全国高等学校女子硬式野球連盟

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全国高等学校女子硬式野球連盟
設立 1998年
種類 野球連盟
目的 高校女子硬式野球の統括
本部 日本の旗 日本
兵庫県丹波市市島町上竹田1178
会長 坂谷高義
関連組織 全日本女子野球連盟
ウェブサイト http://www.jhgbf.org/
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全国高等学校女子硬式野球連盟(ぜんこくこうとうがっこうじょしこうしきやきゅうれんめい)とは、日本国内の高等学校に所属する女子硬式野球チームを統括する野球競技団体。

概要[編集]

女子スポーツの高まりから、女子高校生の野球競技参加の意識が高まったが、従来の高校野球部の統括組織である日本高等学校野球連盟は、危険防止の観点から男子部員と一緒に主催の野球大会に参加することは認めていない[1]

そんな中、1995年北京市の女子硬式野球チームが来日して「日中親善高等学校女子硬式野球大会」が開催されたほか、翌1996年には韓国の女子硬式野球チームが来日して同様の大会が開催された。これを機に、日本でも高校レベルにおける女子硬式野球の全国大会を開催すべきとの気運が高まり、その開催母体となるべく1997年に結成されたのが本連盟である。

高校女子硬式野球の全国大会として、毎年3月下旬-4月上旬に全国高等学校女子硬式野球選抜大会、7月下旬-8月上旬に全国高等学校女子硬式野球選手権大会、8月下旬に全国女子硬式野球ユース大会をそれぞれ実施している。

令和2年度3月に開催予定だった選抜大会は新型コロナウイルス拡散防止のため、大会が中止された。

沿革[編集]

  • 1995(平成7)年8月 日本初の硬式野球大会「日中対抗女子中学高校親善野球大会」開催(東京都福生市)
  • 1996(平成8)年8月「日韓親善女子高校硬式野球優勝大会」開催(東京都福生市)
  • 1997(平成9)年8月「第1回全国高校女子硬式野球大会[2]」開催(東京都福生市)
  • 1998(平成10)年「全国高等学校女子硬式野球連盟」日本初の女子硬式野球連盟発足 初代会長=東 隆眞/副会長=佐藤 栄太郎・神村 勲/事務局長=四津 浩平
  • 2000(平成12)年4月「第1回全国高等学校女子硬式野球選抜大会[3]」開催(兵庫県市島町) これに伴い夏の全国大会は「全国高等学校女子硬式野球選手権大会」と名称変更
  • 2000(平成12)年9月 佐藤栄太郎が全国高等学校女子硬式野球連盟会長に就任 
  • 2004(平成16)年8月「第8回全国高等学校女子硬式野球選手権大会」関東から兵庫県市島町に移管
  • 2004(平成16)年10月 畑 茂が全国高等学校女子硬式野球連盟会長に就任。堀秀政が事務局長に就任
  • 2010(平成22)年8月「第1回全国女子硬式野球ユース選手権大会[4]」開催(埼玉県加須市・栃木県佐野市)
  • 2013(平成25)年7月 小林 清木が全国高等学校女子硬式野球連盟副会長に就任
  • 2014(平成26)年3月「第15回全国高等学校女子硬式野球選抜大会」兵庫県市島町から埼玉県行田市に移管
  • 2015(平成27)年3月「第16回全国高等学校女子硬式野球選抜大会」埼玉県行田市から埼玉県加須市に移管
  • 2018(平成30)年3月 埼玉県加須市民運動公園野球場改修工事完成、加須きずなスタジアムと命名

加盟校[編集]

2024年1月現在、以下の61校が加盟している[5]。各地区連盟等は未整備。(記載順は、都道府県コード順、校名の五十音順。)

北海道(4)
東北地方
青森県(1)
岩手県(2)
宮城県(2)
山形県(1)
福島県(1)
関東地方
茨城県(2)
栃木県(1)
群馬県(1)
埼玉県(4)
千葉県(2)
東京都(4)
神奈川県(1)
中部地方
新潟県(1)
福井県(1)
山梨県(1)
長野県(2)
岐阜県(1)
静岡県(3)
愛知県(2)
近畿地方
京都府(4)
大阪府(2)
兵庫県(3)
中国地方
島根県(1)
岡山県(1)
広島県(3)
四国地方
愛媛県(1)
高知県(2)
九州・沖縄地方
福岡県(1)
熊本県(3)
宮崎県(1)
鹿児島県(1)
沖縄県(1)

