パディ・ファヒー

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パディ・ファヒー
Paddy Fahey
別名 Paddy Fahy
生誕 1916年8月22日
アイルランドの旗 アイルランド ゴールウェイ県 キルコネル(en:Kilconnell)
死没 (2019-05-31) 2019年5月31日(102歳没)
アイルランドの旗 アイルランド ゴールウェイ県 バリナスロー
ジャンル アイルランド音楽ケルト音楽、民俗音楽
職業 作曲家
担当楽器 フィドル

パディ・ファヒー (Paddy Fahey aka Paddy Fahy1916年8月22日[1] - 2019年5月31日[2][3] )はアイルランドの作曲家。アイルランド伝統音楽(en:traditional Irish music)のスタイルによるチューンの作曲家として、存命の人物の中で最も優れた1人と考えられていた[1]

略歴[編集]

ファヒーはゴールウェイ県東部キルコネル(en:Kilconnell)の出身である。父ジャック(Jack)は優れたフィドラーであり、母もアコーディオンを弾いた。ファヒーはこの音楽好きの家庭で育ち、5歳の時にフィドルを始めた[4]

彼の音楽は、"Draíocht" とよく表現される、独特の慕情や魔法のような質感を持っている [5]。 彼の音楽は、マーティン・ヘイズ、プランクシティ(en:Planxty)、ジョン・カーティ(en:John Carty (musician))、ケヴィン・バークを初めとした、多くの優れたアイルランド伝統音楽ミュージシャンたちによって録音されてきた。近年では、ケイン・シスターズ(Liz and Yvonne Kane)やブリーダ・ケヴィル(Breda Keville)を含むいくつかの録音でファヒーの音楽の好演が収録されている。

ファヒーはアイルランド伝統音楽界において、商業録音をしたことも、作曲した曲集を出版したこともない、という点において1つの謎めいた存在だった。私的に製作されたファヒーの録音はいくつか存在しており、これは1970年代からミュージシャンの間で流布されている。彼のチューンは多くの曲集や www.thesession.org のようなインターネットサイトで触れることが出来る[6]

ファヒーは自分の作品に名をつけておらず、代わりに "Paddy Fahey's Reel No.1"、"Paddy Fahey's Jig No.2"といった形で番号のみが振られている。彼の知られている作品数は60前後であり、その全てがジグ リールホーンパイプのどれかである。

2001年、アイルランド語の TV局 TG4が毎年開催する 'グラダム・キョール(Gradam Ceoil) TG4' にてファヒーはこのイベントで新たに設けられたComposer of The Yearの最初の受賞者となった[7]

参考文献[編集]

  • Vallely, Fintan (ed.), The Companion to Traditional Irish Music. コーク大学出版局(Cork University Press)、1999年
  • Holohan, Maria. The Tune Compositions of Paddy Fahey. MA Thesis, リムリック大学、1995年

脚注[編集]

  1. ^ a b Galway Sessions 2014, 15-22 June
  2. ^ An fidléir cáiliúil Paddy Fahey tar éis bháis
  3. ^ Death Notice of Paddy Fahey
  4. ^ The East Galway Tradition: Paddy Fahey LinkedIn” (2015年3月20日). 2018年4月8日閲覧。
  5. ^ Chulrua.com Archived 2008-05-09 at the Wayback Machine.: "Draíocht is a Gaelic word meaning 'spiritual power' or 'soul.'"
  6. ^ http://www.thesession.org/
  7. ^ Composer of the Year Previous Winners Gradam Ceoil TG4 Programmes TG4 Súil Eile” (2018年). 2018年4月8日閲覧。