Wikipedia:査読依頼/日本十進分類法 20150420

日本十進分類法 - ノート[編集]

日本の図書館ではおなじみの分類法で、今年20年ぶりの改訂版が発売されました。参考資料は現物をはじめ関連書籍やコピーなどが手元に少々ありますので、今後も継続的に加筆予定です。しかし自分自身昔から馴染みがあり、また仕事でも使っているため、問題点や構成・言い回しなどにあまり自信がありません。現状の要改善点や今後加筆すべきポイントなど、ご意見をよろしくお願いいたします。--氷鷺会話2015年4月20日 (月) 13:57 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価頂いた結果。
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
  • 仕様とか歴史に関してはすでに十分な内容で、後述するようにこまごました表記の問題を除けばあまり付け加えるべき事もないように思います。あとは実際の利用や運用面での情報が充実していると良いと思います。利用や運用に関する以下の疑問点は、普段利用している方にとっては自明の事かもしれませんが、部外者としてはまったく知らないこと、あるいは意外なことでもあるので、こういった疑問に答えるような内容を充実していただければ、と思います。
  1. 柒月例祭さんのコメントにもあるように、実際に図書館の蔵書に分類番号を割り当てる作業は誰がどうやっているのか、とかいうのは部外者にとって大きな疑問です。私は、どこかの上部組織が「この本はこの番号」と一律に決めてデータとして公開しているものだと思っていましたが、知合いの司書さんに聞いたら、なんと図書館ごとに司書がやっているのだそうで、つまり同じ本でも図書館によって分類番号が大きく異なることもあり得る、と聞いてびっくりしました。すでに下のコメントで回答をいただいていますが、やはりこのあたりことは実際の運用面で一番重要な部分なので解説が欲しいところです。
    Loasaさん そうですね。「実際どう使われているのか」という観点がすっかり抜け落ちてしまっていたようで、その点については加筆する必要がありそうです。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
  2. また、出版社によっては、自社の出版物に日本十進分類法に基づく分類記号をつけている会社もあります(たとえば講談社など)。つけている会社はどういった目的で(たとえば自社内のデータベース用として、あるいは図書館などに対するサービスの意味で)つけているのかということも知りたいです。
    Loasaさん 奥付や標題紙裏に記載のNDCのことですか……。英米などで出版時に図書館のために書誌事項を印刷するCIP (Cataloging in Publication) を真似たのかな?とか思っていましたが…。恥ずかしながら(「あてにならない」ことだけはよく知っているため大抵無視しており)よく知りません。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
  3. それと、分類法の利用に対するライセンス?はどうなっているのか気になるところです。私はこの分類法は図書館協会が決定した公的な物、いわばオープンソースのようなもので、誰でも勝手に利用してよいものと思っていたのですが、当初は私的な提案であったことを考えると、利用に付いても何らかの制約がついているのでしょうか(例えば図書館協会に登録している図書館でないと利用できないとか何とか)。 これも、関係者にとっては自明な事かもしれませんが、部外者としてはその辺のところもよくわからないので解説が欲しいところです。
    Loasaさん 特段、ウィキペディアンが想像するような「ライセンス」は定められていないようで、普通にコピーライトマークと、「転載する場合は許可を得ること」といった注意書きがある程度です。日本図書館協会の施設会員でないから利用できないとかそういうことはありません。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
