宜しくお願いします。--Kazu 62 2009年7月29日 (水) 03:28 (UTC)[返信]

ご指摘の通りだと思います。明らかに記事として欠けている穴だけでも塞げればと手を入れてみましたが、Kazu 62様の指摘の半分も満たしているかどうかといったところでしょうか。至らない点は直して下さいませ。クラウゼヴィッツの節は少しずれているとも感じましたが一応関連するので残しました。フラーとグデーリアンは本稿と深い関係があると思うのですが、私ではお2人の論を本記事上で上手く説明できません。リデル・ハート氏の間接アプローチ論はよく判りません。可能なら加筆していただければ幸いです。--Tosaka 2009年8月22日 (土) 17:35 (UTC)[返信]
英語その他各国語版に存在するen:Maneuver warfareと対応させるようにして修正してみてはいかがでしょうか。私は、以前に公立図書館で閲覧した『アメリカ海兵隊のドクトリン』(ISBN: 978-4829504444)で軽く目を通したことしかないのですが、現在本項で記述されている「機動戦」よりもより包括的な概念であることから、著者の方は「機略戦」という言葉を使っておりました。--Panda 51 2009年9月14日 (月) 09:20 (UTC)[返信]
こんにちは、Tosakaです。私が7月に加筆する時にen:Maneuver warfareも見てみましたが、戦争の"method"は常に"maneuver warfare"と"attrition warfare"(消耗戦)の2つの間にあるとされていて、discussionでも2005年からこれに疑問が表明されていますが進展が無く本文も変わっていない点や、個人的には1文目で"shock"という精神的側面も要素として定義に加えている点で、あまり内容を信用せず使用しなかったのです。例えば大きな海戦では機動戦でありながら互いの戦力を削りあってゆく消耗戦となる場合があるなど、私には機動戦の対極が消耗戦であるとは思えません。篭城戦や"positional warfare"といった互いがほとんど移動せずに対峙したまま戦う形式が機動戦の対極だと考えます。またShockは機動戦で重要な要素となる場合が多いと思いますが、定義で示すほどすべての機動戦での主要な要素となるかは疑問に思っています。例えば、より機動力で勝る敵兵力が自軍の弱点を攻めてくるのが明確に事前に判っている場合も多いでしょう。
『アメリカ海兵隊のドクトリン』も加筆時に検討してみましたが、北村氏達が書かれた機略戦の説明は、2つの理由で本項では用いませんでした。1つは機略戦の具体的な説明が欠けていると思われること。もう1つは米海兵隊の機略戦が優れていると礼賛しているが、それは敵戦力の重心に攻勢を掛けることなく弱点を攻めるWiseでPreciseな攻撃を行なうといった、観念論以上の違いが示されていなかったからです。機動戦でも敵の弱点を攻めるのが要素です。また、文中でもアメリカ海兵隊の機略戦が従来の機動戦とは違うとしている点でも、機動戦の記事には採用できませんでした。当該書籍内の機略戦の説明の初めでは機動戦ではなく機略戦が正しい用語だと書かれていますが、読後感としては、機略戦は機動戦の(何かが進歩・洗練された?)一形式だと思えました。人工衛星に代表される先進科学技術によって随時敵の詳細な情報が得られる米海兵隊だからこそ精確に攻撃が行なえる他に何が従来の機動戦と違うのかは、読んでいても判りませんでした。結局、説明に具体性が無いので実体は良く判らず、もしかすると2つは別個の概念かも知れませんが、当該書籍の限りにおいては機略戦が機動戦を包む概念ではないと思います。--Tosaka 2009年9月20日 (日) 11:28 (UTC)[返信]
こんにちは、Panda 51です。maneuver warfareについて加筆してみましたので、添削していただけますようお願いします。--Panda 51 2009年9月24日 (木) 05:02 (UTC)[返信]