IBM 270x

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IBM 270x(IBMにぃななまるエックス、英語: IBM 270x)はIBMが1964年に発表したSystem/360の中で、遠隔地の端末機をモデム通信回線を通して接続するための周辺機器で、IBM 2701/2702と翌年に発表したIBM 2703があった。IBM 270xは後に、IBM 370x通信制御装置(IBM 3704/3705 Communications Controller)に置き換えられていった。

2701[編集]

IBM 2701データ・アダプター装置はシリアル通信方式のスタート・ストップ通信、同期通信方式の同期送信・受信(後の1967年に二重同期通信も追加)をサポートした。二つのマルチプレクサ・チャネルで、一つまたは二つのホストに接続できた。通信スピードは半二重通信モード(HDX)で毎秒40,800ビット(40,800 bps)であった。

2702[編集]

IBM 2702通信制御装置は、2701より多い31個の通信回線を接続できたが、速度は遅くなった。System/360入出力配置図を見ると[1]、スタート・ストップのサポートだけだったようである。

2703[編集]

IBM 2703通信制御装置はシリアル通信方式のスタート・ストップ通信、同期通信方式の同期送信・受信(後の1967年に二重同期通信も追加)をサポートした。二つのチャネルがあり、一つまたは二つのホストに接続できた。通信スピードは半二重通信モード(HDX)で毎秒40,800ビット(40,800 bps)であった。

遠隔地の通信装置[編集]

IBM 270xには次のような様々な遠隔地の通信端末機が接続できた。

など
こうして、それまで電算機室にすべてを集めたセンター集中方式から分散コンピューティングへの幕開けを迎えた。

ソフトウェアのサポート[編集]

IBM 270xに接続する端末機のソフトウェアサポートはBTAM(BTAM)が提供されて、後にQTAM(QTAM)、TCAM(TCAM)が追加されて、CICSIMSのサポートの下となった。

開発と製造[編集]

IBM 270xおよび関連ソフトウェアはIBMリサーチ・トライアングル・パーク(米国ノースカロライナ州)で開発され、そこで製造も行なわれ、海外の工場でも製造が行なわれた。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]