石廊崎漁港

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石廊崎漁港

石廊崎漁港(いろうざきぎょこう)は、静岡県賀茂郡南伊豆町大字石廊崎にある第1種漁港である[1]

石廊崎地区座標)と本瀬地区(ほんぜちく、座標)に分かれており、南伊豆町が漁港管理者となっている[1]。石廊崎地区の港のことを石廊崎漁港[2]、もしくは石廊崎港(いろうざきこう)[3][4]および長津呂港[5]、本瀬地区の港を本瀬港(ほんぜこう)とそれぞれ呼称する場合もある[6][7][8]。1952年(昭和27年)10月21日の農林省告示第517号で「長津呂漁港」として漁港第1種漁港に指定され[9]、1957年(昭和32年)11月7日付の同933号で港名の「石廊崎漁港」への変更・区域の変更がなされた[10]。この港を本拠に活動する漁業者は伊豆漁業協同組合南伊豆支所に所属している[1]

石廊崎地区の港は、大きく切れ込んだ長津呂湾の奥にある港で、港の奥に観光客向けの有料駐車場と遊覧船の発着拠点となる突堤があり、東側の岸壁には漁船が係留されており、船揚場もある[3]。伊豆半島の最南端である石廊埼灯台の入口になっており、駐車場の西から延びる石廊崎登山道を経由して灯台方面へ向かうことができる[3]石廊崎ジャングルパーク閉園後の2004年(平成16年)5月には、石廊崎灯台へのアクセス経路となっていた同施設の駐車場が閉鎖されたため、この漁港から伸びる道が灯台への唯一のアクセス路となっていた[11]。しかしその道程は往復約2 km[12]、高低差も約50 mあり[13]、片道の所要時間は徒歩で約15分を要していた[11]。2019年(平成31年)4月にはジャングルパーク跡地に「石廊崎オーシャンパーク」(座標)が開園し、それ以降は灯台までのアクセス路はオーシャンパーク駐車場起点(徒歩5分)が最短ルートとなっている[14]。港の北西部には道沿いに食堂や土産物屋が立ち並び、一年中多くの観光客で賑わっている[3]イセエビ刺し網漁が行われており[15]、石廊埼灯台周辺などの岩礁(水深約10 m)が漁場となっている[16]

本瀬地区の港(本瀬港)は県道16号沿いにあり[6]、栽培漁業センターが併設されている[17][7]。石廊崎港・本瀬港のそれぞれから、石廊崎周辺の沖へ向かう磯釣り客向けの渡船が出航している[17]