加盟準備中の学校[編集]

かつて加盟していた学校[編集]

3大会出場校一覧[編集]

単独出場の3大会横断の一覧(学校連合を含む)。出場年のかっこは全回次出場していない高校の出場回数、優勝・準優勝は3大会合算。

出場校 都道府県 優勝 準優勝 選手権 ユース 選抜 備考
あさひかわめいせい旭川明成 01北海道 2023 2023 2024
こまざわだいがくふぞくとまこまい駒大苫小牧 01北海道 2021 2021[2] 2022
さっぽろしんよう札幌新陽 01北海道 2017 2018 2018
ほっかいどうくりやま栗山 01北海道 2023 2023 2024
ひろさきがくいんせいあい弘前学院聖愛 02青森県 2023 2023 2024
はなまきひがし花巻東 03岩手県 0 2 2021 2021 2022
もりおかせいおう盛岡誠桜 03岩手県 2022 2022 2023
くらあくきねんクラーク国際仙台 04宮城県 1 2 2018 2018 2019
にほんうぇるねすみやぎウェルネス宮城 04宮城県 2023 2023 2024
せいざん惺山 06山形県 2022 2022 2023
がっこうほうじんいしかわ学法石川 07福島県 2022 2022 2023
いわせにほんだいがく岩瀬日大 08茨城県 2021 2022 2022
さくしんがくいん作新学院 09栃木県 1 0 2014 2013 2014
わせがくわせがく前橋 10群馬県 2023 - -
えいめい叡明 11埼玉県 2016 2016 2017
さいたまけんりつおおみやしょうぎょう県立大宮商業 11埼玉県 2023 2023 2024
さいたまさかえ埼玉栄 11埼玉県 13 8 1997 2010 2000
はなさきとくはる花咲徳栄 11埼玉県 6 6 1997 2010 2000
しゅうめいやちよ秀明八千代 12千葉県 0 1 2016 2016 2017
かまたじょし蒲田女子 13東京都 3 5 1997-22 2011-14 2000-19
こまざわがくえんじょし駒沢学園女子 13東京都 3 11 1997 2021[2] 2000
にほんうぇるねす日本ウェルネス 13東京都 2021 2021 2022
よこはまはやと横浜隼人 14神奈川県 2 1 2013 2011 2013
かいしがくえん開志学園 15新潟県 1 1 2013 2013[6] 2014
ふくいこうぎょうだいがくふぞくふくい福井工大福井 18福井県 2 1 2013 2014 2014
かいせいか甲斐清和 19山梨県 2023 2023 2024
さくちょうせい佐久長聖 20長野県 2023 2023 2024
まつもとこくさい松本国際 20長野県 2023 2023 2024
ぎふだいいち岐阜第一 21岐阜県 0 2 2016 2016 2017
おいすかはままつこくさいオイスカ浜松 22静岡県 2022 2022 2024
せいせい静清 22静岡県 2022 2022 2023
とうかいだいがくふぞくしずおかしょうよう東海大静岡翔洋 22静岡県 2021 2021 2022
けいめいがっかん啓明学館 23愛知県 2021 2021 2023
しがくかん至学館 23愛知県 0 1 2013 2013 2014
出場校 都道府県 優勝 準優勝 選手権 ユース 選抜 備考
きょうとがいだいにし京都外大西 26京都府 1 1 2013 2013 2014[8]
きょうとめいとく京都明徳 26京都府 2019 2019 2021
きょうとりょうよう京都両洋 26京都府 1 0 2012 2012 2013
ふくちやませいび福知山成美 26京都府 2 3 2010 2010[12] 2012
おおさかたいいくだいがくなみしょう大体大浪商 27大阪府 2016 2015[3] 2017
りせいしゃ履正社 27大阪府 1 4 2014 2016 2015
こうべこうりょうがくえん神戸弘陵学園 28兵庫県 11 2 2014 2015 2015
こうべこくさいだいがくふぞく神戸国際大附 28兵庫県 2023 2023 2024
そうかい蒼開 28兵庫県 2021 2021 2021
しまねけんりつしまねちゅうおう県立島根中央 32島根県 2019 2023 2021
おかやまがくげいかん岡山学芸館 33岡山県 2019 2021 2021
こうりょう広陵 34広島県 2022 - 2023
さんよう山陽 34広島県 2021 2021 2022
ひろしまけんりつさえき県立佐伯 34広島県 2017 2022 2019[4]
にった新田 38愛媛県 2019 2021 2021
こうちけんりつむろと県立室戸 39高知県 2013[8] 2017[2] 2014[7]
こうちちゅうおう高知中央 39高知県 0 1 2013[5] 2019 2021
おりおあいしん折尾愛真 40福岡県 2015 2021 2016
くまもとこくふ熊本国府 43熊本県 2022 2023 2024
しゅうがくかん秀岳館 43熊本県 2018 2021 2021
たまなじょし玉名女子 43熊本県 2023 - -
にちなんがくえん日南学園 45宮崎県 2012[10] - 2015[1]
かみむらがくえん神村学園 46鹿児島県 9 5 1998 2021 2000
おきなわけんりつなんぶしょうぎょう県立南部商 47沖縄県 2022 2023 2022

