Wikipedia:井戸端/subj/著作権侵害への対処

著作権侵害への対処[編集]

最近になって記事「プラズマ」に関し、2年以上以前の短い書き込みが著作権侵害の疑い濃厚ということで削除依頼が出され、討議が行われています(「 Wikipedia:削除依頼/プラズマ 」ならびに同ノート参照)。 そこでは現在、それへの対処として2007年1月13日およびそれ以降の特定版の削除を考え、削除後に、記事の大部分を占める、この書き込みと関係のない文章をなんとか再生できないかが検討されています。 たしかに「Wikipedia:著作権侵害への対処」では「最初に著作権侵害が発生した過去の版にさかのぼって削除する必要があり」、それ以後の版は履歴継続に欠けることになるので全部削除することになっていますが、私にはこの特定版削除という対処方法のルール自身に疑問がありますので、ここで広く皆様のご意見を伺ってみたいと思い、ここに持ち出しました。

議論を理解するための前置きとして、「プラズマ」で問題になった事柄を書きます。 特に問題になっているのは、2007年1月13日00:34の版の本文の付録のように付けられている「関連用語」のなかの「磁力線の凍りつき」解説の文章で、最近 2009年2月14日になって初めてそれが、web上のある大學プラズマ科学研究室のホームページにある術語説明文に酷似しているので著作権侵害ではないか、と指摘されました。 そしてこれは危ないということで、記事「プラズマ」の削除依頼が出されましたが、問題はその版以来すでに2年余が経過しているため、「プラズマ」にはかなり多くの手が加わっており、それらの手入れが全て消えてしまうことです。 それに今回予想される措置 2007年1月13日版の特定版削除では幸いまぬがれますが、これが同様に問題となった「プラズマ振動」の用語解説記事が書き込まれた 2006年5月17日版で特定版削除するとなると、「プラズマ」から派生した記事「プラズマ物理」も履歴が切れますので、巻き添えで削除しなければならないところでした。 そしてここで問題にしたいのは、このようにずっと昔の小さな著作権侵害を是正するために、数年間の努力の結晶を白紙に戻すことが妥当だろうか、と言うことです。 そしてそのようなことが起こる原因が、是正は特定版削除によって行う、というルールにあるのであれば、そのルール自身が本当に妥当なものかどうかを検討する必要があるのではないか、と言うことです。

「特定版削除」に代わる方法があるとすると、それは著作権侵害を見つけた時点で、それを削除ないしは書き改めによって侵害状態を解消することですが、これは「Wikipedia:著作権侵害への対処」文書において「著作権侵害でなくなるように記事を書き改めたとしても、過去の版の著作権侵害を消すことはできません。 必ず削除依頼を出し、過去の版を削除した上で、改めて加筆して下さい」と書かれ、明確に禁じられています。 しかし本当に、過去の版に著作権侵害の状態にあったものがあったという履歴を残してはいけないのでしょうか。 素人考えでは、著作権法が問題にするのは現行の版に侵害があるかどうかだけであり、GFDL は履歴の継続性だけを問題にして過去の版の実質にはかかわらないと考えられ、法律的には著作権侵害状態の版が過去の履歴に挟まっていても問題はないように思われます。 むしろ、過去に侵害の疑いのある部分を含んだ版があり、侵害の疑い状態解消のため手を入れた、という事実まで含めて履歴を残した方が Wikipedia らしくてよいように思われます。

「特定版削除に限る」というのはWikipedia 側の自己規制ないしは美学であると思います。 そしてこのルールを作った時には、今回の「プラズマ」のように、侵害が数年経ってからみつかるというケースは想定外だったでしょう。 たしかに侵害はすぐ見つかるものとの前提に立てば、そこで直ちに特定版削除をするのが簡単明瞭で気持ちよい方法です。 しかし、今回のようなケースでは、その副作用による損失が大きすぎるように思われます。

問題の文章は内容はこの方面に通じているものには常識的で誰でも書けそうな文章でしたから、わざわざどこかからもってきたなどは想像外でした。 ところが今回たまたま、それに酷似した文章がwebにあることがわかって問題になったものです。 その意味ではこのような小さい著作権侵害はまだあちこちにあって、知られていないだけかもしれません。 そしてそれが分かるたびに今回並の騒ぎが起こるのでは大変です。 あるいはこのようなような小さく些末な侵害は「侵害」として取り上げない方がよいのかも知れません。 原文の著者もこれを見てにやっとするだけではないかと思っています。