観光船が発着していて、奥石廊崎コースとみのかけ岩コースがあるが、当日の天候などでどちらのコースか決まるため、選ぶことはできない。

船上からは石廊埼灯台石室神社などを望むことができ、一年中澄んだエメラルドグリーンに輝く海を楽しむことができる。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 三坂漁港」『静岡県の漁港2022』(PDF)静岡県交通基盤部港湾局漁港整備課、2022年7月1日、34頁。 オリジナルの2024年1月13日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20231217132640/https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/051/532/shizuokakennogyokou_2022.pdf#page=362024年1月13日閲覧 
  2. ^ 朝日新聞』2013年1月18日東京朝刊静岡県版伊豆岳南1地方面33頁「町議会、和解案可決 南伊豆の旧熱帯植物園跡地買い取り訴訟 /静岡県」(朝日新聞東京本社
  3. ^ a b c d 『改訂版 伊豆半島釣り場ガイド』2012年6月14日第1刷発行、67頁、横山順一「Field 042 石廊崎港(いろうざきこう)」(海悠出版)
  4. ^ 読売新聞』2018年8月11日東京朝刊静岡版27頁「伊豆の観光 石廊崎から 自然公園 建設進む=静岡」(読売新聞東京本社
  5. ^ 監修:全日本磯釣連盟静岡県支部『航空写真で見る 伊豆半島の海釣り フィッシングポイント』1996年12月29日、日本テレビ放送網、128頁「97 石廊崎 馬の背・親島(南伊豆町)」
  6. ^ a b 伊豆半島釣り場ガイド 2023, p. 28.
  7. ^ a b 静岡新聞社 2008, p. 71.
  8. ^ 監修:全日本磯釣連盟静岡県支部『航空写真で見る 伊豆半島の海釣り フィッシングポイント』1996年12月29日、日本テレビ放送網、126頁「95 本瀬港(南伊豆町)」
  9. ^ 官報』昭和27年10月21日(本紙 第7738号)455頁「農林省告示第五百十七号 漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)第五条第一項及び第五項の規定により次の通り漁港を指定する。昭和二十七年十月二十一日 農林大臣 広川弘禅(中略)漁港の名称…長津呂 種類…一 所在地…賀茂郡南崎村大字長津呂 漁港の区域(水域)…南崎村三角点(標高二百四十・三メートル)を中心として半径二千メートルの円内の海面 (陸域)…大字長津呂五十一番地東角から百六十五度に引いた線、四百八の二番地東角から二百二十度に引いた線、五十一番地東角から五十九番地北角まで引いた線、同地点から四百八の二番地東角まで引いた線及び水際線により囲まれた地域並びに大字長津呂字本瀬四百四十三の二番地北角から九十度に引いた線、百六十九の一番地南角から百八十度に引いた線、四百四十三の二番地北角から百七十四の一番地南西角まで引いた線、県道下田仲木線及び水際線により囲まれた地域並びに本瀬五百九十三番地」
  10. ^ 『官報』昭和32年11月7日(本紙 第9264号)107-108頁「農林省告示第九百三十三号 漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)第五条第二項及び第五項の規定により、昭和二十七年十月二十一日農林省告示第五百十七号(漁港の指定)の一部を次のように改正する。昭和三十二年十一月七日 農林大臣 赤城宗徳 静岡県の部の長津呂漁港の項の名称の欄中「長津呂」を「石廊崎」に改め、同項の所在地の欄中「賀茂郡南崎村大字長津呂」を「賀茂郡南伊豆町大字石廊崎」に改め、同項の水域の欄中「南崎村」を「南伊豆町大字石廊崎」に改め、同項の陸域の欄中「大字長津呂五十一番地」を「南伊豆町大字石廊崎五十一番地」に、「大字長津呂字本瀬」を「大字石廊崎字本瀬」に改める。」
  11. ^ a b 静岡新聞』2004年7月25日朝刊18頁「「海の月間」行事 石廊埼灯台を一般に公開」(静岡新聞社)
  12. ^ 『静岡新聞』2016年8月25日朝刊21頁「10月、再開発着手 南伊豆、ジャングルパーク跡地―駐車場や広場整備」(静岡新聞社)
  13. ^ 伊豆新聞』2015年12月23日下田版1頁「石廊崎区が駐車場運営 南伊豆・ジャングルパーク跡地開発 町に要望書提出」(伊豆新聞本社)
  14. ^ 『静岡新聞』2019年4月2日朝刊17頁「石廊崎の絶景 楽しんで オーシャンパーク開業 南伊豆」(静岡新聞社)
  15. ^ 東京新聞』2010年9月18日朝刊静岡版22頁「南伊豆 伊勢エビ漁解禁」(中日新聞東京本社
  16. ^ 『東京新聞』2009年9月18日朝刊静岡版27頁「伊勢エビ漁解禁 南伊豆で初水揚げ 小ぶりながら大漁に笑顔」(中日新聞東京本社 山谷道尚)
  17. ^ a b つり人社出版部『海釣りドライブマップ(5)西伊豆(田子の浦〜石廊崎)』2006年8月1日初版発行、46頁「入間〜石廊崎」(つり人社

参考文献[編集]

  • 『航空写真で見る 静岡の海釣りベストポイント312』(初版発行)静岡新聞社、2008年10月25日。ISBN 978-4783807629国立国会図書館書誌ID:000009722130全国書誌番号:21501974 
  • 編集人:佐々木正和 編『空撮 伊豆半島釣り場ガイド 南伊豆・西伊豆・沼津 駿河湾エリアの釣り場232』Series 06(改訂版)、コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2023年6月30日。ISBN 978-4774742656国立国会図書館書誌ID:032807984全国書誌番号:23842536 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯34度36分31秒 東経138度50分34秒 / 北緯34.60861度 東経138.84278度 / 34.60861; 138.84278