  4. 本分類法は、日本に関連した項目を重視して構成されているということですが、これはすなわち、基本的に日本語で書かれた書物だけを適用対象としている、ということでしょうか。現在の記事を見る限り、日本十進分類法が適用される書籍の種類についての明瞭な記載は見当たりませんが、少なくとも分類法には明瞭に適用範囲を規定(日本語の書籍に適用する、とか)している文面はない、ということでしょうか。あるいは図書館によって適宜適用範囲を決めているのでしょうか。そうだとすると、洋書(というより日本語以外の言語で書かれた印刷物)に対しては適用しない図書館もある、ということでしょうか。適用されるのが和書だけだとしたら、洋書も多い大学図書館などでは、洋書は何で分類しているのでしょうか。利用節に和書、洋書に対する使用率が出ているので、洋書に対して使用されることもあるのだと思いますが。複数の体系を使っているとデータベース化などに際していろいろと障害があるのではないでしょうか。等々、適用対象についていろいろな疑問が出てきました。本分類法の適用範囲(あるいは実際の運用上の適用範囲)と、適用対象外の書物に対する扱いについても解説をお願いしたいところです。
    Loasaさん 日本十進分類法は、日本の図書館での利用を想定していますが、和書のみを対象とはしていません。記事にも書いてありますが、初期は副題に「和漢洋書共用」とあったくらいです。記事に掲載のこのグラフでも分かるとおり、ほとんどの図書館が、和書にも洋書にもNDCを利用しています。とはいえ、洋書ではNDCの割合が減ることから分かるとおり、一部の図書館では、洋書にはNDC以外の(DDCなどの)分類法を使うなどしています。その点については、このグラフの出典となっている詳細な調査統計がありますので、加筆いたします。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
以上のような疑問に対する回答になり得るような解説も含めて、実際の運用面での話題が充実していると良いと思います。
  • 販売価格については、通常ならたしかに概要に書くべき事ではないと思いますが、氷鷺さんの意図通り、電子版の価格を書くなら、そのアレな設定ぶりと比較するためにも比較的常識的な冊子版の価格も書いておく方がよいかと思いました。一般的に、電子化された書物でもデータベースの類は高いものですが、それにしても収録内容自体に大きな違いがあるわけでもなかろうに、なぜこんなに高いのでしょうか。
    Loasaさん 新訂9版やその電子版MRDF9の発売当時は、今とはまた事情が異なりますし、日本図書館協会の内情までは分かりませんのでなんとも……。私自身MRDFの現物は見たことがなく、どこの図書館も現場には冊子体があります(自館独自のカスタマイズを書き込むなどの必要もあるため)。おそらく、図書館レベルでの購入は最初から想定しておらず、図書館システムを開発するメーカー向けなのではないかと、私は勝手に想像しています。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
  • 以下細かいですが、わかり難かった表記や、変えた方がよいと思われる表記、補足説明が必要と思われる表記などについて列挙します。
概要
「図書館における資料組織に用いられ」
"資料組織"という言葉がわかりませんでした。その後を読めば意味はわかるのですが、普通は"資料分類"ではないでしょうか。もちろん図書館学の専門用語として"資料組織"という言いかたをするのなら構いませんが、ちょっと違和感を感じました。
Loasaさん 図書館学のなかで、分類などを扱うのを「資料組織論」と言うのです(最近の法改正で「情報資源組織論」になりましたが…)。とはいえ、確かに「資料を組織する」という意味は単独では伝わりづらいと思いましたので、何かしら改善してみます。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
「小数的に展開する」
柒月例祭さんのコメントにもあるように、「数値」ではないのだから「小数的に」という言いかたはちょっと変だしわからないです。もちろん出典にそう書かれているのなら仕方ないですが、例えば「単なる数字(とアルファベットやピリオドなどの記号)の並びとして解釈される」などの表現の方がよいかと思います。
Loasaさん ちょっと難しいところですが、考えてみます。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
分類
「日本十進分類法は、ある基準のもとで分類する際には必ず同じ記号を充てるよう設計されており」
これも意味がわかりにくい表現でした。さらにその後の例示を見ても「上位分類が同じなんだから同じ数字が出てくるのは当然じゃん?」と思い、ますますわからなくなりました。要目表をざっと見てようやく意味がわかったのですが、これは例示が悪いですね。たとえば、"「ドイツ語」を意味する記号は4"の説明なら、本表の方の