以上に基づく私の提言は、著作権侵害への対処方法として、「特定版削除」のほかに場合によっては(例えば特例としてでも)「削除、もしくは書き改め」も認めたらどうかということです。 そしてその経緯を「編集内容の要約」にきちんと書いて履歴に残すことです。 そうすれば過去に著作権侵害という傷をもつ版があったという傷ついた履歴は残りますが、内容損失という副作用なしに済みます。 これはWikipediaで公式に決まっているルールの変更を意味するので容易ではないと思いますが、まずは皆様からご意見を頂きたいと思います。 特に何か重大な視点の見落しがないか検討して頂けると幸いです。 Midz 2009年2月20日 (金) 00:52 (UTC)  [返信]

Wikipedia:削除依頼/テイルズオブジアビス関係が類似案件だと思います。結局ばっさり削除されました。著作権侵害箇所を見つけた場合は、侵害のない版まで直ちに差し戻してください。差し戻した後に追加された編集については、特定版削除の対象範囲から除外されます(最新版まで全てを削除しなくてよくなります)。それぐらいしか、救済策はありません。これすら行なわれていない場合は、残念ですが諦めてもらうしかありません。しかし、特定版削除後に侵害していなかった部分の再投稿は認められていますので、削除前に作者が記録をとっておき、再投稿すればある程度の復元は可能です。こういうのは、即差し戻し+削除依頼+投稿者への注意、必要であれば各種措置をするしかないです。--草薙 2009年2月20日 (金) 05:40 (UTC)[返信]
さっそくお応え頂き、有難うございました。 挙げていただいた類似案件を読んで、過去にも大変な議論がなされていたことが解りました。 すべては「傷のある特定版を履歴に残してはいけない」ことを自明なこととして話が進んでいて、なぜそうなのかという基本的な疑問は解消しませんが、これだけ大きな組織では、やはりできるだけ簡単明瞭な手続きを定めておかないと運営できないことは確かでしょうから、私の今回の提言はあっさり取り下げます。 有難うございました。--Midz 2009年2月20日 (金) 07:00 (UTC)   [返信]
(一応補足)一つ補足しておきます。ウィキペディア日本語版では今回のプラズマに関する案件などの場合必ず特定版削除を実行しなければなりませんが、これはあくまで「ウィキペディア日本語版」における方針であって、他のプロジェクトでもそうとは限りません。例えば中国語版ウィキペディアでは初版が著作権侵害だった場合はzh:Wikipedia:頁面存廢討論/疑似侵權で削除を依頼しますが、初版以外の場合は単に差し戻すか、転載部分を取り除くだけで済ませてしまうようです [1][2]。(Wikipedia‐ノート:著作権侵害への対処#過去の版の著作権侵害によれば英語版も同様であるとのこと。)もしかすると日本語版も将来、中国語版や英語版にならって方針が改正されるかもしれません。(送信可能化権などの問題があるため困難だとは思いますが。)--Hinadori♪♪♪2009年2月20日 (金) 09:35 (UTC)[返信]

Midzさんの提案とは異なりますが、特定版削除を行った上で削除された版から問題の無い部分だけを再投稿して掲載することはできないのでしょうか(最初に投稿した本人以外が、という意味です)。この方法はGFDLが要求する履歴保存を満たしていないのでしょうが、Wikipedia:著作権には投稿者の権利が限定される場合として「削除された記事がカットアンドペーストで復旧された結果、自らが執筆したという記録が残らなかったり(中略)することがあります。ウィキペディアの投稿者は、ウィキペディア内で履歴表示や著作者名表示が正確に行われない場合があることに同意したものとみなされます。」と規定されています。この規定はWikipedia:著作権/2008年7月13日までの文書対象2004年6月28日 (月) 12:10(UTC)の版再投稿版ではこちら)から有効になっています。つまり、プラズマの特定版削除に巻き込まれる版を執筆した全ての方は投稿の際にこの規定に同意しているはずです。この規定は、追加された当時の議論(Wikipedia‐ノート:著作権の過去ログ2、#システム上の理由によるGFDL不適合)を読むと、まさにWikipedia:削除依頼/プラズマで起きている事態を想定して作られた規定であるようです。プラズマの特定版削除後に問題の無い部分だけを再投稿すれば問題の部分は削除されて閲覧できなくなるので対外的な問題は発生しませんし、削除された版の加筆をGFDLに沿わない形でコピーすることもWikipedia:著作権の記載を根拠として投稿者の同意が得られていると言ってよいと考えますがいかがでしょうか。--BlueShift 2009年2月20日 (金) 11:00 (UTC)[返信]

