迎春花 (映画)

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映画『迎春花』の宣伝ポスター

迎春花』(げいしゅんか、またはインチュンファ)は、1942年に満州映画協会と日本の松竹映画佐々木康監督、李香蘭近衛敏明木暮実千代の主演で製作した恋愛映画で、当時の満州国の時代を背景にしている[1]

題名の迎春花は、中国東北部で春先に満開になるおもに黄色の花で、服部富子が歌って大ヒットした歌『満洲娘』(作詞:石松秋二・作曲:鈴木哲夫、1938年)でも「迎春花(インチュンファ)が咲いたなら、お嫁に行きます、隣村。」とある[2]

プロット[編集]

映画の大筋は、満州国奉天市で働くことになった日本人青年・村川武夫の体験を描いている。 ここで彼は徐々に現地の生活に溶け込み、中国人女性バイ・リー(白麗)やいとこのヤエ(八重)と情緒的な関係を築いていく。武雄は満州に来た当初、偶然現地人の白麗に生活を助けられ、その後彼女の言動に惹かれていく。ヤエが武夫に恋していることを知った白麗は、二人をはめるために自分の気持ちを犠牲にすることを決意する。一方ヤエは、武夫は白麗だけを好きなだけだと知った後、新たな生活のために日本に戻ることを選ぶ。終わりに、白麗は北京で暮らすことを選ぶ。

映画の冒頭で李香蘭と木暮実千代はアイスホッケー場でアイススケート姿を見せる。

この映画は日本軍政府の「南進」政策を背景に、北の拠点に根を張り(人材を探す)、南下する(資源を求める)時代を反映している。

脚注[編集]

  1. ^ 迎春花”. 松竹・映画作品データベース. 2024年4月19日閲覧。
  2. ^ 満洲娘”. うたまっぷ.com. 2024年4月19日閲覧。