84 言語/ドイツ語、その他のゲルマン諸語, 94 文学/ドイツ文学、その他のゲルマン文学,054 総記/逐次刊行物/ドイツ語 084 総記/叢書、全集、選集/ドイツ語, 134 哲学/西洋哲学/ドイツ・オーストリア哲学,234 歴史/ヨーロッパ史、西洋史/ドイツ、中欧
等の例を挙げていただければ、つまりドイツ語に関連する分類要目の記号はどこかの桁に「4」が入る、という意味だと理解できたのですが。もしかしてそれも私の勘違いで、そういう意味でもないというのであれば、例示も含めてもう少し詳しい解説をお願いしたいです。
Loasaさん ドイツ語に関連する分類要目の記号はどこかの桁に「4」が入る』だと、大雑把な理解としては△、説明としては×です(「ドイツ」と「ドイツ語」の混同)。しかしそれも私の説明の出来が悪いせいですので、例示を盛り込みつつ表現を修正するようにします。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
  • 最後に、脚注形式ですが、harvタグを使うなりなんなりの方法で、脚注から書誌情報へのリンクをお願いしたいと思います。査読やGA選考などでこういう要求をすると、「書誌情報がきちんとしていればいいんだ」「形式じゃなくて内容を評価しろ」「そんなことは執筆者に要求すべき事じゃない」などという声が上がりがちなので、あまり言いたくはないのですが、やはり一利用者としての立場で言わせていただきますと、はっきり言って不便です。特に本記事のように同じようなタイトルの参考文献がいくつもあるような場合は、参考文献一覧から該当の書籍を見付けるのはたいへんです。まあこれはある程度機械的にできることなので、特にそうすべきでないという理由がなければ、私が手すきの時にやってもよいのですが。
    Loasaさん 脚注については新訂9版から新訂10版への更新もする予定ですので、その際に形式を変更します。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
以上、コメント、感想、修正意見等いろいろとりまぜて書いてみました。今後の記事加筆の参考になれば幸いです。--Loasa会話2015年4月29日 (水) 06:00 (UTC)[返信]
大変細かいところまでご指摘いただき、ありがとうございます。申し訳ありませんが、それぞれの箇所にコメントを挟ませていただきました。--氷鷺会話2015年4月29日 (水) 12:49 (UTC)[返信]
コメント にょきにょきと申します。興味深く読ませていただきました。「分類」節については難しい部分であるにもかかわらず丁寧に書かれていて全く不満はありませんでしたが、分類原則を挙げながら説明をするのもありかなと思いました。NDCが目標とするところ、意図するところが分かりやすくなり、NDCがどこに重きを置いているか分かりやすくなるのではないか、と。それとも徒に専門用語が増えて理解を遠ざけてしまうでしょうか。
読んでいて思ったのは批判や問題点に関する記述が少ない気がしました。確か戦前はほとんど普及していなかったようですし、いわゆる初版の発表直後にも批判が複数出ているようです(具体的にどのような指摘・批判があったのかは浅学のため存じませんが、図書館研究(昭和7年、芸草会発行)に掲載されているようです)。列挙型であるがゆえに複合型主題には弱いとか、現行版は変わってきているのかもしれませんが、以前は「書架分類のための分類表」を第一にしていたので記号を短くするため、ちょっと分類に無理をしているところもあったと思います。こうした問題点とされる部分もNDCの特徴ではあると思いますので、記載があるといいのではないかと思います。
以上、評価というよりは感想かもしれませんし、何分査読依頼にコメントするのも初めてなものですから細かいどうでもいいことまで言ってるかもしれませんが、何かのご参考になればと思います。--にょきにょき会話2015年6月16日 (火) 12:58 (UTC)[返信]
【感想】 ──専門外の方による感想。
