ファイル‐ノート:Firefox-1.0.png/削除

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画像:Mozilla Thunderbird Win Ja.pngと同様に、Mozilla.orgが採用するトリプルライセンスや曖昧な商標権の主張とGFDLとの整合性に不安が残るため、削除依頼で識者のコメントを依頼します。--Gleam 2005年1月4日 (火) 14:52 (UTC)[返信]

だいぶ時間が経ちましたが、どうもどこからも意見が出ないため、一応僕が考えた事を書いておきます。

画像‐ノート:Mozilla Thunderbird Win Ja.pngで検討したのとよく似たケースなのですが、この画像は2つの点が大きく違っているように思いました。

  • Googleのトップページのようなものが、ロゴも含めて、含まれている。
  • Mozilla の商標画像は商標であることが注記されている。

もうひとつ、前回Thunderbirdの件ではどうもうまく考えられなかった点についても考えてみました。

  • 画面の構成要素であるロゴ、アイコン、各ウィンドウなどはそれぞれが著作物だけれども、画像の作成者はこれらの著作物については一切許諾を与えておらず、単に「そうした構成要素を組み合わせたものであるこの画像自体」についてGFDLで提供していると考えることはできるか? (言い方を換えれば、「使っている素材については自分が許諾を与えることなどはできませんが、このように素材を組み合わせてひとつの画像にしたのは自分ですから、その創作性から発生する自分の著作権については、GFDLで提供します」という許諾だと考えてこの画像を存続させることが可能かどうか。)

1)商標になっているロゴ画像について

商標になっているロゴ画像は、おそらく、改変などを自由に行ってよいということにはなっていないように思います。これは、ロゴが商標であることからの商標法上そういう風にならざるを得ない、という面もあるかと思いますが、それだけではなくて、著作権法上、ロゴの著作者であるMozillaが、改変などを許可していないということから来るように思います。

著作権上の制約がなければ、例えばこの画像を改変したものを、全く異なる役務分野で商標として使ったり、商標以外の用途で使ったりしても問題がないことになると思います。例えば4コマ漫画のマイナーな登場人物にこの狐を登場させてみるといった利用は、商標としての利用ではないですし、分野的にもブラウザと関連がなさそうなので、問題ないといえそうです。ですが、このロゴについてはそうした利用も許されていないということのようです。

2)画面の構成要素とレイアウトについて

画面の構成要素であるアイコンや、画面のレイアウトについても著作権が考えられるのではないか、ということを次に考えました。

前回は、著作権が考えられるのではないか、という前提というか推測半分で話を進めてしまいましたが、一応判例をあたってみました。[1][2]

前者には特に、ビジネスソフトの表示画面についてどのような創作性が認められる可能性があるかを一般論として考察した部分があります。(幸い、というべきなのかよくわかりませんが、前回Thunderbirdについて考えたことはそれほど外れていないようです。)僕がざっと理解したところをまとめると以下のようになります。

  • レイアウトには、どのような機能をどのように配置するかについての思想が反映されていることがある。具体的には、異なる機能・エリアの重要性、わかりやすさ、操作のしやすさなどを配慮していることがある。そこで、美術や学術の著作物になっていることがある。
  • (今回の件には関係がないですが)画面間の移行関係についても、同じように創作性が認められることがありうる。
  • 但し、これらについては、機能・目的に照らした制約があることがあるし、既存の類似製品などとの共通性などを継承している場合もあるので、創作性は低いかも知れない。創作性が低い場合には、それを利用しても、デッドコピーやそれに準ずる利用の仕方でなければ著作権侵害にならないかも知れない。
  • 応用美術の著作物にあたるかどうか、という点については議論がない。(ただ、「制約」うんぬんというのは応用美術の著作物について言われる点なので、そういう風にも読めますが。)

スクリーンショットはデッドコピーやそれに準ずるものなので、この画像についても、著作権侵害になる可能性がありそう、という理解でよいと思いました。

3)スクリーンショットはいかなるライセンスで提供されているのか?

