ヒトツボクロ属

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ヒトツボクロ属
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: ヒトツボクロ属 Tipularia
学名
Tipularia Nutt.[1][2]
タイプ種
Tipularia discolor (Pursh) Nutt.[1]
和名
ヒトツボクロ属(一黒子属)
  • 本文参照

ヒトツボクロ属(ヒトツボクロぞく、学名:Tipularia、和名漢字表記:一黒子属)は、ラン科に属する[2]

特徴[編集]

地生の多年草。地下にある球茎は連珠状に連なり、やや長い葉柄のあるを1個つける。は1本で直立し、総状花序に小型のがまばらにつく。はごく小さい。3萼片と側花弁は同形で幅が狭く、離生して開出する。唇弁は萼片と同長で浅く3裂し、中裂片はとくに隆起せず、長楕円形でその先端は全縁または凹頭となり、側裂片は比べて小型となる。ふつう細長いがあり、下垂する。果実は紡錘形の蒴果となり、下垂する[2]

分布[編集]

ブータン中国大陸台湾インド北東部、ミャンマーネパール朝鮮半島、日本と、離れて北アメリカに分布し、7種知られる[3]

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本稿では、YList では、ヒトツボクロモドキをヒトツボクロの変種として扱っているが、同種を本属の独立した種としているThe Plant List の例によるものとする。

日本に分布する種[編集]

  • ヒトツボクロ Tipularia japonica Matsum.[4] - 茎の高さは20-30cm。花は淡黄緑色で紫褐色を帯びる。距の長さは約5mmになる。本州、四国、九州、朝鮮半島南部に分布し、明るい林床に生育する[2][5]
  • ヒトツボクロモドキ Tipularia harae (Maek.) S.C.Chen[6] - ヒトツボクロに似るが、距がなく、唇弁が他の花被片と同じ形。九州の長崎県と佐賀県の県境の山に特産し、木陰に生育する[2][5][7]

その他の種[編集]

学名および主な分布地[8][9]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Tipularia, Tropicos
  2. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物1』p.228
  3. ^ Tipularia, Flora of China
  4. ^ ヒトツボクロ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  5. ^ a b 『日本の野生植物 草本 I 単子葉類』p.217
  6. ^ Tipularia harae, The Plant List
  7. ^ 『原色日本植物図鑑 草本編III・単子葉類』p.46
  8. ^ Tipularia, The Plant List
  9. ^ Royal Botanic Gardens, Kew
  10. ^ Phillip Parker King (1791-1856; 探検家) もしくは ジョージ・キング (植物学者) (1840-1909; 植物学者)
  11. ^ タイワンヒトツボクロ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献[編集]