読みやすいです。見るからに難解なことを書いてそうで、見かけのボリュームに圧倒されますが、読んでみるとすらすら読めて、とてもわかりやすかったです。個人的には460-480あたりの分類どうなのさ?と思っていたので、なるほどそういうことだったのか、とためになりました。いちばん意味がわからなかったのは「小数的に展開する」というところだったのですが、読み方の例があったので助かりました。実際の図書館では788.51とかになってるので、その「.51なになに」のあたりはどうなっているのか気になったのですが、削除依頼の記録を読んで事情を理解しました。記事への不満ではないのですが、これを読んで思ったことが2つ。1つは、本が1つ出るたびに全国の図書館の人が本を読んで、これは南フランスと北イタリアの歴史と地理を織り交ぜつつ農業を紹介しているからどこに分類しようかな、図書館毎にやってるのかと思うと気が遠くなる仕事だなと思いました。それともどこかのHQが「この本は612.38だよー」と連絡してくれたりするのだろうか、とか。2つめは私の競馬は788で相撲・拳闘・競馬で1セットなんですが、なんで相撲?と思いました。相撲は789の武術とセットにすればよかったのに。拳闘と競馬はイギリス由来でワンセット、というのはなんとなく予想がつくのですが。もちろんそこらへんの細かい1つ1つを詳述するわけもないし、理由はどうあれこう決めたんだ、ということなんでしょうけども。子供みたいな感想ですみません。あとは「販売価格」の詳細は「概要」に書くようなことなのかなあという感じはしました。それから、各分類からいろいろな記事にリンクがあって、きっと氷鷺さんがリンク先を読んでこれならリンクしてもいいだろう、と考えながら選んでいるんだろうと思うのですが、これは「ウィキペディア内のどの分野が充実していて、どの分野がそうでもないか」の地図のようにもなりますね。で、すげーむちゃを言うのですが、たとえば855のフランス語・文法の「文法」は文法へリンクしているのですが、これはフランス語の文法へのリンクとしたほうがよかろうなあ、と思いました。すごい大変な作業ですけども・・・。まあその「作業」をやるのは主筆者ではなくてもいいし、そこに力を注ぐよりは本文の説明を重視すべきでしょうから、本当に無責任な「感想」です。この記事を長い長い時間をかけて作り上げられたことには敬意と感銘を覚えます。なにより「よみやすい、わかりやすい」というのが素晴らしいです。--柒月例祭会話2015年4月27日 (月) 16:17 (UTC)[返信]
㭍月例祭さん どうもありがとうございます。まず一つ目の疑問点についてですが……書誌分類(データ上の分類)は、公共図書館なら図書館流通センター日本出版販売の書誌データに記載の分類、大学図書館ならNACSIS-CATの書誌データに記載の分類がありますが、書架分類(要するに背表紙ラベルの分類)は、個々の図書館がどこの棚にどう置くか色々と考慮しないといけませんので、最終的には各図書館が(職員か委託かはともかく)やっています。たとえば、あるシリーズの本を、シリーズとして全冊まとめて置くか、一冊一冊バラバラにそれぞれの分野に置くか…などでも違ってくる訳です。そうですね、そういう実務的にどう使われてるのか、書けると良いですね。
二つ目。むしろ相撲と拳闘がセットなのですよ。格闘技ですからね。実を言うと戦前は「786 競馬」「789 相撲.拳闘 其他闘技」だったのが、戦後直後の大改訂で「788」に統合されて現在のようになりました。格闘技とレース競技という二つだと確かに違和感を持たれるのも無理はなく……あくまで個人的な解釈ですが、788は、「武道以外のスポーツ」のうちの「その他」に近い扱いと考えていただいたほうが良いのかもしれません。
販売価格は、電子版(MRDF)のちょっとあれな価格設定を書くうえで、冊子体にも入れたのですが、仰る通り、ちょっと微妙なところですので、移動するか削るかいたします。分類表の中のリンクは……実は私は手を入れていません…近いうちにやりたいと思いますが、たしかに作業量的にも難しいところです。色々と貴重なご意見ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。--氷鷺会話2015年4月28日 (火) 13:14 (UTC)
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これは恐縮です。興味本位のようなニッチな感想に丁寧にご説明いただき、ありがたいやら申し訳ないやらです。価格については、たしかに「100万もするの!?」というのはインパクトありますね。図書館向け40万というのもじゅうぶん高いですし、そんなことにそんなにお金を使って・・・と思う人もいれば、それで20年30年使うんなら安いもん、とも思います。ゼンリンの地図みたいなもんですね。記事の今後の発展も楽しみにしています。--柒月例祭会話2015年4月29日 (水) 08:06 (UTC)[返信]
【その他】 ──表記・文体など