コンテンツにスキップ

プロジェクト:アウトリーチ/図書館総合展2022/紹介/23ウィキペディアタウン@津市安濃町


ウィキペディアタウン@津市安濃町は、三重県立津高等学校主催で開催された津市初のウィキペディアタウン。

ウィキペディアサロン2022関連企画[編集]

無し

企画概要[編集]

企画名
ウィキペディアタウン@津市安濃町
開催時期
2021年7月22日
最新開催時期
2021年7月22日
開催地
三重県津市安濃町
参加人数(募集人数)
11人(20人)
参加者
津高生限定。見学は可能とし、郷土史家、県立高校教員などが見学した。
参加費
無料

企画内容[編集]

企画のねらい[編集]

  • 津高生に地域を歩く経験をして欲しい!:「地域活性化」がテーマの放課後ゼミなどに積極果敢に挑む津高生に、地域を歩き地域の人の話を聞く経験をして欲しい。
  • 津高生に資料の扱い方と情報発信の責任の重さを伝えたい!:探究を進める津高生に、資料の比較検討を通じ、信頼性の高い情報を発信する経験をして欲しい。
  • 何より、これらの体験の面白さを知って欲しい!:「地域を歩き、調べ、議論し、書く」ウィキペディアタウンの活動はまさにピッタリと思いました。

事前学習[編集]

事前レク 「安濃町って、こんなにすごい!」(2020年12月8日)
参加した生徒に執筆テーマを選んでもらうための材料として、郷土史家の浅生悦生氏をお招きし、安濃町の歴史的・文化的な特徴5つをわかりやすくお話いただきました。
  • 経ヶ峰と長谷山
  • 古代遺跡の宝庫
  • 県下最大級の中世城跡 安濃城
  • 将軍家への献上の津綟子
  • 抜群の孝女登勢
後日、アンケートをとり、編集項目を「津綟子」「安濃城」「経ヶ峰」の3つに決定しました。
事前学習① 「ウィキペディアと著作権の話」(2021年6月23日から25日の3日間のいずれか)
ウィキペディア編集者(ウィキペディアン)の日下九八さんにオンラインで講義いただき、ウィキペディアの原則と特徴、著作権について学びました。
事前学習② 「三重県総合博物館の学芸員・職員から講評」(2021年7月9日)
三重県総合博物館の太田光俊氏(学芸員)・寺村善樹氏(職員)にウィキペディアに記載する内容について聞いてもらい、内容のブラッシュアップについてアドバイスしてもらうとともに、参考文献の信頼性や一次資料、二次資料の違いについてもお話いただきました。
放課後の調査・執筆
この日程以外にも、チームが独自に図書館に集まり調査・編集活動を行いました。

当日の日程[編集]

スケジュール
終日イベントとして開催。9時開始で午前中に田中秀和氏(津市教育委員会事務局職員)の案内で車で移動しながら安濃町内と三重県総合博物館を回り写真などの撮影を行い、12時30分から1時間程度を昼食休憩にあてました。その後、13時40分~17時20分頃まで、ウィキペディアンの日下九八氏、漱石の猫氏、かんた氏)の3人の方々にオンラインでサポートを受けつつ、編集を行いました。
会場では、郷土史家の浅生悦生氏、会場提供に協力いただいた森谷哲也氏(アノウラボ)、三重県初のウィキペデアタウンを主催された岡野裕行氏(皇學館大学)による様々なサポートもしていただきました。
ガイダンス
主催者あいさつ(3分)
ウィキペディア編集時間
ほぼ3時間。※当日では編集完了せず

後日の継続活動[編集]

夏休み期間中と放課後の編集活動
7/22以降も参加者はウィキペディアの記事執筆を続けました。
ウィキペディアタウン@津市安濃町 公開記念日(2021年10月27日)
編集が終了し、ウィキペディアンの方々によるチェックも経て、2021年10月27日の放課後に公開しました。当日は報道資料提供を行い、取材にもきてもらいました。
関係者として、サポートいただいた森谷哲也氏には会場に、ウィキペディアンの日下九八氏、漱石の猫氏、かんた氏)にはオンラインで参加いただきました。

記録集の発行[編集]

紙媒体の記録集の発行と近隣図書館・博物館への配布
記録集を発行し、三重県立図書館や津市図書館をはじめとした関係施設と協力者に配布しました。2022年10月10日時点では、三重県立図書館で3冊、津市津図書館で1冊、津市芸濃図書館で2冊がデータ登録されています。
電子媒体の配布
三重県立津高等学校図書館の公式サイトにて、PDF形式で公開・配布をしました。

編集題材[編集]

運営体制[編集]

主催者
三重県立津高等学校図書館 津高図書館公式サイト
(担当者連絡先)津高図書館の直通電話番号:059-228-0386にお問い合わせください。
協力者(個人名)
浅生悦生氏(執筆協力・資料協力)、かんた氏(執筆協力)、太田光俊氏(執筆協力)、岡野裕行氏(執筆協力)、日下九八氏(執筆協力)、熊﨑司氏(執筆協力・資料協力)、漱石の猫氏(執筆協力)、田中秀和氏(資料協力・執筆協力)、寺村善樹氏(執筆協力)、津村善博氏(資料協力)、中川清裕氏(資料協力)、松尾篤氏(執筆協力・資料協力)、森谷哲也氏(執筆協力・会場提供・デザイン協力)、安宮勝之氏(執筆協力)、山口理絵氏(資料協力・執筆協力)
協力者(団体名)
アノウラボ(会場提供・デザイン協力)、皇學館大学附属図書館(運営協力)、サンヒルズ安濃(津市安濃図書館)(執筆協力)、津市一志図書館(資料協力)、津市津図書館(資料協力・執筆協力)、津市教育委員会安濃教育事務所(会場提供・資料提供・執筆協力)、津市教育委員会事務局生涯学習課(運営協力)、三重県総合博物館(資料提供・執筆協力)、三重県図書館協会(助成金支援)、三重県立図書館(資料提供・執筆協力)
運営スタッフ(肩書は当時)
三重県立津高等学校:井戸本(学校司書)、藤田(図書部 主任)、豊田(進路指導部 主任)、深澤(「探究」推進部)
ウィキペディア講習担当
(事前学習①)日下九八氏、(当日:オンラインにて)日下九八氏、漱石の猫氏、かんた
準備物
文献資料、スピーカーとマイク(電池駆動)、救急バッグ、電源コードリール、WiFiルーター、クロームブック10台、USB -C→HDMI変換コネクタ、ウェブカメラ、プロジェクター、筆記具、メモ用紙、テーブルタップ