「しかし、特定版削除後に(著作権)侵害していなかった部分の再投稿は認められていますので、削除前に作者が記録をとっておき、再投稿すればある程度の復元は可能です。」(括弧部分追記)といってる部分がそれに当たります。分かりにくかったかもしれませんが。言葉足らずだったので追加します。該当部分を編集できるのは過去その文章を投稿した人だけということはないので、そのままのペーストはまずいですが、まとめなおしたものだったら問題ないはずです。作者以外が貼り付け投稿する事の問題ですが、履歴上では追加したもの全部が「その投稿者が書いたことになってしまう」点にあります。どうしても見かけ上そうなってしまうので、「そうじゃないんだよ」という事を許可を取ったことを示すなど、何らかの方法で表示する必要があります。--草薙 2009年2月20日 (金) 11:17 (UTC)[返信]
こちらこそ分かりにくかったようですいません。各版の作者が再投稿するのではなく、作者以外の方がまとめて投稿できないかということです。誰でもいいですが例えば私が、プラズマの差し戻し前の最新版を保存しておいて侵害部分のみを除去し特定版削除後に(元の版の作者から別途の許諾を得ることなく)まとめて投稿する、ということです。見かけ上投稿者が変わって見える、という点は承知しています。Wikipedia:著作権#投稿者の権利が限定される場合の記載をもってその許可を得ていると解釈できる、という主張です(要約欄やノートでのフォローは必要だと思いますが)。--BlueShift 2009年2月20日 (金) 11:41 (UTC)[返信]
確認しておきたいのですが、上記BlueShiftさんの一括投稿のやり方でOK(但しノートなどでコメントしておく)という結論ですね?--寂華 2009年2月21日 (土) 11:43 (UTC)[返信]
BlueShiftさんが指している免責の記述は、過去版削除の巻き込まれを避けるために加えられたものではありますが、なんとか残そうとしている重要な記述の執筆者の貢献が見えなくなってしまうものでもあります。著作権法からもGFDLからも侵害となる可能性が高く、GFDL「0. PREAMBLE」との齟齬がちょっと大きすぎますから、WP:著作権の文書のこの条項を使って削除された記述を復帰させるのは、ぼくには「大丈夫」と言い切れるものではなく、ちょっとリスクが読みきれません。履歴を方針記述の変更後、その手法はほとんど使われていないと思います。自分の投稿記録が残らないまま記述を残し、それが改変され、商用利用されてもいいか、そのような運用が参加意欲を削ぐようなことにならないかという点については、再考の余地があるんじゃないかな。--Ks aka 98 2009年2月22日 (日) 10:45 (UTC)[返信]
(取り下げ)特定版削除の巻き添えで削除してそのままよりは、(要約欄やノートでの補足と言う形で)限定的にしか名前が残らなくとも記述が残るほうが投稿者の理解は得やすいのではないか、との思いからの提案でした。ただ、Ks aka 98 さんが指摘された通り、自分の名前が履歴として残ることがGFDLの重要な要素のようですし、私の提案は履歴が失われることを軽く見すぎているものだったかもしれません。また、提案した後で、私の大雑把な提案よりも誠実な方法がWikipedia:削除依頼/ベリアルで試みられていることにも気付きました。より優れた方法が提案されている以上、システムの仕様による制限で履歴が失われたという主張も難しいでしょうし、この提案は取り下げます。コメントありがとうございました。--BlueShift 2009年2月23日 (月) 11:53 (UTC)[返信]
上記の件でWikipedia:著作権侵害への対処への修正・追加をしましたが、削除されました。Wikipedia:著作権侵害への対処の修正・追加・削除についての議論の場を、Ks aka 98さまに設けていただければ幸いです。申し訳ありませんが、私には余裕がありません。よろしくお願いいたします。--寂華 2009年2月22日 (日) 11:53 (UTC)[返信]

私の問題提起にたいし、かくも多数の熱心なご意見を頂き、感謝しています。 中でも Hinadori さまからご教示いただいた
1. 「侵害の(疑い)ある過去の版の全削除」は「日本語版」の方針であって、Wikipedia 一般のことではなく、現に中国語版や英語版では侵害部分を取り除くことで済ますことも行われている。
2. しかし、「日本語版」においては「日本の」著作権法が「送信可能化権」を認めているため、この方針を変えることは困難である。
はまさに私が欲しかった答で、有り難く拝読しました。 これで私の基本的な疑問も解消しました。
そこで思ったのですが、「侵害を含む過去版を履歴に残してはいけない」ということにこのようなはっきりした法的根拠があるとすれば、「Wikipedia:著作権侵害への対処」文書を修正して、その中の適当な場所に「日本の著作権法の送信可能化権侵害にあたるので」とはっきり書いておいた方がよいのではないでしょうか。 そうすれば今後、誰かが私のような疑問をもって余分なことをするのを防げます。 どなたかよろしくお取り計らい頂けると幸いです。 --Midz 2009年2月21日 (土) 04:33 (UTC)[返信]