スクリーンショットが著作物だとして、それはどのようなライセンスで提供されているものなのか、ということを、前回よりももう少しだけ調べてみました。

まず、プログラム本体がどういうライセンスで提供されているのかについて ライセンスは、こちらでKzhrさんが示唆しているところに従って、GPLMozilla Public LicenseNetscape Public Licenseのトリプルライセンスだという前提で考えました。但し、Kzhrさんが同じ書き込みでリンクしているライセンスの方針について述べたページの解説を参照する限りでは、トリプルライセンスであるとは述べられておらず、MPLともうひとつ別のエンドユーザライセンスの2種のライセンスで提供されているだけ、という風にも読めます。[3]

また、こちらの解説ページ[4]では、トリプルライセンスへの取り組みが行われている最中のようです。具体的にどの部分がどういうライセンスで提供されているのかについては、こちらに少し説明があるのですが、正直何のことだかよくわかりませんでした。。

次に、スクリーンショットもプログラム本体と同じライセンスで提供されているのか、ということを考えてみました。

  • GPL の場合、"a work based on the Program"として第0条で言及されているものの中に、スクリーンショットが含まれていると考えられそうに思いました。
    • そうだとすると、2条の条件を満たさないと再配布してはいけないということになりそうなので、この画像は問題があるかも知れないと思いました。具体的には変更を加えたことの明示、GPL で提供すること、などです。
  • MPL の場合には、カバーされているのかどうかよくわかりませんでした。ライセンスの対象になっているのは直接的にはソースコードであり、それを改変したものも利用していいことになっているのですが、ソースコードを実行した際に作成されたものは対象になっているか、というと、ざっとライセンスを読んだだけではよくわかりませんでした。
    • 仮にライセンスの対象になっているとすると、第3条にある様々な条件を満たさないといけないことになりそうです。ここには、変更を加えた旨の明示、
    • 仮に対象になっていないとすると、普通の著作物であって、無断で複製してはまずいということになりそうです。
  • NPLについては、若干の点を除いてはMPLと同じであるという説明がライセンス本文でされているので、上と同じだと考えてよさそうに思いました。

以上を総合すると、どうやら、スクリーンショットは普通の著作物扱いにするか、GPL, MPL などのライセンスに従って利用できるものだけれども、前者であれば許諾なしに利用してしまっていることになりそうで、後者であればライセンスに従わないで利用してしまっていることになりそうだと思いました。

ちなみに、Thunderbird の時にも紹介しましたが、以前、ウィキメディアコモンズでも同じような画像があって一応削除依頼にかけてみたのですが、スクリーンショットにどういうライセンスが適用されるべきなのか、ライセンスの対象になっているのかどうか、については解明できませんでした。([5]

4)商標として使われているロゴにはどのような利用許諾があるのか

この部分は前回検討した際と同じですが、 http://www.mozilla-japan.org/foundation/trademarks/faq.html

にある説明から、ロゴ自体はトリプルライセンスの対象になっているわけではなくて、対価を得ない形での複製ならしてもよいが改変や商業利用などは禁止されている、ということのようです。

ウィキペディア日本語版の画像の受け入れ方針は、原則として改変と商業利用が可能であることを条件にしていると思うので、ロゴはその方針に反していると言えそうに思いました。

5)その他の構成要素

画面上には、Google のトップページのようなものがあり、ロゴも含まれてます。これもいわばGoogleの著作物のスクリーンショットですから、思想の表現などとして保護される可能性があると考えた方がよいかも知れません。

但し、過去に、創作性がうかがえないような部分だけが写っているなら問題がない、という風に判断された例があるので、ロゴについては、これだけ小さくて微妙な色つや、字体の詳細などがわからない状態であれば、もはやロゴの著作権侵害とは言えない、と考える余地もあるようにも思います。判例は、僕が知っているのは、書家の書について、筆の運びや墨の濃淡などの細部がわからない写真が掲載されていたものが著作権侵害にならないという判断なので、それに比べれば今回の件はずっと細部の情報が失われていない、という風には言えると思いますが。

判決文

6)この画像の何がGFDLで利用許諾されているのか?

