学級王国

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学級王国(がっきゅうおうこく)とは、教育機関においての学級の形態を意味する言葉であり、1920年千葉大学教育学部附属小学校で成立した概念である。

学級王国となっているような学級の特徴としては、学級においての学級会による集団的な自治が基本とされていることがある。子供の自主性と主体性が前提とされており、これに対して教師は遠隔において指示をするということになる。教師は学級においては、教室外の一切の干渉を排するという態度で臨む。

この形態は1930年代に日本全国の公立学校に普及し、戦後の民主主義教育にも引き継がれた[1]1922年手塚岸衛によって著された「自由教育真義」に、学級王国の見解が明示され、1925年に清水甚吾によって著された「学習法実施と各学年の学級経営」で主唱された[2]

脚注[編集]

  1. ^ 佐藤学「「学級王国」の崩壊としての「学級崩壊」(『学級崩壊』を考える)」『日本教育心理学会総会発表論文集』第41回総会発表論文集、日本教育心理学会、1999年、5頁、doi:10.20587/pamjaep.41.0_5_2ISSN 2189-5538NAID 110001878806 
  2. ^ 福代昭二「学級経営(1)」『研究紀要』第33号、文教大学女子短期大学部、1989年12月、7-20頁、ISSN 0385-5309NAID 110001159937