計算機 (ソフトウェア)
計算機 | |
開発元 | Apple |
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最新版 |
10.16
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対応OS | macOS、iOS、watchOS |
種別 | 電卓 |
公式サイト | Mac用計算機ユーザガイド |
計算機(けいさんき、英: Calculator)とは、macOS、iOS、watchOSに標準で付属している電卓ソフトウェアである。
概要[編集]
Classic Mac OS[編集]
Macintosh上で計算をする電卓機能は、最初のモデルであるMacintosh 128Kから搭載されていた。ただし、シングルタスクである初期のMacOS(System 1.0〜)では、複数のアプリケーションを同時に起動させることが出来なかったため、単機能の簡易なソフトウェアだが、いわゆる「常駐」実行ができるデスクアクセサリとして実装された[1]。この計算機は、Macintoshの開発メンバーであるクリス・エスピノーザ(Chris Espinosa)が試作したものを何度スティーブ・ジョブズに示しても、そのスタイルに関して、あっちがダメ、今度はこっちがダメと納得しなかったため、"the Steve Jobs Roll Your Own Calculator Construction Set" と称するカスタマイズツールをジョブズに渡して、ジョブズ自身に好きなだけカスタマイズいじりをさせてスタイルを完成させたものである[2][3]。この計算機は、デスクアクセサリが廃止された後も一般アプリとしてほとんどそのまま再実装され、Mac OS 9まで機能・デザインともほぼ変更されなかった[4]。
OS X[編集]
OS X(現macOS)の計算機アプリケーション (Calculator.app) では、スタイリングが一新された他、基本・科学計算・プログラマの3つのモードが追加された。基本モードでは加減乗除ができる。科学計算モードでは基本モードと同様の機能に加え、三角関数や指数関数、累乗等、一般的な関数電卓にある基本的な演算ができる。プログラマモードでは、(やはり関数電卓によくある機能である)8・10・16進法の入力・表示とビット演算などができる。また、逆ポーランド記法順の入力に対応したモードもある。その他、計算結果のプリント機能や、圧力・時間・速度など様々な単位を簡単に換算する機能もある。macOSのアクセシビリティ機能のひとつであるVoiceOverに対応しており、計算結果の音声で読み上げさせることができる(音声計算機)[5]。
Mac OS X v10.4で採用されたDashboardにも、計算機ウィジェットがある。こちらは、多機能なアプリケーション版と異なり、基本的な電卓機能だけの電卓を実装したウィジェットとなっている。
macOS Big Surでは計算機のウィジェットが廃止され、利用できなくなった。
脚注
- ^ Microsoft Windowsの「電卓」は、インストール直後のデフォルトの状態でメニュー階層が「アクセサリ」という名前であるというだけで、通常のアプリケーションと同じ仕組みのソフトウェアである。
- ^ http://www.folklore.org/StoryView.py?story=Calculator_Construction_Set.txt
- ^ アンディ・ハーツフェルド・著 柴田文彦・訳 『レボリューション・イン・ザ・バレー 開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏』 オライリー・ジャパン、2005年、ISBN 4873112451
- ^ 発展し続ける「ウィジェット」 - ASCII.jp 2008年8月6日
- ^ 視覚に障がいのある方に - OS X アクセシビリティ(アップル)