前回は考えが及ばなかった点ですが、引用について考えたことと似たような事をこの画像についても考えることができそうに思いました。つまり、この画像の作成者は、作成者として著作権が及ぶ範囲で許諾を与えているだけであって、他の部分については特に何も許諾を与えているわけではないのだ、という考え方です。

これによれば、画像を作成した方は、ウィンドウの配置などを工夫しているので、その部分についてGFDLでリリースしているのだと考えることができるかも知れません。ですが、個々のウィンドウの内容については特にGFDLで利用許諾を与えているわけではないし、またそのような許諾を与える権利もそもそも持っていない、という風に考えられると思います。

そうすると、GFDLというライセンスの表示は、紛らわしいという面はあるとしても、虚偽とか不適切ということにはならないかも知れません。これも、引用文のケースと同じです。引用文を含んだ文章がGFDLで提供されている場合に、それは虚偽とか不適切ではなく、ただ引用部分は特にGFDLの許諾対象になっているわけではないので、GFDLだけを考慮して利用すると著作権侵害を起こすことがあるから利用者は十分注意しなければならない、と考えられるので。

また、この画像の場合には、少なくとも商標部分についてはそういう注意書きがされていますから、紛らわしさはある程度解消されている、という風には言えるかも知れません。

7)まとめ

  • 画像全体について、ウィンドウの配置などは作成者が工夫した点だと考えられる。その工夫に創作性が認められるとしたら、その部分がGFDLで利用してもよいということになっているのだと考えればよいかも知れない。
    • もしも画像に含まれている全ての要素が一律GFDLで利用可能だという風に宣言されていると考えると、それはMozilla Google など権利者の許諾なしに許諾を出しているという可能性が高く、削除した方がよい。

以下、作成者の創作性に関わる部分(作成者の持っている著作権)だけがGFDL許諾されている、という前提で考えます。

  • ウィンドウの中にある、Googleの画面は、Googleの著作物になっている可能性が考えられる。これが無断利用だとしたら、このような形で無断利用をしてもよいのかどうかがちょっと微妙。
    • もしもこれらが創作性を有していないと言えれば問題ないことになる。
  • ロゴの利用は、ウィキペデイア上で提示しているだけなら構わないが、商業利用などが禁止されている。
  • 画像内の個別のウィンドウは、ソフトウェアの画面のレイアウトに相当するため、Mozillaなり、プログラマなりの著作物になっている可能性が考えられる。では、それを無断で利用してもよいか、というと、これはスクリーンショットがライセンスの対象になっているかによるということになりそう。
    • もしも画面中のアイコンなどが著作物であり、かつ、ライセンスの対象になっておらず、無断複製などが禁止されているとしたら、ウィキペディアへのアップロードは問題があることになる。
    • もしも画面中のアイコンなどが著作物ではないとしたら問題ない。
    • もしも全てがライセンスの対象になっていて、GPLなりMPLなりで利用してもよいものになっているとしたら、この画像ではそれらのライセンスのいずれの要求もきちんと満たしていない点に問題がありそう。(ただし、ライセンスをざっと読んだ限りでは、スクリーンショットが果たしてライセンス対象になっているものなのかどうかは断言できないように感じた。GPLは、たぶん対象になっているようには思うけれども自信がない。)
      • ライセンスの対象になっているのだとしたら、それを説明した上で、ライセンス全文を同封する、改訂したことを明示するなど、ライセンスの要求に従うことで問題を解決するという可能性もあるかも知れない。

以上を考えると、

  • Google の画面が著作物でないと言い切れないので念のため削除する方がよさそう。
  • 商標ロゴのライセンスがウィキペディアの画像の受付方針と合わないことは、GFDLで提供されているのではないということを伺わせる注意書きもあるので、それ単独で考えるとそれほど致命的ではないのかも知れないが、画像中に大きな位置を占めていることなどから考えても、望ましいとは言えない。
  • スクリーンショットがどういうライセンスで利用していいのかがわからないが、無断で利用できない可能性もある。利用できるとしてもどのライセンスに基づいてどう利用するとよいのかがどうもよくわからず、現段階ではどうやらどのライセンスの要求も満たしていないようなので、解決が望めなければ削除した方がよさそう。

という辺りが主な懸念材料で、削除した方がいいという風に思いました。

長くなりましたが以上です。相当複雑な件で、よくわからない部分が多いので、他の方の意見がききたいです。

Tomos 2005年1月23日 (日) 21:13 (UTC)[返信]