背景[編集]

三重県立津高等学校では、文部科学省のSuper Science Highschool(SSH)県内初の三期目指定を受け、文系理系を問わず全学年で探究活動に取り組み、生徒は自分が疑問に思ったことについて、調査し、分析し、発表を行っています。また、三重大学地域イノベーション学研究科の西村教授を招き開催する「津高キャリアプロジェクト」では、生徒有志がゼミ形式で研究活動を行い、地域活性化のアイデアを形にする活動を行っています。 このような津高での地域に関する探究活動については、課題として、実際の現場(フィールド)での活動がほとんどなく、大部分が頭の中での活動になってしまっているということがあります。 この課題を解決し、津高生がより良く探究活動を推し進める一環として、ウィキペディアタウンに取り組むことにしました。

影響 あるいは 展望[編集]

参加した津高生の感想
  • 事前学習のとき様々な資料があって読み解くのが大変でした。
  • 三重県総合博物館で県指定文化財の津綟子肩衣を触らせてもらって嬉しかったです。
  • あまり知られていない津綟子をよく知ることができました。
  • 山登りが意外としんどかった…けど楽しかったです。記事の不完全なところを指摘・修正してくれた方々に感謝です。
  • 資料を読み解くのが難しくて、特に阿由多神社に関する情報が少なかったです。
  • 参考文献を読んで得られる情報も多かったけど現地に行くと自分の体で感じることが多く、ガイドしてもらった田中さんの話も加えて書くことができ、現地に行くのが一番と思いました。
  • 安濃城の大きさを感じることができました。夏なので虫が多すぎましたが、その体験も良い思い出です。
  • 経ヶ峰の名前の由来や校歌の紹介、周辺情報も書いたのが記事の特徴です。
  • 文章を丸写ししてはいけないので、書かれていることを自分の言葉で書かないといけないのが難しくて楽しかったです。
  • 経ヶ峰が思ったより「山」で大変でしたが、現地に行くことが大事だと感じましたし、楽しかったです。
成果1 将来につながる調査研究活動を経験
活動を通じ、「資料を比較検討する」「著作権を守る」「他者が検証可能となるよう参考文献を示す」「情報発信の怖さを知る」を学んでもらいました。これらの経験は、参加した生徒が、大学での研究活動や社会活動をする際に役に立つと思います。
成果2 記録集発行による事業の「見える化」
記録集にどのような連携でどのような段階を踏んで事業を行ったかを記録し、その情報を冊子体及び電子媒体で公開することで、他の図書館・学校が同様の事業を実施しやすくなったと考えます。

課題 あるいは 後進へのアドバイス[編集]

当初は2021年2月7日に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、年度をまたいで開催を2回延期しました。 また、開催日である2021年7月22日に、国による緊急事態宣言が出されていたことから、講師を依頼していたウィキペディアンの3人の方がオンライン参加となりました。会場に来ることができた主催者のウィキペディア編集経験の不足、さらには感染症拡大防止のため会場を2か所に分けサポートが手薄になった結果、イベント当日中に編集を終えることができませんでした。 なにより、編集の際に参考にする出典の中身について、ウィキペディアンの方々による確認が難しかったのは影響が大きかったと考えます。

様々な要因で開催を決行し、結果的には3か月後に公開することができましたが、「津高生に資料の扱い方と情報発信の責任の重さを伝える」という当初の狙いを達成するためには、特に初開催にあたっては、ウィキペディアンによる現地サポートが必須だったと感じました。

また、他の図書館、学校への波及を狙って記録集を発行しましたが、2022年10月10日時点では、どこからも問い合わせは来ていません。ただ冊子を発行するだけでなく、機会があるごとに図書館におけるウィキペディアタウン開催の意義と効果を伝えるなども必要かと考えます。

参考情報[編集]

  • 中日新聞2021年10月28日 20面津市民版

「津高生 ネットに好奇心公開 歩き、文献調べて『ウィキペディアタウン』 安濃城や経ヶ峰 記事執筆」

  • 伊勢新聞2021年10月29日 8面県内総合版

「津高生が安濃町を探究 情報『ウィキペディア』に公開 経ケ峰などテーマに

  • としょかん通信ぷらす・あるふぁ2021年11月1日号(380号)

「高校生の学びのために「ウィキペディアタウン@津市安濃町」を開催!」

  • 安濃町へようこそ|アノウラボnote 2021年12月13日

ウィキペディアタウン@津市安濃町 記録冊子が完成しました!

  • みえむ未来創成フォーラム2021「高等学校での地域に関わる学習」生徒成果物発表会 2021年12月13日

「ウィキペディアタウン@津市安濃町」のポスターによる発表

  • 安濃町へようこそ|アノウラボnote 2022年4月20日

ウィキペディアタウン@津市安濃町