その他[編集]

高野連と女子高校生の選手について[編集]

日本高等学校野球連盟(高野連)では、上述の通り、男子選手と女子選手が一緒に試合に出場することへの危険性を指摘し禁止している。また、前提条件として、日本学生野球協会が定める日本学生野球憲章(第15条)において以下のように定めているため、女子野球の連盟に登録している選手は、(学生憲章を適用している)他の連盟には登録できない。

第15条(他の野球団体との関係)
部員、指導者および学生野球団体の役員は、学生野球団体または学生野球団体を構成団体とする野球団体以外の野球団体の構成員となることはできない。ただし、日本学生野球協会の承認を得た場合はこの限りではない。
日本学生野球憲章、日本学生野球協会

2020年2月13日に、野球をしている女子生徒に実戦経験を積む機会を提供・確保することを課題として、高野連と全日本女子野球連盟・全国高等学校女子硬式野球連盟の3連盟で意見交換会が行われた。女子の硬式野球連盟では学生野球憲章を適用していないので、高野連に登録されている女子選手も受け入れる態勢を整えたいという意向を示している[15]

参考文献[編集]

  • 『花咲くベースボール 女子硬式野球物語』飯沼素子、濱本光治 2016
  • 『改訂版 花咲くベースボール 女子硬式野球物語』飯沼素子 2019

脚注[編集]

  1. ^ 他の高校スポーツにおいても、男子と女子が同じ大会に参加するのは、混合ダブルスを除けば馬術など、ごく少数である
  2. ^ 第1回全国高校女子硬式野球大会
  3. ^ 第1回全国高等学校女子硬式野球選抜大会
  4. ^ 第1回全国女子硬式野球ユース選手権大会
  5. ^ 全国高等学校女子硬式野球連盟・加盟校一覧(2024年1月) - 全国高等学校女子硬式野球連盟
  6. ^ 聖光学院、来春に女子野球部創部へ 福島県内2校目 部員を募る(2023年6月20日) - 朝日新聞デジタル
  7. ^ 佐倉南高に女子野球部 今春発足へ「ニーズある」(2023年1月27日) -千葉日報オンライン
  8. ^ 女子硬式野球部を創部します (2023.04.11) - 滋賀短期大学附属高等学校
  9. ^ 高校女子硬式野球の門戸、滋賀でも来春開く 指導者「ありがたい」(2023年7月5日) - 朝日新聞デジタル
  10. ^ 本校硬式野球部女子部設立.pdf(2023年7月14日) - 和歌山県立和歌山北高等学校
  11. ^ ようこそ大成会のホームページに - taiseipta ページ!
  12. ^ 県内公立高で初! 女子硬式野球部、姫路別所高に誕生 部員わずか3人 公式戦を夢見て練習、仲間募る(2023年11月1日) - 神戸新聞NEXT
  13. ^ 鳥取県内の高校初の女子硬式野球部、来春創部が正式決定 私立倉吉北(2023年10月25日) - 朝日新聞デジタル
  14. ^ ☆女子硬式野球部発足☆(2023年9月1日) - 萩光塩学院
  15. ^ 日本高野連、女子野球と初の意見交換「一歩踏み出せた」(2020年2月13日) - 朝日新聞デジタル (2023年8月24日閲覧)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]